第10話 星の王子さま、総長にされる
ー天陵学園 校庭ー
暴走族集団の連中が言った言葉に、俺は絶句していた・・・・・。
俺達を部下にって、何を言っているのかね・・・・、チミ達は・・・・?
俺が絶句しているのに気付いた暴走族のリーダーである男が話してきた。
「俺は、今いる連中を率いる『爆裂団(ばくれつだん)』の総長をしている天童龍二(てんどう りゅうじ)と言いますっ!!」
「今回、あの二人が強引なナンパをした結果、叩きのめされたのは本当ですかっ!?」
そう言って、天童は未だに気絶しているナンパ男二人組を指差した。
「そうだ、それは間違いない。」
俺が答えると、天童は地面に亀裂が生じるのではと思うくらいで土下座謝罪した。
「スミマセンでしたっ!!いくら仲間とはいえ安易に嘘を信じて鵜呑みにしてしまいましたっ!!!」
それは、天童だけでなく元レスラーを始め他の連中も遅れて土下座謝罪をしてきた。
「「「「「「「「「「スミマセンでしたっ!!!」」」」」」」」」」」
こいつら、根っからの悪じゃあないな・・・・。
そう考えた俺は、天童達に言った。
「確かに、嘘を信じて鵜呑みにしていたからといって、皆に迷惑をかけた事には変わりない。」
「だから、この場にいる天陵学園の教師や生徒達に謝罪してくれ。」
一瞬、呆けた天童達だったが、すぐに天陵学園の教師や生徒達にも土下座謝罪をした。
その後、俺は元レスラーの手を応急処置をして「嫌がらずにちゃんと病院に行けよ。」と言った。
その時、元レスラーだけでなく天童達もなんか感動していたような気がしたのだが、気のせいだよな・・・・・?
数分後に通報を受けた警察のパトカーが数台、到着した。
本来ならば、天童達は全員が逮捕になるのだが、俺が待ったをした。
そして、俺は天童達はナンパ男二人組の嘘で煽られただけであること、多少、揉めたけど天童達は自分達に土下座謝罪したことを話し、充分反省していることを話した。
逆に俺は、元凶のナンパ男二人組が持っていた小型ナイフで俺と天童を刺そうとしていたことから、俺は被害届を出すからと二人の処分を警察に委ねた。
証拠の小型ナイフも押収されて、ナンパ男二人組は警察に連行されていった。
なお、『爆裂団』の連中は、警察官達からの厳重注意に留まり、警察は引き上げていった・・・・。
警察が引き上げていった後、俺は天童に言った。
「さっき、俺の部下と言っていたけど、俺には必要ないからな。」
すると、天童達は引き下がらなかった。
「いいえっ!!!貴方の強さ、男らしさ、怪我の応急処置をしてくれた器の大きさに惚れ込みましたっ!!!どうか、俺達全員を貴方の部下にして下さいっ!!!!」
改めて、天童達全員が土下座をしながら頭を下げて俺に懇願してきた。
えぇ~~~~、勘弁してくれよ・・・・・・・。
「とりあえず、今後はこういう騒ぎや悪さをするなよ?もう帰って良いぞ。」
俺がそう言うと、天童達は頭を下げて言った。
「「「「「「「「「「分かりました、総長!!失礼しましたっ!!!」」」」」」」」」」
そう言って、爆裂団は帰っていった・・・・。
ドッと疲れた俺に対して、最初に対応していた教師二人が聞いてきた。
「新條・・・・・。」「お前は何者だ・・・・?」
それに対して、俺は答えた。
「いやぁ~~、格闘技や剣術を学んだごく普通の高校生ですよ♪♪終わりよければ、全てよしですねっ♪♪f(^_^)へ」
そう言って、テヘペロしながら言った俺に教師二人が叫んだ。
「「そんな訳、有るかぁーーーーー!!!」」
結局、無茶をしたとして怒られた。解せぬ・・・・・。
翌日、いつものように自宅マンションを出て、学園に向かった。
すれ違う同じ学園の生徒達の反応は様々だった。
好奇心、興味、畏怖などであったが、それも仕方ないと思った。
やがて、校門前に行くとザワついていたから様子を見た。
なんと、大文字先輩を始めとする生徒会のメンバーと風紀委員達が、爆裂団の天童達と睨み合っていた・・・・。
何なの、このカオス・・・・・・?
そして、俺に気付いた天童達が一斉に片膝を付いて俺に挨拶をしてきた。
「「「「「「「「総長っ、おはようございますっ!!!」」」」」」」」
俺は軽い目眩を感じながら聞いた。
「俺は総長になる気も、お前たちを部下にする気も無いと言ったはずだけど・・・・?」
それに対して天童は、
「いいえっ!!我々『爆裂団』は貴方の目となり、鼻となり、手足となって貴方へ生涯の忠誠を誓いますっ!!!」
「「「「「「「「「これからも宜しくお願いしますっ!!!!!」」」」」」」」」
その言葉を聞いた俺は、その場で四つんばいになって崩れた・・・・・。
俺の平穏な日々と青春はどうなる・・・・?
____________________
結局、『爆裂団』の総長になってしまった康雄。
彼の平穏な日々と青春は、本当におさらばでしょうか・・・・・?😅
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