第20話 星の王子さま、武装集団に挑む①
ー 東京 とあるバス停 ー
ヒッチハイクを繰り返した俺は、自宅マンション近くのバス停にいた。
「さてと・・・、久しぶりに卓たちに電話するか。」
今の時間帯は休み時間だから電話に出ると思い、卓の携帯に電話をかけた。
「・・・・・、繋がらないな。どうしたんだ?」
何度かかけたが、繋がらなかった。
どうやら、携帯の電源がOFFになっているようだ。
「なんだろう、気になるな・・・・。」
胸騒ぎを感じた俺は、天陵学園に向かった。
学園近くまできた俺は言葉を失った。
学園の周りには、警察が多く配置された上に少し離れた箇所には、報道陣が集まっていた。
「何なんだ、これは・・・・。」
「総長。」
俺に小声で話してきたのは天童だった。
「天童か、久しぶりだな。それで何があったんだ。」
「総長、場所を変えましょう。」
そう言われて俺は天童に付いていった。
場所は学園から離れた廃棄された倉庫前にいた。
そこには、爆裂団のメンバーが全員いた。
「「「「「「「「「「総長、お帰りなさい!!!!」」」」」」」」」」」
(もう、総長でもいいや・・・・。)
内心で諦めモードになりながら、俺は天童に聞いた。
「それで、天童。何があったんだ?」
「はい、それが・・・・・。」
天童たちが話し始めた。
天童たちの話によると、事の経緯はこうだった。
お昼休み直前に突然、2台のワゴン車が天陵学園のグランドに突っ込んできて、2台のワゴン車の中から20~30人くらいの武装集団が校内に乗り込んできた。
校舎は瞬く間に武装集団に制圧されて、学園の教師や生徒たちが人質になってしまった。
すぐに異変に気付いた近所の人が警察に通報したことで、警察が動いた。
だが、人質がいるために下手な行動が出来ず、睨み合いになった上に今回の出来事を知ってマスコミたちも集まってきて現在に至るとのことだった・・・・。
「まさか、そんな事態になったとは・・・・。人質の状態は?」
「はい、襲撃された時は理事長と学園長は不在でした。また、教頭が武装集団に訴えた結果、大部分の教師や生徒たちが釈放されました。」
「それでも教師一人、生徒会役員一人と一年の生徒たちが人質として残っています・・・・。」
「まさか、残っている人質って・・・・。」
「はい。総長のクラスメイト、担任、生徒会長です。」
天童たちの話を聞き終えた俺は頭の中で簡単に整理した。
武装集団の目的は未だに不明だが、教頭の青野が訴えて教師や生徒たちの大部分が解放されて、三条先生、大文字先輩、一年A組のクラスメイトたちが残されている。
武装集団が教頭の申し出を受け入れたのは、今いる人数では全員の制圧は難しいと判断したんだな・・・・。
普通ならば体育館に集めて見張れば良いけど、それだと警察などは一カ所に絞って対策すれば良い状態になる。
だから武装集団は、校舎のどこかに人質をまとめて人質にする一方で校舎の各場所に仲間を配置して警戒する手段を選んだのだろう。
逆に警察は、どこに人質がいるか絞るのが難しいし、対策がし辛くなる。
「だからと言って、このまま時間を費やす訳にはいかないな・・・・。」
「総長?」
天童たちが首を傾げる中、俺はスマホを取り出して『ある人物』に電話を掛けた・・・・。
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久しぶりに戻ったら、学園が武装集団に占拠されクラスメイトたちが人質にされている・・・・。
だからと言って、このまま黙っている康雄ではないようで・・・・。
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