未《ミ/ひつじ》晩夏の陰土

【未】筋は通っているものの下に向かって伸び、衰退が始まっている状態です。


 晩夏の陰土。蔵干は丁乙己、方位は南南西を表します。

 夏の終わりの土性で火を含み墓支の乾土(燥土)となります。

 火木土を併せ持つ、雑気の十二支です。

 たとえるならば、砂漠のカラカラに乾ききった砂のような燥土です。

 木の作用はあまりなく、ほとんどの場合は、土か火の五行属性です。

 メインは土の属性ですが、気温が高いときには、土よりもむしろ、火の作用のほうが強くなることもあります。

 気温が低い時には、火の五行の働きが弱まり、土の作用がメインとなります。

 八番目に来る十二支で、乾いた土の属性を持ち、墓支の中で唯一、五行が安定している十二支で、粘りはないものの穏やかで優雅な性質です。


*意味:未昧、公明正大

    未は味で、植物の実が滋味を持ち始めた状態を表します。

    実を結ぶための第一歩を踏み出します。

    この時期を長く伸びた毛を刈り取る前の羊の姿に例えています。


*特徴:木を守る垣を築く土壌。湿り気の癸があれば良好。

    癸は財となるゆえ蓄財に関心がある。

    円満主義、芯が強い、理論家、臆病、取り越し苦労。


*長所:芯が強い、正直。理論家、謙虚さ。柔順性。


*短所:取り越し苦労が多い。ストレスをためやすい。心が狭い、迷い。


*命式中にあると:温かな毛に包まれた羊のように、ソフトムードの人情家。

 控えめでときに消極的に見えても、芯は強く負けず嫌いの頑張り屋。

 おっとりして周囲に合わせているようで、自分の利益になるように誘導する、なかなかの交際上手、交渉上手です。

 ただ考えすぎて取り越し苦労しやすい面も。

 誰とでも仲が良いようで、本当に親しい人は少ないかも。

 羊が群れで行動するように、集団にいたほうが個性を発揮できます。


*火土で湿り気を欲しますから、注意深く周りを見渡して地味に努力をしていく。

 優しくもありますが勝ち気。脆さもありストレスがたまりやすい。

 卯の十二支があると、三合木局半会し、木の属性が強まります。

 さらに、卯と亥が両方あると、完全三合木局となり、木の属性となります。

 同じく、寅と亥があって、天干に甲か乙が存在する場合にも、疑似三合木局となり、この場合も木の五行となります。



★蔵干分野表

未 年支分野   月支分野   日支分野      時支分野

丁 5月23日頃迄 節入後9日間 午前7時12分頃迄  午後1時36分頃迄

乙 6月29日頃迄 3日間    午前9時36分頃迄  午後1時48分頃迄

己 上以降    土旺     上以降       上以降    



★方合:季節の三支

 夏の方合(南方合) 巳 午(旺) 未  ⇒火方合

 旺支と呼ばれる「午」が入っていれば、それぞれ季節の十二支が一支入ることによって、「方合半会」と称して5〜6割の力があると看ます。

【方合の条件】

※(条件1) いくつも「支合」や「会局(蔵干で解説)」「方局」ができる場合は、(1)方局、(2)会局、(3)半会局、(4)支合の優先順位とします。

※(条件2) 化したい五行が天干にあり、月支蔵干本気に剋されなければ「化せます」。



★三合会局

 「合」の中では「方合」に次ぐ力があると看ますので、強力な五行の変化を加味して判断しなければなりません。

 日干と「三合」の地支が同じ五行だと、その人の運勢は大変恵まれたものとなり、生涯栄達、発展するサインです。

 反面、身旺の人は日干がより強くなってバランスを崩しますので、生涯あまり恵まれたものとなりません。

 「三合」で結婚の時期、二人の相性、親兄弟友人との和合を看ます。

 命式、大運、年運の支が「三合」すると強まった五行と通変星により、起こる事柄が違ってくるのです。

 「三合」の年は人と和合しやすく、エネルギーや気持ちがスムーズに発散でき、新しいことに意欲的に取り組み、思った方向に人生を切り替えられるチャンスの年のなりえます。

 良縁に恵まれゴールインしたり、恋愛のチャンスも多いでしょう。

 なお、命式の中に「三合」の相性の十二支があると、視野が広く行動力があって多方面で活躍できるとも言われます。

          生支 旺支 墓支  蔵干が相生の関係

  木の三合(木局)亥  卯  未  ⇒壬水⇒乙木⇒丁火

  土の四墓    丑辰未戌


※三支揃うことで力が倍増するのは五行の理です。

 また十二支のうち旺支と呼ばれる卯・午・酉・子が入っていれば、それぞれ他の十二支が一支入ることによって、三合半会と称して5〜6割の力があると看ます。



★支合

 06午火+07未土=13 相生する支合 化火

【支合する条件】

 化火:丙午(丙丙)─丁未(丁丁)

※(条件1) 隣り合う柱でのみ成立し、さらに天干に化したい五行があれば「化します」。

※(条件2) 月支が土行で天干にも土行があればそのまま判断します。

 月支が土行なのに天干には土行がなければ、月支蔵干と同じ五行が天干に出ているか確認し、出ていれば月令がその干に「化します」。

 もしすべて天干にない場合は、蔵干本気である戊か己が通変となります。



★冲

 01丑(癸辛己)─07未(丁乙己):兄弟姉妹の不和。金銭トラブル。

 土同士の「冲」。

 地震、土砂災害、ビルの倒壊、交通事故などを引き起こす。

 身体的に土は細胞を示すため、土の「冲」は癌の原因となる。

 未は砂漠をも象徴する。仲間同士の衝突や離反が起こる暗示。

 親戚関係のトラブルに巻き込まれやすい、

 職場内の同僚との間にトラブルが生じやすい等。

★喜冲

 『墓庫が開く』と言われる「冲」ですから、かえって財運には恵まれます。

 命式を出したときに、十二運星の「墓」が付くかをチェックします。

 「墓」が付くと数値に強いため、経済観念が発達している人も多くいます。

日干が未なら地支「甲 癸」に十二運星の「墓庫」が付きます。



★納音、天戦地冲

 同じ「冲」でも、天干が同じで地支が「冲」になる組み合わせは「納音ナッチン」と言って物事を終了させる作用が強いと言われています。

 もう一つ「天戦地冲(天剋地冲)」というリセット作用を持つ「冲」もあります。

 「天戦地冲(天剋地冲)」とは天干に「剋する」干が、そして地支に「冲する」十二支が同時に巡っている状況をいいます。

 命式に対する「天戦地冲(天剋地冲)」は三種類あり、日干支、月干支、年干支に対する「天戦地冲(天剋地冲)」です。

 それぞれ60年に2度巡ってきますから、2×3=6で60才までに誰でも6回の「天戦地冲(天剋地冲)」の年を体験するのです。

(日干支と月干支、年干支の「天戦地冲(天剋地冲)」が重なることもあります)。

 日干支、月干支、年干支それぞれを前に6つ戻した干支、後ろに6つ進めた干支の計6つの干支の年が「天戦地冲(天剋地冲)」です。



★刑

無恩むおんの刑〉未は戌に刑され、戌が丑に刑され、丑が未に刑される。

 土の三刑は土の災害や癌の原因となる。

 保守的な防衛本能と物質的欲望が強く、新しい環境に馴染みにくく、ストーカー的な問題なども生じやすい傾向を持っています。



★六害

 十二支のうちの二支が互いに分離したり剋し合う形を言います。

 読んで字のごとく、肉親の不和、分離を示し、恩を仇で返すなどの害があるのです。

 凶意としては「冲」「刑」「害」の順でたいしたことはないのですが「支合」した相手を「冲」して剋すのです。

 主として、日支を中心に、他柱との「害」を見ます。

 たとえば未と午は支合しますが、子が午を「冲」するので子と未は「害」となります。

 「害」の年は、物事が平行線上を進み、いろいろなことが噛み合いません。

 人間関係が悪化したり、事故や体調不良など現実的にマイナスの出来事が起きやすい年です。

 すっぱり精算できる「冲」の年と違い、「害」の年は、何かトラブルがあってもちぐはぐで、解決するまでに時間がかかり、まずそれがストレスでかなり疲弊する時。

 あてが外れることも多いので何事も慎重に。とくに健康面に要注意。

 子─未の支害は、家族間のトラブル、消化器系の疾患にも悩まされることが。



★支破:戌⇔未

 「支破」とは「六害」と同じく「冲」「刑」ほどの凶意がなく、あまり重視しなくてもかまいません。

 俗にいう「四惑十悪」のことで4つ、10違いの男女の相性が悪いと言います。

 十二支を順に数えて10番目の支を破とします。

 「破」の年は、思惑通りに事が進まなかったり、人間関係に支障が出たりしますが、たいしたものではありません。

 ただ他の干支に「冲」や「刑」が巡っていると、凶作用を増幅します。




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