庚《コウ/かのえ》陽金
【庚】金陽 季節:秋 方位:西、
根…申(8月)、酉(9月)、(戌(10月))生まれ
剛強で鋭い、丁火で鍛錬されて形になる(活動的、積極的)。いろいろな形になる(変革を求める)。大過すると形になりにくい(自分の考えを変えない)。水を得て清く、己土(潤土)から生じる。騙されやすい、危険、軽はずみな面もある。
「庚金」は湿土(己土)から生じるものがよく、乾土から生じるものは脆い。(鉱山で採れる鉄鉱石よりも川底から採れる砂鉄のほうが硬度が高い)。ゆえに感性は強くなります。
土が重なっていると埋金になります。そのときは甲木が側にあり埋金を防がなければなりません。
「
庚には、一般の人がなかなかできないようなことを成し遂げてしまう能力が備わっていて、人が避けて嫌がるような分野のことを、涼し気な顔でやり遂げて、その結果、人よりも出世が早いというような特徴があります。
その強さと屈強さは他の十干を圧倒します。
ゆえに通根がたった一つしかないような場合でも、命式によっては身旺の命とみなすことがあります。
天干に「戊己の土」があると、金が土に埋まる「埋金」の象意となって、自分の世界に籠もりがちになります。
土の天干は、決して金を強める働きとはなりません。(地支に土があるだけの場合は、埋金ではありません)。
このような場合、庚がある程度強い場合には、甲によって土を払い除けていきます。また庚が弱い場合には、通根の庚の比肩によって、自らの金を強め、埋金を解いていきます。
庚の鉄塊にとって、辛の宝石は、同じ金の五行でありながらもまったく異質な金属であり、自らを強めることはできません。
庚は元々生まれ持っている質が強いので、他の干では、これ以上強められないからです。
また、命式に水の五行が多くなると、金が水の中に沈んでいく象意である「沈金」となります。
このような場合、庚の通根だけを用いると水も生じてしまい、より沈むだけなので、水を吸い取る甲と通根を同時に使っていきます。
埋金や沈金は、悪い象意ばかりではありません。
埋金は研究分野などで大成功しやすく、沈金はアーティストや芸術家として大成しやすい形の命式です。
庚は、生まれ持っている強靭さを発揮して、人ができないことを成し遂げながらも、その功績を誇ることなく、謙虚に人に接することができれば、世の中で大きな活躍をする一流の人物になれる素質を持った干です。
庚金は、十干中で最も剛健となる要素を持っています。
丁火に鍛金されるなら、成器(立派な入れ物。転じて才能・技能を磨いて完成させることの意)となるものです。
湿土より生金されるのはよいのですが、土多埋金となるのを恐れます。
水に洩身することを喜ばないのは、水は鍛金してくれる丁火を剋してしまうからです。
ですから、甲木があれば、水が甲木を生じ、甲木が火を生じ、水が火を剋することはなく、庚金劈甲し、引丁することになりますので、甲木を喜ぶとも言えるのです。
庚は丁、甲を喜ぶ。
*理想:庚金は土の中から掘り出されたものです。
一般的には、泥まみれの金は泥を落とし丁火(火は金を剋す)によって鍛錬し、光る金にすることで世の中の役に立つ金にすることから始まります。
丁火は甲木(燃料)によって助けます。甲─丁─庚はセットで大切です。切れ味の良い刃物、器用、不器用はこれで決まります。
しかし経験則では、むしろ壬と甲を用いて食神生財格(才能発揮スタイル)に持っていくほうがよいように見受けられます。
日本庭園の置き石のごとく、自然な形で、その良さを活かすように持っていくのが、現代に合った処方箋です。
甲と丁を用いて、庚を鍛錬していく命式は、真面目な生き方を好み、良い主人に恵まれることで、出世運が開くという人生傾向となります。
また、壬と甲を用いて、庚を庭石にする命式は、比較的、人生を楽しむことが上手な人であり、人を喜ばせるのがうまい人です。
*五常:「義」義理人情、正義感
*長所:武器を振り回して打って出るときは躊躇せず一気に行ないますので決断力、行動力、瞬発力に優れています。
迷ったり考えたりするくらいなら行動する信念の人。鉱物や金属が硬く力強いように、とにかく負けず嫌いで剛直。自分の意見を人に押し付けることはあっても、自分は人の意見をあまり聞きません。
攻撃的かつ前向きで、安定より変化を求めます。
剣のように戦うことも厭わず自ら道を切り開きますが、行動は性急で時に衝動的。隅々まで意識が行き届く性格の割に、ラフな行動をとりがち。
実は裏表のない正直者。一度認めた相手や忠誠を誓った人には誠実で、目標にも真摯に向き合います。
志高く、何かを立ち上げたり、変革を必要とする場所や状況で力を発揮します。鋭い。
*短所:悪くすると投げやりになり攻撃的で恐ろしい人に。水が多ければ金は沈み世の中に出られない状態となり、金水寒冷といって肺など呼吸器系等の病気になることも。
気分にムラがある。騙されやすい。軽はずみ。内部で錆びついて毒を吐きやすい欠点があります。
このような特徴は、同じ金の五行でも、辛では見られません。
*開運法:一刀両断、自分の嫌いなものには迷わず容赦ない制裁を与え、平和で穏やかな環境にいるとトラブルメーカーにもなりがち。
必要以上に敵を作りやすく気づかぬうちに大切なものを失うことも。
★干合「庚乙干合」化金
乙木 ─ 庚金 ⇒ 金に化す ⇒ 辛金 ─ 庚金
※月支に申金・酉金があり、他に火の五行がない場合に化す。
大きなハサミで草を刈る関係。
庚の硬直した現状を変化させる役割が、乙の繊細さを強める働き。
金の本能である攻撃性が強まって、現状を変化させるパワーを生み出し、改革へと。
★天干の冲
甲(陽木・東)⇔庚(陽金・西)
これらの冲もまた争い、事故、暴力などの原因となります。
ゆえに戦いや紛争、暴力などが起こったら冲が鍵となりうるでしょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます