【雑学】年の始めと月の始め

 ここで雑学。


 六十干支による年表記と、同じく六十干支による月表記には乖離があります。

 まず年号についてですが、1984年が01「甲子」の年です。その年に01「甲子」の月はありません。

 年は2月(寅の月)の立春から始まるため、01「甲子」年は03「丙寅」からスタートすることになります。

 では12月(子の月)が01「甲子」の月になるのは、というと60「癸亥」の年12月が01「甲子」の月となるのです。


 これでは暦がいつ始まったのか、まったくわかりませんよね。そもそも暦の始まりより03「丙寅」の月から暦が始まったとは考えづらい。


 実は戦国時代の干支暦では「冬至」を正月にしていたため、暦も「子(12月)」から始まるのです。

 それを漢代の皇帝が木の五行である「寅(2月)」を年の始めに変更したのです。つまり戦国時代にはちゃんと「甲子年・甲子月」が存在していました。


 漢代より前の暦なら1983年12月冬至が「甲子」年の始まりであり「甲子」月から暦がスタートしていたのです。


 では本当なら冬至スタートの暦を使わなければ正しい推命ができないのではないか。との疑問も浮かびます。しかし四柱推命の元となった「子平推命」が成立したときから暦はすでに立春スタートつまり「寅月」から一年が始まっていたため、四柱推命を論じるとき「甲子年甲子月甲子日甲子時」から始まる必要などないのです。







節入せつい

 六十干支で年月日を出すとき、気をつけたいのは「節入り」という概念です。

 「年の始まり」は立春の「節入り」した日になります。


 2022年なら立春2月4日の5時51分に節入りとなります。

 立春の節入り後なら39「壬寅」年の39「壬寅」月です。しかしこれ以前なら38「辛丑」年の38「辛丑」月になります。

 たとえ2月3日であろうと、2月4日4時生まれだろうと、38「辛丑」年の38「辛丑」月なのです。


 ただし、日の六十干支は節入りとは関係なく万年暦から引いてくるだけです。

 また時間も「干支時刻表」を参考に引いてくればよいだけです。

 2月の39「壬寅」月が始まるのも「2022年2月4日の5時51分」からですので、2月であってもこれ以前の時間であれば38「辛丑」月となります。


 3月の節入りは啓蟄3月5日23時44分なので、この時間を超えなければ39「壬寅」月になります。節入りしていれば40「癸卯」月になります。


 年と月を万年暦から引いてくる際は「節入り」に注意してください。


 日は万年暦からそのまま引っ張ってきてください。旧暦の日付ではなく、太陽暦の日を見て、それに対応する日の六十干支をピックアップするのです。


 四柱推命で生まれ時間がわからないときは、試しに命式を作成するとしても、ちょうど節入り日だった場合、節入り前の年月の六十干支と、節入り後の年月の六十干支では示している五行がまったく異なる、ということもありえます。試しに13の命式を作るだけでなく、「節入り」前と後の命式も作らないといけないので、手間が増えてしまいます。

 ですが、より正確な推命をしたい場合は、気合を入れて命式をひとつずつ当たるしかありません。



 昭和23年4月1日までは、戸籍と実際の生年月日が違う場合も少なくありませんでした。年末生まれや早生まれなどでは日をズラして届け出することも多かったのです。


 昭和23年4月2日以降は、正しい生年月日を届けるよう法律で定められました。実際の生年月日が違っていないかを母子手帳で確認しましょう。

 出生時間も、できるだけ母子手帳で確認してください。

 自分の生まれた時間を正確に憶えている人は少ないようです。




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