火 〜情熱と華やかさのエネルギー〜

火 〜情熱と華やかさのエネルギー〜


 火性は夏・南を指します。十干は「丙丁」、十二支では「巳午」が火性です。


 また四柱推命では続く土の「未」や木の「寅」、土の「戌」の十二支も、いくらか火の五行要素を帯びています(蔵干)。


 火は熱いもの(熱の作用)や輝くもの(光の作用)の象徴です。

 丙は太陽(光熱)の、丁は地上で燃えている炎(熱)や月(光)の象意となります。

 火は温めて万物を育てる源であり、木の植物や穀物などが恩恵を受けます。


 春先の野焼きはその土地の邪気を払って浄化させますし、人は太陽の殺菌作用によって、有害なバイ菌から守られています。

 ゆえに、殺菌作用のある薬品も、火の仲間ということになります。

 強い浄化のエネルギーですが、人類の理解を超えており、過ぎればすべてのものを焼き尽くすような破壊のパワーともなりえます。


 光の作用はすべてのものを照らし出して、真実を明らかにします。

 隠れて見えなかったものを表面化させ、良くも悪くもすべてが公に露見していきます。裁判や法律も、火の象意です。

 言い換えれば火の光の作用とは、物事をハッキリさせる意味合いを持ちます。


 一方の熱の作用は、冷え切っているものを温める働きをします。

 生命にとって、火とはかけがえのない存在ですが、過ぎればすべてを燃やして焼き焦がしてしまいます。

 熱の作用により、固体は液体となり、液体は気体となって、やがて蒸発し消滅していきます。



 五徳では「礼」を表し、火は神聖なものや人智では計り知れない畏怖すべき存在の象徴です。

 神のような崇高なものとつながるための「祭り」は、必ずといっていいほど火が用いられます。しかし火が大過するとかえって礼節を欠いてしまいます。


 火の性質はどちらかというと男性的で、陽気で多血質、燃えたぎるような情熱を持っています。


 火の五行をたくさん持つ人は、明るく情熱的であると同時に慌て者になりやすく、何事にもせっかちで焦りやすい傾向です。

 早く結果を出したくて仕方がなく、その激しさから、取り扱いには最も注意が必要です。火はいったん勢いがつけば、どこまでも果てしなく燃え上がっていきます。


 火からは燃える木(薪・炭)、燃える土(石炭)、燃える水(石油)、燃える金(ウランやプルトニウム)が想起され、木(薪・炭)以外は戊土(山岳)から採掘します。つまり人類はあらゆるものを燃やして発展してきたのです。新エネルギーの「水素」「アンモニア」も燃える水に類します。


 また火は華やかさを表す五行で時に華美で派手なものとなることも。

 芸能関係やブライダルなど、華やかな職業は、皆、火に区分される職業です。

 ただし、火は、低次元の世界では独占欲や自己愛と言ったものを表すに過ぎません。




五行配当から見る五行による分類

 五色:赤(朱とも。朱雀・朱夏。間色は紫)、五方:南、五季:夏、

 五味:苦(ゴーヤ・ピーマン・夏みかん・鮎のはらわた)、

 五穀:菽(豆)・散(のび散らばっている穀物で黍など)・(古事記では麦)、

 五感:聴、五情:楽、五指:中指、五常:礼、

 生数(万物を生み出す数):2、成数(万物が成就する数):7。




四柱数位術から見る五行による分類

 色:赤、季節:夏、時間帯:昼、方位:南、意味するもの:火炎

 十干:丙丁、十二支:辰巳、数:3・4、

 五官:舌、五臓:心臓、五腑:小腸、身体部位:胸部・腕、五指:人差指。




四柱推命:

 十二支の火に関しては、地中の火であることから蔵干の十干に関係なく、明るく照らす作用よりも、命式を暖めていく作用が強く出ます。

 五行の中で、単体で命式の気温を上昇させられるのは、火だけです。


 火が勢いを増すときは水の救いが必要で、もし水がなければ功名を達するのは困難です。しかし大過した火へ急に水をかけると、逆に暴発して危ない場合もあります。


 命式に土が多ければ、火は土によって光熱を奪われ弱体化してしまいます。

 冬の炎(丁)は、土があったほうが暖炉となって風から守られます。ただし甲の材木がないと燃料が尽きて消えやすい性質です。


 春月生まれは東方位の始まりで、旭日が昇る時期です。

 夏月生まれは太陽の火(丙)の勢いがすでに盛んなので、さらに火を生む印星の木の過多を嫌います。

 秋月生まれは太陽の火(丙)は西に沈みます。

 冬月生まれは火を剋する水に追い詰められているので、水の剋を恐れます。




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