金 〜理性と改革のエネルギー〜

金 〜理性と改革のエネルギー〜


 金性は秋・西を指します。十干では「庚辛」、十二支では「申酉」が金性です。


 また四柱推命では続く土の「戌」や火の「巳」、土の「丑」も、金性がいくらか含まれています(蔵干)。「辰」は蔵干に金の要素を持ちませんが、金の性質をいくらか帯びた十二支です。


 庚は荒々しい鉄塊や鋼鉄や金物道具・刃物の象意、辛は砂金や砂鉄や宝石や真珠などの貴金属の象意です。


 我々が身近で使う道具の多くは金属類を元とした物が多く、ハサミやカミソリ、釘や金槌などの大工道具、オーディオ機器やパソコンなど、様々な金の五行であふれています。


 金は、我々にとって最も身近なものであり、実生活に役に立つ工具から、美しい宝石や貴金属、そしてお金というものも、金の五行の象徴です。それは、この世を支配する強いエネルギーを持った存在です。



 五徳では「義」を表し、小さな犠牲を強いられても義を貫き、正義を全うしようとします。物事を貫き通す働きがあります。金の貫徹力の強さの右に出るものはありません。


 金とは理性や合理性を表す、世界の秩序の骨組みを作ってくれるたいせつな五行です。


 金の良さとは、あらゆるものを実用的に役立つものにまとめ上げて結果を作り出すところにあります。

 その結果広がりはなく小さくまとまって個々の可能性は制限されるものの、確実に、現実に役立つ物に変わります。

 ただし、研ぎ澄まされている金属は、刃物や刀剣となって、容易に人の命を奪うことができる凶器ともなります。


 つまらないものになったり、多くのものがそぎ落とされて犠牲となったりします。

 逆に言えば、洗練されるのです。

 都会的なものや洗練されたものは金の象意です。

 改革や変革のエネルギーであり、ある種の冷酷さがあり、シビアで、少しの間違いも許さないような峻厳さがあります。


 優しさという言葉は、金から見たら生ぬるさであり、物事の結果を出すも、一部の人からは恨まれているというようなことにもなりやすいのが、金の特徴です。




五行配当から見る五行による分類

 五色:白(白虎・白秋。間色は紅)、五方:西、五季:秋、

 五味:辛(胡椒・唐辛子・にんにく・クローブ)、

 五穀:麻(ごま)・房(きちんとした形の穀物でごま)・(古事記では大豆)、

 五感:味、五情:怒、五指:親指、五常:義、

 生数(万物を生み出す数):4、成数(万物が成就する数):9。




四柱数位術から見る五行による分類

 色:銀、季節:秋、時間帯:夕、方位:西、意味するもの:金属

 十干:庚辛、十二支:申酉、数:7・8、

 五官:鼻、五臓:肺、五腑:大腸、身体部位:腿部、五指:薬指。




四柱推命:

 金は土から生まれて、機材や器物にするときは丁火の鍛錬が必要です。庚日生まれは身強ならば錬金を必要とします。

 庚金は火の鍛錬がなければ有用な器物とはなりません。しかし金が弱く火勢が強いと錬金を好まず火を恐れます。


 辛金は宝石や貴金属のような金なので、火の剋に耐えられず火の錬金を好みません。代わりに水で洗練してあげると喜びます。


 金は土から生まれるも、土が多ければ「土多埋金」で埋もれて社会で活躍できません。

 木が多すぎると切りまくるために刃こぼれを起こし、役に立たない道具になってしまいます。

 金が強くて、火も強ければ、苦労しながら成功する人生となります。

 秋月に生まれ、火もあって錬金できれば発展します。




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