五行思想（陰陽五行説）〜十干十二支と六十干支

【冲】【喜冲】

【冲】十二支の相剋の関係

　十二支同士の陽支と陽支、陰支と陰支の相剋の関係を言います。

　時計回りの七番目にあたることから【七冲】とも言われます。

　作用としては、人間関係における不和・衝突・破壊・色情・軋轢等の問題が起きやすく、ほとんどが凶の暗示です。

　しかし忌の五行が「冲」剋を受けた場合は、かえって忌の事象が弱められるとしてよいとされています。

　「冲」の年は、過去とのつながりが切れやすい。曖昧さが許されなくなり、物事はシビアに突き詰められる形で壊れ、離れることがあるとき。

　命式の日干支と「冲」の干支が巡れば、主に恋愛やプライベートで別れも。

　月干支と「冲」の干支が巡れば、あなた自身の体調や物事の取り組み方、年干支が「冲」になれば転職など仕事面で変化を余儀なくされるかも。

　でも大きな方向転換、精算ができる時でもあります。

　生日と生年の冲：親と縁が薄い。親と配偶者がうまくいかない。親子間が離れ離れとなりやすく、生まれ故郷からも離れていく形で、親元に成人後も留まるとトラブルが絶えない親子関係となりがちです。

　生日と生月の冲：家庭、夫婦の不和。兄弟や親友と離れ離れとなりやすく、家業の相続が難しい組み合わせの一つ。若くしての恋愛・結婚は長続きしづらく、三十代半ば以降ならＯＫ。

　生日と生時の冲：子供との関係がぎくしゃくしがちで、成人後も子供と一緒に暮らすとトラブルが多くなりがち。熟年後、急に離婚するなどしやすい形でもあります。

　生月と生年の冲：社交性がない。口下手。

〈四生の冲〉（最強）　　　　　　　

◆05巳(戊庚丙)─11亥(戊甲壬)：色情のトラブル。

　最強の〈四生の冲〉のひとつ。駅馬でかつ水と火の「冲」。

　船の沈没などの海での事故、交通事故、飛行機事故を引き起こす。

　巳は電車のように長いので巳の年回りは電車の事故が多発する。

◆08申(己戊壬庚)─02寅(己丙甲)：男女の争いが最も強い。

　最強の〈四生の冲〉のひとつ。駅馬でかつ金と木の「冲」。

　旅行・交通事故を引き起こす。特に路上での車の事故と関係がある。

　意見の食い違いからの衝突や趣味の違いからの衝突が起こりやすい形でもある。

〈四旺の冲〉（中強）

◆12子(壬癸　)─06午(丙丁　)：夫婦・男女の色情。

　中強の〈四旺の冲〉のひとつ。

　水と火のとても危険な「冲」で、空中や海、水や火などの災害を引き起こす。

　水は液体を示し、火は血液を指すゆえ流血の惨事を招く。

　心臓病や高血圧の原因とも。

　上下関係でトラブルが生じやすい形で、上司と部下や親子間の関係がぎくしゃくしがち。

◆09酉(庚辛　)─03卯(甲乙　)：夫婦の不仲。家庭破壊。

　中強の〈四旺の冲〉のひとつ。

　陰木(小さな木)と陰金(ナイフを象徴)の「冲」。

　背骨、手足の怪我、刃物で刺される、銃で撃たれるような事件などが起こりやすい。

　恋愛・結婚に関するトラブルが生じやすく、最初は熱烈な愛情で結ばれても、徐々に衝突し合う関係となるか、種々の事情から別居しやすい組み合わせ。

〈四墓の冲〉（弱）

　中のもの(蔵干)が発現するのでよい蔵干があれば幸運に恵まれる。

◆10戌(辛丁戊)─04辰(乙癸戊)：使用人の離反、闘争。

　弱い〈四墓の冲〉のひとつ。重い土同士の「冲」。

　地震、土砂崩れ、雪崩、ビルの崩壊などを引き起こす。

　辰と戌は天界と地界のゲートと考えられこの時期が訪れると、私達を窮地から助けてくれる貴人が存在しなくなる。

　したがって、辰と戌の時間帯は負傷者が増加すると考えられる。

　仲間同士の衝突や離反が起こる暗示。

　親戚関係のトラブルに巻き込まれやすい、職場内の同僚との間にトラブルが生じやすい等。

◆01丑(癸辛己)─07未(丁乙己)：兄弟姉妹の不和。金銭トラブル。

　土同士の「冲」。

　地震、土砂災害、ビルの倒壊、交通事故などを引き起こす。

　身体的に土は細胞を示すため、土の「冲」は癌の原因となる。

　未は砂漠をも象徴する。

　仲間同士の衝突や離反が起こる暗示。

　親戚関係のトラブルに巻き込まれやすい、職場内の同僚との間にトラブルが生じやすい等。

【喜冲】財運に恵まれる冲

　『墓庫が開く』と言われる「冲」ですから、かえって財運には恵まれます。

　命式を出したときに、十二運星の「墓」が付くかをチェックします。

　「墓」が付くと数値に強いため、経済観念が発達している人も多くいます。

日干　甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸

地支　未 戌 戌 丑 戌 丑 丑 辰 辰 未

　に十二運星の「墓庫」が付きます。