五行思想(陰陽五行説)〜十干十二支と六十干支

カイ艦長

陰陽五行の初歩の初歩

五行説の成立と考え方

五行思想とは(概要)

五行は始めから陰陽五行だった


 「五行ごぎょう」は『書経』洪範の章に記載があります。

 五帝の筆頭である黄帝の雲孫とされる夏王朝の開祖・王が「水は潤下し、火は炎上し、木は曲直し、金は従革し、土は稼穡する」と語ったとされます。

 これにより「五行」とは水・火・木・金・土であるとされ、五元素として見られています。

 五行思想は、戦国時代の陰陽家・鄒衍スウエンが定義しました。

 五行説は後から出来たので、当初から陰陽説と一体であり、まとめて「陰陽五行説」と呼ばれています。




五行の基礎

▼水 潤下

   涌き流れる水を命の泉と考え、胎内と霊性を兼ね備える性質を表す。

   形を自在に変える液体状のもの。

   雨、川、海の他、油や液体石鹸も「水」で表す。


▼火 炎上

   光り煇く炎から、火のような灼熱の性質を表す。

   燃え盛る炎や光り輝くもの。

   太陽やかがり火の他、電気やガスなど光や熱を発する実体のないものも「火」で表す。


▼木 曲直

   花や葉が幹の上で茂っている立木から、樹木の成長・発育する様を表す。

   成長して伸びていくもの。

   木が主原料となる布や紙なども「木」で表す。


▼金 従革

   土中に光り煇く鉱物・金属から、金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表す。

   硬い固体。

   鉄などの重金属、真珠や宝石などの貴金属も「金」で表す。


▼土 稼穡

   植物が地中から発芽する様から、万物を育成・保護する性質を表す。

   一定の形を持たない固体。

   肥沃な大地や砂漠の砂、山岳の土の他、ダムや堤防や盛土も「土」で表す。


 この五つの要素エレメントが「五行」であり、一般的に「もくごんすい」と呼ばれています。


 実は『書経』洪範の章では五行の順番が「水火木金土」となっています。


 後述しますが、もしそうこく説をとるなら「もくすいきん」、そうしょう説をとるなら「木火土金水」の順になります。

 つまり『書経』洪範の章の段階では相剋も相生も概念として存在していなかったのです。




▼木:春 ・東 。青蒼色。自然(樹木、草花、果物、野菜)

   五常「仁」思いやり、やさしさ

   身体(今文尚書家=肝臓、胆嚢、手足、神経:古文尚書家=脾臓)


▼火:夏 ・南 。朱赤色。自然(太陽、人工の火、熱、光)

   五常「礼」華やかさ、明らか 

   身体(今文尚書家=心臓、小腸、目:古文尚書家=肺臓)


▼土:土用・中央。黄色 。自然(山、堤防、田園、畑  )。

   五常「信」信頼、正直    

   身体(今文尚書家=脾臓、胃、内臓、皮膚:古文尚書家=心臓)


▼金:秋 ・西 。白色 。自然(金属、刃物、鉱石、宝石)。

   五常「義」自尊心、正義感  

   身体(今文尚書家=肺臓、大腸、骨

   古文尚書家=肝臓)


▼水:冬 ・北 。黒玄色。自然(海、川、湖、雨、霧、雪)。

   五常「智」知略       

   身体(今文尚書家=腎臓、膀胱、子宮、鼻、耳、血液:古文尚書家=腎臓)




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