卯《ボウ/う》仲春の陰木

【卯】芽が二つに割れて双葉になった状態です。


 仲春の陰木、春の草花で、方位は真東を表します。甲乙を蔵します。

 湿り気を持った草花です。植物が隙間なく茂ったイメージであり、純粋な木の五行です。

 木の五行は「仁」の優しさを表すことから、温和で優しい性質の十二支とも言われます。優しくひ弱く見られるがしたたかな面もあります。

 寒・暖・乾・湿と季節と密接に関係します。

 四番目に来る十二支で、春の安定した正支の属性を持ち、変化することのない穏やかな性質を持ちます。


*意味:いばら、かや、こんがらがる

    卯は茂で、植物が生長し、葉や枝が繁茂してきたことを表します。

    大変初々しい時期です。そのありさまを動物のウサギに例えました。


*特徴:温和、防衛本能が強い、社交性、他人の制圧を嫌う、エゴイスト


*長所:柔軟さ、社交性、明朗・計画性、争いを好まない。保守的、寛容。

    蔵干に甲を持つので、つねに頼りになる人を見つけて充分計画し行動しますので仁義に厚い。

    柔和で愛嬌を振りまきながら、上手に目的に到達する粘り強さを持ちます。


*短所:自己主張が強いエゴイストと見られがちです。

    独立独歩で他から指図を受けるのを嫌います。怠惰。放任。


*命式中にあると:柔和で優しく争い事を好みません。

    平和主義者で人をホッとさせるようなのどかな一面を持ち、礼儀正しい人です。

    内面でいろいろ思っていても、表面上は我を張らず周囲と合わせます。

    時に主体性が乏しい人に見えたり、本音と建前が違う複雑な人に見えるかも。

    繊細で細かいところに目が行きますが、本質は楽天家です。

    ただ、亀との競争でゴール前に居眠りした兎のように、瞬発力はあっても持久力はいまいちです。


*財星にあたれば、男性は色好み。

 どのような十干・十二支がそばに来ても、木の五行にしかなりません。寅や辰などがある場合は、東方合半会となり、さらに木の五行を強めます。



★蔵干分野表

卯 年支分野   月支分野   日支分野      時支分野

甲 6月節入前迄 節入後10日間 午前8時頃迄    午前l5時40分頃迄

乙 上以降    上以降    上以降       上以降    



★方合:季節の三支

 春の方合(東方合) 寅 卯(旺) 辰  ⇒木方合

 旺支と呼ばれる「卯」が入っているので、それぞれ季節の十二支が一支入ることによって、「方合半会」と称して5〜6割の力があると看ます。

【方合の条件】

※(条件1) いくつも「支合」や「会局(蔵干で解説)」「方局」ができる場合は、(1)方局、(2)会局、(3)半会局、(4)支合の優先順位とします。

※(条件2) 化したい五行が天干にあり、月支蔵干本気に剋されなければ「化せます」。



★三合会局

 「合」の中では「方合」に次ぐ力があると看ますので、強力な五行の変化を加味して判断しなければなりません。

 日干と「三合」の地支が同じ五行だと、その人の運勢は大変恵まれたものとなり、生涯栄達、発展するサインです。

 反面、身旺の人は日干がより強くなってバランスを崩しますので、生涯あまり恵まれたものとなりません。

 「三合」で結婚の時期、二人の相性、親兄弟友人との和合を看ます。

 命式、大運、年運の支が「三合」すると強まった五行と通変星により、起こる事柄が違ってくるのです。

 「三合」の年は人と和合しやすく、エネルギーや気持ちがスムーズに発散でき、新しいことに意欲的に取り組み、思った方向に人生を切り替えられるチャンスの年のなりえます。

 良縁に恵まれゴールインしたり、恋愛のチャンスも多いでしょう。

 なお、命式の中に「三合」の相性の十二支があると、視野が広く行動力があって多方面で活躍できるとも言われます。

          生支 旺支 墓支  蔵干が相生の関係

  木の三合(木局)亥  卯  未  ⇒壬水⇒乙木⇒丁火


※三支揃うことで力が倍増するのは五行の理です。

 また十二支のうち旺支と呼ばれる卯・午・酉・子が入っていれば、それぞれ他の十二支が一支入ることによって、三合半会と称して5〜6割の力があると看ます。



★支合

 03卯木+10戌土=13 相剋する支合

 春生まれや木が多いと化木、土用生まれや土が多いと化土(従来:化火)

【支合する条件】

 化火:丙戌(丙丙)─丁卯(丁丁)、甲戌(丙丙)─丁卯(丁丁)、丙戌(丙丙)─乙卯(丁丁)

※(条件1) 隣り合う柱でのみ成立し、さらに天干に化したい五行があれば「化します」。

※(条件2) 月支が土行で天干にも土行があればそのまま判断します。

 月支が土行なのに天干には土行がなければ、月支蔵干と同じ五行が天干に出ているか確認し、出ていれば月令がその干に「化します」。

 もしすべて天干にない場合は、蔵干本気である戊か己が通変となります。



★冲

 09酉(庚辛 )─03卯(甲乙 ):夫婦の不仲。家庭破壊。

 中強の〈四旺の冲〉のひとつ。

 陰木(小さな木)と陰金(ナイフを象徴)の「冲」。

 背骨、手足の怪我、刃物で刺される、銃で撃たれるような事件などが起こりやすい。

 恋愛・結婚に関するトラブルが生じやすく、最初は熱烈な愛情で結ばれても、徐々に衝突し合う関係となるか、種々の事情から別居しやすい組み合わせ。



★納音、天戦地冲

 同じ「冲」でも、天干が同じで地支が「冲」になる組み合わせは「納音ナッチン」と言って物事を終了させる作用が強いと言われています。


 もう一つ「天戦地冲(天剋地冲)」というリセット作用を持つ「冲」もあります。

 「天戦地冲(天剋地冲)」とは天干に「剋する」干が、そして地支に「冲する」十二支が同時に巡っている状況をいいます。

 命式に対する「天戦地冲(天剋地冲)」は三種類あり、日干支、月干支、年干支に対する「天戦地冲(天剋地冲)」です。

 それぞれ60年に2度巡ってきますから、2×3=6で60才までに誰でも6回の「天戦地冲(天剋地冲)」の年を体験するのです。

(日干支と月干支、年干支の「天戦地冲(天剋地冲)」が重なることもあります)。

 日干支、月干支、年干支それぞれを前に6つ戻した干支、後ろに6つ進めた干支の計6つの干支の年が「天戦地冲(天剋地冲)」です。



★刑

無礼ぶれいの刑〉子と卯は互いに刑する。

 二刑のペアは人間関係の崩壊や性的スキャンダルを生じさせやすい。

 融和性の乏しい形で孤立しやすい性質と、秘密の不倫関係などが生じやすく、思わぬ男女間のトラブルへ引きずり込まれるような事態が生じやすい人の位相です。



★六害

 十二支のうちの二支が互いに分離したり剋し合う形を言います。

 読んで字のごとく、肉親の不和、分離を示し、恩を仇で返すなどの害があるのです。

 凶意としては「冲」「刑」「害」の順でたいしたことはないのですが「支合」した相手を「冲」して剋すのです。

 主として、日支を中心に、他柱との「害」を見ます。

 たとえば未と午は支合しますが、子が午を「冲」するので子と未は「害」となります。

 「害」の年は、物事が平行線上を進み、いろいろなことが噛み合いません。

 人間関係が悪化したり、事故や体調不良など現実的にマイナスの出来事が起きやすい年です。

 すっぱり精算できる「冲」の年と違い、「害」の年は、何かトラブルがあってもちぐはぐで、解決するまでに時間がかかり、まずそれがストレスでかなり疲弊する時。

 あてが外れることも多いので何事も慎重に。とくに健康面に要注意。

 卯─辰の支害は、対人関係でのトラブル、女性は出産でも悩まされることが。



★支破:午⇔卯

 「支破」とは「六害」と同じく「冲」「刑」ほどの凶意がなく、あまり重視しなくてもかまいません。

 俗にいう「四惑十悪」のことで4つ、10違いの男女の相性が悪いと言います。

 十二支を順に数えて10番目の支を破とします。

 「破」の年は、思惑通りに事が進まなかったり、人間関係に支障が出たりしますが、たいしたものではありません。

 ただ他の干支に「冲」や「刑」が巡っていると、凶作用を増幅します。




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