癸《キ/みずのと》陰水
【癸】陰水 季節:冬 方位:北、
根…亥(11月)、子(12月)、(丑(1月))生まれ
静かで、一見弱く見える。湿り気を必要とする他の干に滋雨をもたらす。
場所を選ばずどこにでも降る(差別なく公平に愛情を注ぐ)。
枯渇しやすく水源を必要とする(自己防衛本能が働く)。
大過すると不要な水となる(出しゃばり、お節介となる)。
「
いたって弱いとされますが、流れない水です。
空気中の水蒸気のように冷えて水滴となるまでは形を表しません。
癸水は十干の終わりでいちばん弱い干とも。静かで柔弱そう。
癸水は雨露でいつかは消える形のないものですから、柔弱で枯渇しやすく、すぐに無くなってしまうような脆さを持つ星です。
常に自己の周囲に対して防衛本能が働いて鋭敏となりデリケートさが出ます。
したがって自己を守るため人への奉仕を心がけていれば大いに発展もします。
忍耐力もあります。芸術性にも優れた人材となります。
癸水も大過すれば嵐となり強さが出て、出しゃばり、お節介屋となります。
先天的に癸水があれば万物に寄与し、潤いがあれば気持ちにゆとりが生まれ、殺伐とした気分が和らぎます。
人間が、手に取ってすくえるような、身近な水であり、山間やオアシスに、少しずつ湧き出すような命の水でもあります。
水は、通常の液体の状態のときには、命あるものすべてに恵みを与える優しい存在ですが、温度が下がると完全に固まった氷となり、固く心を閉ざして、すべてを凍てつかせ、生命に死を与えるような恐ろしい存在となります。
癸は、こんこんと湧き出すような叡智を意味する干であり知恵の星ですから、何事にも柔軟に対応して、円滑に導く星でもあります。
周囲の人を幸せにする活かし方をすることで、誰からも必要とされる存在となり、最後まで実りある人生を送っていけるようになります。
癸水は、同じ水でも雨露にたとえられるような水です。その性は柔にして至って弱いのですが、水源の金が有情な位置にあれば、涸れる心配はありません。
よく滋木培木して木を強化できる水であり、陽干の壬水の幇があって、亥・子の根があれば、乙木にとっての甲木のごとき関係となり、藤蘿繋甲と同義となるのは言うまでもありません。
やはり戊己土に剋制されるのを喜びません。丙火と並ぶと、癸水丙困といって、丙火の輝きを晦くしてしまい、壬水と丙火のような、弁証法的発展性はありません。
丁火と並びましても、癸水傷丁といって、丁火の良さを奪ってしまう恐れがあります。しかし、壬水も癸水も水智であることには変わりありません。
癸は庚、辛を喜ぶ。
*理想:山岳の鉱脈(庚金)や辛金の水源があって流れ清く。
水源である庚金や辛金が近くにあることが望ましい。
清らかな湧き水である癸は、錆を出す庚金よりも、辛金のほうが良い作用になることも多くあります。
もちろんあまりにも弱くなりすぎたときには、庚金のほうがよいのですが、そうでないときは、生じる水量は少なくも、辛金を用いる方が良い場合も多いでしょう。
さほど日主が弱まっていないのに、庚金を用いていくときは、庚金が出す悪知恵を抑えるためにも、甲木と丁火とともに用いていきます。
水源として庚辛がそばにあればいちおう発福します。
霧がかかった風景が幻想的なように、ロマンチストで内向的なほう。
慎重でその場のノリや雰囲気で判断しないほう。
地上を潤した雨露が少しずつ集まって流れを作るように、積み重ねがキーポイント。コツコツ努力すれば成長します。
癸にとって、土の五行が良い作用をすることはまずありません。
「戊己」どちらも癸を吸い込んで、身動きがとれなくなってしまいます。
戊土が巡った場合には、水質の変化はありませんが、己が巡ると水質そのものが汚れてしまってよくありません。
このようなときは、日主が強いときには甲木を用いていき、日主が弱い時には庚金を用いていきます。
土の災いから身を守るには、身旺のときは甲木を用いて土を取り除いていき、身弱のときは庚金を用いて土を削いでいくというわけです。
ただし、壬が癸の隣に近貼している命式は、壬の調候法で見ていくので、この限りではありません。
*五常:「智」物事を推し量る頭の働き
*長所:一見穏やかで神経質、繊細な人ですが、雨露がどんな隙間にも浸透していくように、意外にしたたかで忍耐強い一面も。
集まれば雨も洪水となるように、静かな闘争心を秘めていて相手や状況によっては断固とした厳しい態度をとることも。
形のないもの(理論や理想、空想、イメージ等)を操ることが得意で、想像力も豊か。奉仕精神。
*短所:潔癖で完璧主義的な面が裏目に出ると、物事を中途半端に投げ出すことも。
一度始めたことはやめずに継続を。また細かなことにこだわり大局を見失わないよう、時折自分や物事を俯瞰してみましょう。
悪くすると邪推と偏見の人となります。しつこく絡むことも。
破壊、突然暴発。お節介、出しゃばり。気が変わり易い。
*開運法:どんな人にも公平に損得抜きで親切に接する恵みの雨的な人もいれば、濁った流れのように打算的な人も。
分かれ目はため込んだものをいかに捨てるか。捨てるのは苦手ですが、いつまでも清らかな水でいるためにも整理する生き方を。
★干合「戊癸干合」化火
戊土 ─ 癸水 ⇒ 火に化す ⇒ 丙火 ─ 丁火
※月支に巳火・午火があり、他に水の五行がない場合に化す。
大きな土が小さな水の流れをせき止める関係。山の雨とも。
癸の現実面での弱さを、戊の環境対応力・責任感で補う働き。
火の本能である伝達意欲が強まり、さほど自己主張せずとも周りに影響を与える。
★天干の冲
丁(陰火・南)⇔癸(陰水・北)
これらの冲もまた争い、事故、暴力などの原因となります。ゆえに戦いや紛争、暴力などが起こったら冲が鍵となりうるでしょう。
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