丑《チュウ/うし》晩冬の陰土
【丑】種から紐のようなものが伸びて成長している段階の状態です。
晩冬の陰土、蔵干は癸辛己、方位は北北東を表します。
水金土を併せ持つ雑気の十二支です。
たとえるならば、冷え切った厳冬の氷砂利のような湿土ですが、気温や他の十二支などの影響を大きく受けます。
冬から春に向かう陰の湿土なので、万物を育て守る
墓支の湿土の十二支、二番目に来る十二支で、湿った土のように粘り強く、地道で着実な性質です。
*意味:始める、結ぶ、掴む
丑は紐で、植物の芽が地上に出ようとして頑張っていますが、激しい寒さのため、出られない姿を表しています。
動物の牛の鈍重な行動に似ているところからその姿にたとえられました。
*特徴:物を育てる優しさもあり表面陰でも内面陽を含む。
マイペース、正直、頑固。
人間関係を重視するも優しそう見えて爆発するとくどくなります。
メランコリーです。
*長所:保守的、信用・堅実、忍耐強い。
努力勤勉、目的に向かって行動します。
*短所:停滞、無口、細心。陰気、姑息、始動に時間がかかる。
*命式中にあると:一見控えめでおとなしいが、納得しなければ動かないだけで決して消極的ではありません。
納得できなければ譲らないため、強情、頑固と思われることも。
結論を急がないので周囲をイライラさせることもありますが、マイペースは崩しません。
ただ、いったん心を決めれば力強く前進します。
粘り強く、持久力もあります。
誰かに動かされて気持ちの入っていない成功よりも、納得した失敗を選ぶタイプです。
*日干から見て蔵干の中に財星が入っていれば、財運にも恵まれます。
気温が低いときには、まさしく真冬の氷砂利のような十二支で、命式を冷え切らせます。この時の五行属性はほぼ水です。
亥や子がある場合は、北方合半会となり、水の五行を強めます。亥と子がともにあると、北方合となり、完全な水の作用となります。
また、気温が高くなると、水分は乾き切って、ただの土となります。この時の五行属性は土となります。
酉の十二支があると、三合金局半会し、金の属性が強まります。さらに酉と巳があると、完全な三合金局となり、金の属性となります。
同じく、申と巳があって、天干に庚か辛が存在する場合にも、疑似三合金局となり、この場合も金の属性となります。
★蔵干分野表
丑 年支分野 月支分野 日支分野 時支分野
癸 5月23日頃迄 節入後9日間 午前7時12分頃迄 午前1時36分頃迄
辛 6月29日頃迄 3日間 午前9時36分頃迄 午前1時48点頃迄
己 上以降 土旺 上以降 上以降
★方合:季節の三支
冬の方合(北方合) 亥 子(旺) 丑 水方合
旺支と呼ばれる「子」が入っていれば、それぞれ季節の十二支が一支入ることによって、「方合半会」と称して5〜6割の力があると看ます。
【方合の条件】
※(条件1) いくつも「支合」や「会局(蔵干で解説)」「方局」ができる場合は、(1)方局、(2)会局、(3)半会局、(4)支合の優先順位とします。
※(条件2) 化したい五行が天干にあり、月支蔵干本気に剋されなければ「化せます」。
★三合会局
「合」の中では「方合」に次ぐ力があると看ますので、強力な五行の変化を加味して判断しなければなりません。
日干と「三合」の地支が同じ五行だと、その人の運勢は大変恵まれたものとなり、生涯栄達、発展するサインです。
反面、身旺の人は日干がより強くなってバランスを崩しますので、生涯あまり恵まれたものとなりません。
「三合」で結婚の時期、二人の相性、親兄弟友人との和合を看ます。
命式、大運、年運の支が「三合」すると強まった五行と通変星により、起こる事柄が違ってくるのです。
「三合」の年は人と和合しやすく、エネルギーや気持ちがスムーズに発散でき、新しいことに意欲的に取り組み、思った方向に人生を切り替えられるチャンスの年のなりえます。良縁に恵まれゴールインしたり、恋愛のチャンスも多いでしょう。
なお、命式の中に「三合」の相性の十二支があると、視野が広く行動力があって多方面で活躍できるとも言われます。
生支 旺支 墓支 蔵干が相生の関係
金の三合(金局)巳 酉 丑 ⇒戊土⇒辛金⇒癸水
土の四墓 丑辰未戌
※三支揃うことで力が倍増するのは五行の理です。
また十二支のうち旺支と呼ばれる卯・午・酉・子が入っていれば、それぞれ他の十二支が一支入ることによって、三合半会と称して5〜6割の力があると看ます。
★支合
01丑土+12子水=13 相剋する支合 化水(従来:化土)
【支合する条件】
化土:戊子(戊戊)─己丑(己己)、丙子(戊戊)─己丑(己己)、戊子(戊戊)─丁丑(己己)
※(条件1) 隣り合う柱でのみ成立し、さらに天干に化したい五行があれば「化します」。
※(条件2) 月支が土行で天干にも土行があればそのまま判断します。
月支が土行なのに天干には土行がなければ、月支蔵干と同じ五行が天干に出ているか確認し、出ていれば月令がその干に「化します」。
もしすべて天干にない場合は、蔵干本気である戊か己が通変となります。
★冲
01丑(癸辛己)─07未(丁乙己):兄弟姉妹の不和。金銭トラブル。
土同士の「冲」。
地震、土砂災害、ビルの倒壊、交通事故などを引き起こす。
身体的に土は細胞を示すため、土の「冲」は癌の原因となる。
未は砂漠をも象徴する。
仲間同士の衝突や離反が起こる暗示。
親戚関係のトラブルに巻き込まれやすい、職場内の同僚との間にトラブルが生じやすい等。
★喜冲
『墓庫が開く』と言われる「冲」ですから、かえって財運には恵まれます。
命式を出したときに、十二運星の「墓」が付くかをチェックします。
「墓」が付くと数値に強いため、経済観念が発達している人も多くいます。
日干が丑なら地支「丁 己 庚」に十二運星の「墓庫」が付きます。
★納音、天戦地冲
同じ「冲」でも、天干が同じで地支が「冲」になる組み合わせは「
もう一つ「天戦地冲(天剋地冲)」というリセット作用を持つ「冲」もあります。
「天戦地冲(天剋地冲)」とは天干に「剋する」干が、そして地支に「冲する」十二支が同時に巡っている状況をいいます。
命式に対する「天戦地冲(天剋地冲)」は三種類あり、日干支、月干支、年干支に対する「天戦地冲(天剋地冲)」です。
それぞれ60年に2度巡ってきますから、2×3=6で60才までに誰でも6回の「天戦地冲(天剋地冲)」の年を体験するのです。
(日干支と月干支、年干支の「天戦地冲(天剋地冲)」が重なることもあります)。
日干支、月干支、年干支それぞれを前に6つ戻した干支、後ろに6つ進めた干支の計6つの干支の年が「天戦地冲(天剋地冲)」です。
★刑
〈
土の三刑は土の災害や癌の原因となる。
保守的な防衛本能と物質的欲望が強く、新しい環境に馴染みにくく、ストーカー的な問題なども生じやすい傾向を持っています。
★六害
十二支のうちの二支が互いに分離したり剋し合う形を言います。
読んで字のごとく、肉親の不和、分離を示し、恩を仇で返すなどの害があるのです。
凶意としては「冲」「刑」「害」の順でたいしたことはないのですが「支合」した相手を「冲」して剋すのです。
主として、日支を中心に、他柱との「害」を見ます。
たとえば未と午は支合しますが、子が午を「冲」するので子と未は「害」となります。
「害」の年は、物事が平行線上を進み、いろいろなことが噛み合いません。
人間関係が悪化したり、事故や体調不良など現実的にマイナスの出来事が起きやすい年です。
すっぱり精算できる「冲」の年と違い、「害」の年は、何かトラブルがあってもちぐはぐで、解決するまでに時間がかかり、まずそれがストレスでかなり疲弊する時。
あてが外れることも多いので何事も慎重に。とくに健康面に要注意。
丑─午の支害は、夫婦間のトラブル、神経系の疾患にも悩まされることが。
★支破:辰⇔丑
「支破」とは「六害」と同じく「冲」「刑」ほどの凶意がなく、あまり重視しなくてもかまいません。
俗にいう「四惑十悪」のことで4つ、10違いの男女の相性が悪いと言います。十二支を順に数えて10番目の支を破とします。
「破」の年は、思惑通りに事が進まなかったり、人間関係に支障が出たりしますが、たいしたものではありません。
ただ他の干支に「冲」や「刑」が巡っていると、凶作用を増幅します。
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