第18話 千佳の母性

その日を境に彼女。

佐藤は予想通り孤立していった。

1週間経って小テストがあったのだが佐藤は他の奴らは親友とかで片付けるものを1人で勉強とか全てをこなしていた。

まあ俺にとっちゃもうどうでも良いが。

そう思いながら俺は1人で細々と弁当を食べている佐藤を見る。


自業自得だな。

そう思いながら俺は弁当を持ってから望と一緒に屋上に来る。

それから普段通りにご飯を食べる。

そうしていると屋上に何故か佐藤が来た。


「あ?こんな所で飯食っているの?」

「...まあな。お前に指図されるあれは無いが」

「しない。...みじめだね」

「そっくりそのまま返してやるよ。お前もみじめだ」


「...うっさいな」と舌打ちする佐藤。

空気でも吸いに来たのだろうか。

俺はその姿を見ながら俺は溜息を吐く。

それから「お前がそこまで歪んでいる原因は?」と聞いてみる。

すると佐藤は「は?喋る訳ないでしょ」と言ったので俺は「お前の兄貴のせいだろ」と言った。


「...何でそれ知っているの。アンタ」

「この1週間で何もしてないと思ったか。俺が。お前の...両親に接触した」

「...信じられない。個人情報を何だって思っているの」

「お前は兄貴に性的虐待を受けたらしいな」

「...」


佐藤はイライラしながら「で?」と向いてくる。

俺は「お前。良い加減にイライラするの止めろ。お前は自らで自らの首を絞めているぞ。今の現状況」と言う。

望も「貴方は孤独になっている」と話す。


「別に気にして無いんだけど。早く消えてくれない?」

「消えるさ。言われんでも」

「...」


そして俺達は弁当箱をさっさと片付けてからそのまま屋上を後にしようとした時。

佐藤が「アンタウザい」と切りだした。

俺はその言葉に「どっちでも良いけどお前は自らの首を絞めている。自覚しろ」と望と去った。



で。

その話した日を境にいじめが始まった。

それも佐藤に向けてのいじめだった。

立場が完全に逆転した。

俺は水をぶっかけかれていた佐藤のその姿を見ながら溜息を吐く。


「...やれやれ」


そう呟きながら俺は一応、先生に伝えてからそのまま教室に戻る。

そして水をぶっかけられた佐藤が戻って来る。

俺は祐樹を見る。

祐樹も肩を竦めていた。

そしてそのまま授業を受けた。


そして授業が終わって事件が起こる。

それは佐藤が...いじめっ子達に囲まれて問い詰められている時。

彼女が杖でいじめっ子の頬を殴り飛ばしたのだ。

どう考えても佐藤が悪いが。


佐藤は1週間の停学になった。

早すぎるんじゃないかアイツとは思ったが。

まあ仕方が無いのかもしれない。

そう思いながら俺は考える。


そしてまた用事があると望と別れて帰っていると佐藤と山柴が居た。

屑同士よくやっているな。

そう思いながら俺は溜息を吐いてからそのまま歩いていると。

目の前から見知った顔が声を掛けてきた。


「...千佳?」

「...聞いたよ。...佐藤の事」

「...ああ」

「あのクソ女、停学になったってね」

「...そうだな」


千佳は「?」を浮かべて複雑そうな顔の俺を見る。

俺は溜息をまた吐いてから「千佳」と声を掛けてみる。

千佳は「どうしたの?」と言ってくる。

「佐藤が何だかみじめでな」と話してみた。


「...みじめって仕方が無いでしょ。ぜーんぶアイツが悪いんだから」

「まあそうなんだけどさ」

「アンタ優しすぎる」

「...そうだよなぁ」

「クレープ奢るから頭の中を考え直しな」

「お前本当に姉御みたいだな」

「私は17歳なんですけど?」


千佳はジト目で俺を見る。

俺はその顔に「ハハハ」と苦笑いを浮かべる。

確かにそうなんだけど。

それから俺達はクレープ屋に燦燦な日差しの元。

やって来て涼しい風に当たる。


「...何のクレープ食うんだ?」

「私はまあやっぱチョコ系だね」

「...チョコか。良いな。じゃあ俺も」


それから俺達はそのままタピオカティーも購入してから二階に上がって客席に腰掛けてみる。

こじゃれたカフェだった。

俺はその事を思いながら周りを見渡していると「ズゴー!!!!!」と音がした。

「オイコラ。雰囲気が台無しだぞ」と突っ込むと。

千佳は「まあそう言わない」とニヤッとした。


「それで悩みってのは。...佐藤の話?それとも浮気したボンクラの話?」

「そいつらが復讐の為にあれこれやっているのは知っているな?」

「まあ知っているね」


そう言いながら千佳はカップの水滴で遊び始める。

真面目に聞いているのかコイツは。

思いながらジト目で千佳を見る。

千佳は「悪いね」と苦笑してから肩を竦める。


「...でもそういう難しい話は苦手だ」

「...そうか」

「良いじゃないかな。そういう奴らにそういうのやらせておけば。どうせまともな事は出来やしないよ」

「...そうかな」

「うん」


そして千佳は買い過ぎの3つのクレープの1つを2口で食ってしまった。

馬鹿じゃ無いのかコイツは?

俺は唖然としながら千佳を見る。

「まあ私、美少女だけど大食いだし」と自分を説明する。


「...はしたない野郎だ。お前のお陰で目が覚めるよ」

「ハッハッハ。それは結構」


俺達は他愛無い話をする。

それから俺は窓から外を見る。

さて...どうしたものか。

そう思いながら俺は千佳を見る。

「本題だけど」と言いながら、だ。


「分かりやすく言うからさ。どうしたら良いかアドバイスくれるか」

「...良いけど...簡単にしてほしい」

「分かった分かった」


それから俺は苦笑しながらも説明を始めた。

そして俺は「ふんふん」と頷く千佳を見てみる。

全て説明を終えた。

千佳は「なるへそ」と言いながら2つ目のクレープを食べ始めた。

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