俺の大切な彼女が浮気した。絶望していたのだがそうしたらそんな俺は同じ様な絶望を抱いた同じクラスの美少女と知り合いになったのだが

アキノリ@pokkey11.1

第一章 夢奪われた世界

奇跡を願う者達

第1話 明日への希望

霧島隆一郎(きりしまりゅういちろう)。

高校二年生の俺は彼女を寝取られた。

その挙句の果てにはその浮気の光景を見てしまった。

俺は絶望を感じて雨の中。


1人で公園に居た。


そうしていたらの話だ。



何というか彼女が寝取られるとは思いもよらなかった。

そして俺は酷く絶望し雨の中。

暗い世界の中。

俺は真っ直ぐに目の前の誰も居ない光景を見ていた。

涙する。


寝取られた俺の彼女は相手と一緒にラブホに行った。

信じられなかった。

俺はあまりの絶望に...この世の全てを呪いながら居ると。

横のもう一つあるベンチに女性が座った。

制服姿でありしかも俺の学校の制服だ。


「どうして...」


そう言いながら両手で顔を覆いながら絶望する女性。

俺は膝に手を置きながら絶望していた。

その中で横に傘を置いていた。

これは...その彼女にプレゼントする為の傘だったが。

俺はそれの包みを破いた。


「あの」


そうして俺はその女性に声を掛ける。

女性は顔を上げた。

滅茶苦茶な美少女だった。

若干のギャルっぽい。

俺はその姿を見ながら傘を渡す。


「これ。良かったら使って下さい。...このままだと貴方は雨に濡れてしまうし」

「え。でもこれは...貴方が雨に濡れ...」

「良いんです。...まあ使ったらこれは適当にして下さい」


そして俺は会釈をしてからそのまま歩き出す。

帰ろう。

下らない世界だけど良い事をした気がする。

俺はそう思いながら家に帰った。

雨が心地いい気がした。



翌日になってから俺は晴れ渡る空を見ながら家に鍵を掛けてから外に出る。

それから俺は歩いて高校まで登校してから教室に入る。

友人の下野祐樹(しものゆうき)が「大丈夫か」と言って話しかけてきた。

気軽に話し掛ける坊主頭の少年だ。


「ああ。すまない」

「...まあそういう事もあるよな」

「そうだな。とは言ってもまあ...有り得ないぐらいショックだったけど」


祐樹には昨日、メッセージをした。

事の有様を全て話した。

それから祐樹は心配をして俺にメッセージを送ってくれた。

最高の友人だった。


「まあゴミ女に渡すより最高の出来じゃないか?そうして渡すのは」

「そうだな…有難うな。祐樹」


そうしていると教室のドアが開いた。

同級生が入って来たのかと思ったがそこに…信じられない光景があった。

それは昨日の雨に濡れていたギャルが居たから。

パーカー姿で傘を持っている。

ってその傘は?


「え?アイツ...」

「確か木橋望?」

「木橋が何の用事だ?」


木橋望というらしいこの女子...。

そう思いながら俺は木橋さんを見る。

祐樹が唖然としながらハッとして退く。


「これ」

「...これ...昨日の傘?」

「...貴方が私に渡してくれた。私は貴方のお陰で殆ど濡れなかった。...感謝してる」

「...ああ」


木橋さんは教室を見渡しながら俺に赤くなりながら向いてくる。

俺は傘を複雑な顔で見ていたが顔を上げる。

そして「?」を浮かべた。

すると木橋さんは「その。お礼がしたい。傘を貸してくれたお礼が」と言ってくる。


「...俺にお礼?良いよ別に。有難う」

「...だけど両親の教えで...ちゃんとお礼をするって事になっているから。...お願い」

「...」


困惑していると祐樹が「行けよ。...木橋さんもそう言っているしな」と笑みを浮かべる。

仕方が無いな。

そう思いながら俺は木橋さんに頷く。

それから「分かった。じゃあお礼を受けるよ」と返事をする。

すると木橋さんは「!…じゃあ放課後にお礼をするから」と言いながら笑みを浮かべる。


「どういう事だ」

「え?」

「マジかよ」


そんなに有名人なのか木橋さんは?

そう思いながら俺は愕然としている周りを見渡す。

それから俺は木橋さんを見送ってから傘を見た。

正直どうでも良い傘だ。

だけど人を救えたならそれなりの価値はあったな。


そう考えながら俺は傘を見る。


すると祐樹が「まあ珍しいな」と苦笑した。

それから「木橋さんは寡黙なギャルだけど...美少女だしな。こうなる」と肩を竦めた。

成程な。

そういう事でこんな感じなのか。


「木橋さんは寡黙な感じだから相当珍しいぞ。...良かったじゃ無いか」

「まあそのお礼限りだしな」

「そうか。...まあそれならそれでも良いじゃないか。...でも彼女って彼氏が居た様な?」

「え?」


そしてまあ謎が深まったが。

特に何もなく放課後になった。

俺は校門まで向かう。

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