消滅都市のベッケンシュタイン

平木明日香

セカンド・キッド









 10,000年以上の時を繰り返して、それでもまだ日の目を見ることがない“偶然”がある。


 原因と、結果。


 様々な「時間」と「空間」の交錯の中で、選び取られなかった1つの“運命”。


 私たちはどの時代に属し、どの地平線の彼方に続いていくのか、それは誰にもわからない。


 『セカンド・キッド』は、そうした隠された変数や因子を取り扱うアーキテクチャになり得るのだ。


 決して出会うことがなかった2人が、99.9%の偶然の最中に、すれ違う1秒を持ったように。

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