好きを歌って、恋は語って、愛で黙って

　この世界には魔物が蔓延っていて、それを退けるために〝神様の愛子〟がいる。
　神様の愛子には魔物への対抗手段としての能力があって、その力は歌うことで発揮できる。
　主人公のノアは辺鄙な村で育った子供だった。ノアの頭の中には常に歌が溢れていて、その歌は今にも飛び出そうとしていた。だが、ノアの母親はノアが歌うことを嫌がっていて、いつも息苦しいようだった。
　ある日、ノアの村に魔物の群れが襲ってくる。ノアの中で大きくなる歌は、魔物の襲撃と共に抑えきれなくなってしまう。ノアが歌えば歌うほど、魔物達はその命を散らしていく。
　ノアの歌は魔物を攻撃する歌。魔物を死に至らしめる歌。
　やがて、神様の愛子を保護する者が村へ現れ、ノアは村を去ることになった。
　ノアは王都で、同じ神の愛子である少年・リュカに出…続きを読む