「犀川ようの化けの皮引っ剥がす質問群」by 秋坂"DEVIL"ゆえ

 よぉ、英語で言うところの「Long time no see」ってやつだな!

 今宵は通常の「秋坂ゆえ」じゃねえ、妙なキャラ設定で「秋坂"DEVILデビル"ゆえ」と化したこのオレ様が、あの犀川よう(※演出のため敬称略)に怒濤の質問を繰り出していくぜ。だがな、文章の末尾がオール「?」だとつまんねぇだろ? だから俺も、同じ質問に軽くアンサーしつつ進めていくぜ。


 この質問群はにひとつの共通点を設けた。それは、これまで「書き手として」やり合ってきたオレ様と犀川ようが、「読み手として」はどうなのか? つーところを探り出して『えっ? 今更の自己紹介?!』とは言わせねー化けの皮剥ぎ剥ぎ計画ってやつだ。

 さあ、地獄の宴のはじまりだぜ!



●質問いち:「小説を書き始めたきっかけになる『何か』はあったか?」

 例えば幼少期に名著に出会い、「あたしもこういうの書いてみたい!」と筆を執った、とか、まあそんな感じだ。オレ様? オレ様はこれだけは分からねぇ。ただな、親が言うに、ワープロだかパソコンなりに、いきなり物語を打ち込み始めてた、みたいな証言はあるぜ。


●質問に:「子供の頃や中高時代から読書好きだったか?」

 ハッ、単純すぎて涙が出そうな質問だが、一応この企画——じゃねえ、宴には不可欠なもんだ。オレ様はまたしても記憶が無いが、ガキの頃は音楽に夢中だったからな。ただ、遠方の中高に進学したもんで、行き帰りの電車内で「音楽を聞きながら本を読む」って習慣は四年以上続いたぜ。中一で赤川次郎を100冊ほど読み、中二で何をどう間違えたのか菊地秀行を120冊ほど読み(だからこんな性癖になった)(菊地秀行知らん人は軽くググってください)、中三でガイブンを無差別に読み漁ったな。あと、小説じゃねえが漫画家の楠本まき大先生には世話になったぜ。何人も『インスパイア』されちまったクリエイター(プロ含む)(盗作事件も勃発)を見たぜ。


●質問さん:「無人島に持って行く三冊とその理由を述べよ」

 先に答えてさせてもらうがな、一冊はキツいと思って三冊にしたがそれでもキツいな! 犀川にも頭を悩ませて欲しいぜ。

 オレ様のアンサーは以下の通りだ。

 ◎「調書」ル・クレジオ:19の時に読んだんだが、19年間の読書体験を根底からちゃぶ台返しされたとんでもねー作品だったんだ。以来クレジオ先生は心の師匠さ。

 ◎「壁」安部公房:不条理系、シュールリアリズムが大好物な俺は、日本人作家では公房が一番好きかもしねえな。だが過剰摂取はオススメしない。

 ◎「不愉快な本の続編」絲山秋子:実は何度もお話しさせていただいた上に四つくらいサインを持っている絲山秋子姉御もクレジオ先生がお好きでな、語り合ったぜ。

(※次点というわけではないが、現代日本文学では彩瀬まるが色んな意味でエグい)

 

●質問よん:「現在の読書頻度や、最近読んだ本など。積ん読があるか等」

 犀川は主婦業や育児を行っているから多忙に違いない。しかしだからこそこれを聞いてみたいんだぜ! ちなみにカクヨム作品も含まれるが、メインは「書籍」と捉えてくれ。

 オレ様? オレ様はアウトプットの方が多いってのが現状だ。積ん読が何十冊あるかなんて分からねぇぜ! あとオレ様の「闇の妻ダーク・ワイフ」こと「まり」がいわゆる「猛読家」ってやつでな、常時じゃねえが一度読書モードに入るとドストの「罪と罰」を一日で読了するとかいう恐ろしい悪行を働きオレ様に劣等感を与えてくる……。オレ様が半年かけて読破した小説を二時間で読了された時の絶望ときたら!


●質問ご:「小説の読み書き以外に、創作に関わることをしているか?」

 これはどっかのバンドマンが言ってたことだがな、「音楽を作ったり聞いたりしてるだけの人より、他のアートに触れて色んな刺激を受けた方が、作品に奥行きが出る(意訳)」。俺は同意するぜ。つっても作曲は最近できてないし、鍵盤も叩いてねぇ。「触れる」という意味では、音楽は常に聞いてるし、TVは見ないがYouTubeで英語圏の様々な動画(主にリアクション動画)やエンターテイメントを見たり、オタクのまりに付き合ってアニメも見る。犀川どうかな? フッハッハ!


●質問ろく:「本を読んで泣くことはあるか? いつ読んでも泣く小説はあるか?」

 付き合いがまだまだ短いとはいえ、犀川は「タフな姐さん」って印象が強いと、オレ様は感じている。だからこそ聞いてみたい、この質問。オレ様はかなり作品に感情移入して読む方だから、涙腺が豆腐だ。すぐ泣く。「いつ読んでも泣く」という作品もあるが、小学校&二十歳前後&二十代半ば、と三度読んで三度ラストで泣いた作品があってな、オレ様自身意味が分からないんだが、「吾輩は猫である」なんだ。犀川よ、貴様にもそんな本があるかな? 


●質問なな:「自分の好みではない作品に出会った時、読むのを辞めるか?」

 これも気になるところだ。次の質問にも繋がるんだがな、オレ様は「うぎゃああコレ無理ぃぃぃぃ!!!!」と思いながらも、読むのをやめて別作品にスイッチする、といったことができない。その不快な小説世界を、不快さが残ってしまうんだ。悪魔のオレ様が言うのもなんだが、悪夢の読書体験だぜ。この辺も、あらゆる意味で「パイセン」にあたる犀川の回答が楽しみだ。


●質問はち:「読了後、『ふざけんなゴラァァアア!!』と壁に投げつけたくなる本はあるか?」

 オレ様は上記の通り、どんなに自分に合わない作品でも読了してしまう。そんで、その後罵詈雑言を吐きながら壁に叩きつけたくなるような本=を【壁本かべぼん】と呼んでいて、過去四作、エンカウントしたことがある。しかし実行はしていない。二冊は図書館の本で、一冊は友人から借りたもの、一作は電子(スマホ)だったからだ。

 この質問は、質問ななで「合わない小説はすぐさま中止する」と回答した場合、スキップしてくれたまえ。


●質問きゅう:「読書ノート及びそれに準ずるものを付けているか?」

 これは個人的に気になるポイントだ。オレ様の友人で読んだ作品全てに感想や分析を書いてる奴が数名いるが(中にはその数が四桁いってる奴もいる)、オレ様に限って言えば、ぶっ刺さったものだけ長々と感想や長所短所その他を書き留めるが、先述の通りオレ様は感情移入しやすく涙腺が豆腐だ、感情的になって冷静に感想など書けない作品もある。これに関しては犀川の回答が読めねえぜ。


●質問じゅう:「ガイブンは読むか? YESであれば好きな作品を挙げよ」

 これはオレ様の印象なのだが、カクヨムのみならず、所謂ツイッターの「読書垢」的なアカウントを見ていても、案外「ガイブン」=海外文学を読んでいる人(特に若者)が少ないように感じるのだ。もちろん、「翻訳」という「第三者の介入」があるから、母語の方が読み易い・読み取りやすいというのは理解できる(翻訳も酷いものは本当に酷い)。その点犀川はどうだろうか?


●質問じゅういち:「メディアミックスについてどう思うか? もし自分のカクヨム上にある作品が実写化されるとするなら、誰主演で誰脚本で誰監督か、等、妄想を可能な限り記述せよ」

 この質問には是非、超長文で答えてもらいてぇもんだぜ。なんなら他の参加者にも聞いてみてぇなぁ。「そんな願望はない」という場合は、今この場で「こういう話であの役者さんで〜」と考えてくれよな。何が言いたいか分かるか? 俺はんだよ、へっへっへ。


●質問じゅうに:「カクヨム上で、他の書き手の作品丸ごと出なくても、描写、登場人物の作り込み、設定、独特の世界観、台詞、その他諸々を読んで『嫉妬』したことはあるか?」

 この質問、オレ様の答えはYESだ。しかも結構頻度高いぞ。オレ様の悪癖として、嫉妬心や劣等感を引きずりがちなところがあるんだが、それは単なる時間の無駄なので、ひたすら振り切って自分自身を高めるよう腐心する。ただ、オレ様と犀川はキャリアが違う。そこが気になって、この質問をぶつけてみる。

 

●質問じゅうさん:「自分の作品を読み返すか? YESならその理由は?」

 最後はこれだ。オレ様の場合、書き始めの頃は、よく再読していた。直すべき所を探す意図もあったが、「結構おもろいと思うけど、なんで落ちたんやろ」なんて思っていた。しかし二十代前半頃からだったろうか、全く読み直さなくなった。様々なジャンルを書くようになったから、という理由もあったが、「再読する」ということ自体を忘れていたように思う。「次を書こう! 次を考えよう!」と少々強迫的になっていた時期はあった。今はどうかというと、あんま再読しない。が、カクヨム上でリアクションがあったりすると読み直したりする。

 この質問に関しては、犀川にはYES/NOのみならず、この地獄の宴参加者全員のためにも、「自作再読の是非」、もう少し言えば「再読した方が良い場合、どのように読むべきか」までぺろっと答えてもらえれば幸いだ。



 さて、「じゅうさん」というなんとも悪魔的なナンバーに到達したので、地獄の宴はこの辺でおひらきだ。「犀川ようの化けの皮を引っ剥がす」と同時に、「読み手としての」というコンセプトが、読者さまにも有益な何かをもたらしてくれれば僥倖、では、オレ様は「悪魔デビル」から「ゆえたん」に戻る。またどっかで会おうな。


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