自動筆記「Syrup16gを聞きながら」

 今朝は存在しなかった。

 ランチタイム直後に現世に舞い戻ってきた貴女に、貴女は、

 何を食べて何を食べないのか?


(Such a Weirdo, isn't HE?)


 英語に逃げるな。体言止めに逃げるな。


「僕、NYCに何から最も自分がインスパイアされるか、

 as a result, 好きなミュージシャンのインタビューだったんです」


 貴女は今日もジェンダーを着替える。

 彼のマザーは毎晩死ぬ。

——美しく在れ。

 

 だから貴方は今もこうして、春の静かな冷気の中、

 いっそ笑えるほどにだたがたと震え、

 流行流行流行、追い求め、でも、

 追いついてしまったら、追い抜いてしまったら、

 もはや灰だらけになった貴女と貴女は、その黒の中、

 一筋の光に、ピンライトみたいに照らされて、夢の中。


 貴方が目覚めると、そこにはただ、貴方の今朝の性別の抜け殻だけあって、

 今日はシーツを洗います。


                                (了)

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