概要
引きこもりはこの世をどう生きるか
23歳無職の引きこもり男が、妄想に妄想を重ね、脳内彼女を作ってしまう話です。
(全15話)
(全15話)
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!死にたくなる人たちへ送る鎮魂歌。
読みながら胸は苦しくなるし、それでも、スクロールは止まらないし、色んな意味で大変だった。あいりちゃんはイマジナリーフレンドなんだろうけれども私も子供の頃、あいりちゃんみたいな子がいてその孤独の深さを思い出した。
読んでいて今の社会の根深い闇を突きつけられる。そして、自分自身の生きづらさも。
今日、家の近くの路線で人身事故が発生した。死んだその人はどんな思いで飛び込んだのだろう。
優雅たちのように死にたくて集団自殺を計画したり、それで閉鎖病棟に入院したりしているか弱い人は知られていないだけでたくさんいるのだろう。
苦しくはなるが辛い時はむしろ、悲しい物語を読むと救われることもある。 - ★★★ Excellent!!!鬱病文學の傑作
本作のおもな登場人物は、主人公『俺』と、タルパ、つまりイマジナリー・フレンドとしての恋人である『あいり』と、物語の途中で、奇妙な出逢いをして昵懇の仲となる女性、『田中さん』である。
主人公は鬱病に罹患しており、曩時から自殺願望があるのだが、前述のとおり、タルパである『あいり』は、主人公の擬似的な恋人であり、想像上の恋人であるため、必然的に、主人公が自殺すれば、あいりも消滅してしまう運命にある。
愚生は最初、この『あいり』という存在を、主人公が死ぬことで同時に死ぬ構造にあるので、主人公の『人生』そのもののメタファーとして読んでいたが、中途から、『あいりこそが鬱病のメタファーではないか』とか…続きを読む