モブ鳥落とすイキオイ

作者様はご自身を「モブ」と書かれていますが、真の「モブ」は読者であります。


リズミカルな文章に、濃すぎる登場人物、笑いが止まらないエピソード。

ずっと「モブ」として眺めていたい、幸せなエッセイです。

人生は多種多様。
人の数だけ違う物語があるし、人の数だけ異なる考えがあります。

普通ってなんだろう、と思いながらもとても楽しく読めました！
こんな人生もあるんですね。

読まない理由が見つからない、と書いてしまいましたが、エッセイがどうしても苦手です、という方に無理やりに、などとは申しません。当然でございます。苦手なものはどなたにもございます。
ですが。
エッセイが好き！→はい、このレビューは中断しまして本編へ。あ、できましたら本編を堪能されました後に戻っていらして頂けましたら嬉しいです。
エッセイ？　読むことは読むけど……面白いの？→はい、もう、とても、すごく！読みましょう！

ほのぼのご家族素敵エッセイ……な部分、確かにございます。
ただ、少し(？)ご家族の皆様の個性がお強く、普通であれば主役であられる作者様がモブ化してしまわれているのでございます。

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親ガチャ、などという言葉が飛び交う現代ではありますが、子供は親を選べず、親だって子供を選んではいない。
普通の家庭、と誰かが言います。
果たして、普通、とは何なのか？

どこに生まれようと、どんな親であろうと、そこで生まれ、育てば子供にとってはそれが普通なのです。

いやしかし、作者様のお宅はどうやらちょっと（だいぶ？）毛色が違う。
ヤバそうだ。
しかし、なんだか楽しそうだ。

普通、という一般的なそれとはどうやら違うご家庭で生まれ、育った作者様は、自分のことをモブと仰いますけどね。
だいぶ面白く仕上がっておりますとともに
「よくグレなかったよね…」
などと、ちょっぴり思う今日この頃。
愛を…続きを読む

……とはこの作者さまのことを言うのだと思います。モブなどとんでもなく。常人ではこのファンキー極まったる家族との半生をネタ（エッセイ）へと変換することなど、到底できますまい。

比べて、有難い一方で平凡な取り巻きを憂いなげく、己の人生。でも……

「人生は近くで見たら悲劇だが、遠くから見ると喜劇である」

見方を変えれば、実はもっとセンスオブワンダーが転がっているかもしれない。
作中で引用なさっているチャップリンの言葉に、はっとします。