モブ鳥落とすイキオイ

隊長

　ここで、居候を含まない血縁のみの家族構成を述べておきます。居候を含まない、という時点で噴飯ものではあると思うのですが、そこはサラッと流していただけると有難く。

　実家は、両親・年子の姉上・モブ尾巻・11歳離れた弟の、5人編成部隊でございます。

　母上が将軍ならば、姉上は隊長であります。花鳥風月に明け暮れる父上、本の虫モブ尾巻、気ままな弟は、彼女らに抗う術（すべ）を持ちません。

　同じ血を分けていても、理解し合えるとは限りません。姉上とは徹底的に性格が合わず、子どもの頃は取っ組み合いの喧嘩などもいたしました。運動神経皆無のモブ尾巻、結果はほぼ惨敗。

　勝てるのは舌戦くらいでしょうが、ジャイアニズムで強引にねじ伏せられることは火を見るよりも明らか。青い猫型ロボが傍にいなかったモブ太は、無益な争いはしないことにしたのでございます。

　思春期の頃は、似た者同士の将軍と隊長、時々父上を交え、凄まじい家庭内戦争が勃発しておりました。卓袱台返し、風呂板やゴミ箱、観葉植物が宙を舞い、襖や壁には大穴が開くほどの激しい肉弾戦。

　夕餉の時間にそれが始まると、モブ尾巻は幼い弟とご飯を抱いて避難。ご飯大事。もぐもぐ。

　しかし、そんな姉上とも、大人になった現在では、良好な関係を築いております。今では頼もしい味方でございます。

　幾つかの事業所を展開し、寝る間も惜しんで働く姿は、母上にそっくり。と、申しますと「違う！」と否定されるのですが、それは紛れもない事実であります。

　創作に関しては、作ったら満足でそのまま放置が多いモブ尾巻に、売り出す方法を爆速で提案してまいります。ええ、大変頼もしく、有難いことではありますが。

……そういうとこやで。