放任主義
「人生は近くで見たら悲劇だが、遠くから見ると喜劇である」という
なるべく俯瞰で物事を見ようと思っていますが、未熟なモブ尾巻は時々現世の縁から暗黒の穴を覗き込む事態に陥ることも。
まあ、そんなことはどうでも良いのです。
自由な気風の中で育ったモブ尾巻、世間に出てからは制約の多さに驚いたものです。
高校生の頃、大嫌いな教師がおりました。当時はそれを隠そうともせず、徹底的に交戦の構え。損得勘定は一切無視、絶対に従いません。困り果てた教師は、家に電話を掛け「ご両親からもどうか助言を」と協力を求めたそうです。
その時の母上、教師に対して一言。
「子どもの人生は子どもに任せています、忙しいのでもう掛けてこないでください」
それを聞いたのは、成人してかなり時間が経ってからのことでございます。あまりに潔い言葉に、反省よりも先に眩暈がいたしました。
父上は「尾巻ちゃんがそこまで嫌うなら仕方ないよね」と爆笑しておりました。親の立場なら何かないのかと逆に心配になります。
また数年前のことでございます。
とある事情により、急ぎ夫の家を出ることになったモブ尾巻。ここで夫婦間の諍いを書くのは公平ではない気がするので省きますが、実家には連絡しておこうと、夜中に母上に電話をいたしました。
結論から始めて事実のみを簡潔に。いつも事後報告なので反対はございません。
すると母上はとても……とても静かに一言。
「私の可愛い娘になんてことするのかしらね」
翌日、遠方の郷里から夫の家に押し掛けた母上は、一晩中夫と語り?明かしたそうでございます。人生に介入しないと言いながら、それはあまりにも矛盾した行動では?何かしてくれとは一言も申しておりません。
モブ尾巻は状況を想像して腹筋が崩壊するほど笑ってしまったのでございます。
何を話したのか、両人から聞くことは出来なかったのですが、現在夫がお利口にしているのは母上のお陰ではないかと推測しております。
父上に女帝と呼ばれる母上ではございますが、実は情に篤い女性でもあるのです。
……ちょwww何したか教えてwww
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