第23話 桜の花が舞えば入学式(2)
私は『は~い。今行くから~』と、母に叫ぼうとすれば。
「美月ー! 遅刻をするようになるから早くー! 自分の教室へと向かいなさい! 今直ぐにだぁ! さぁ、早く! 早くー!」と。
母に代わりに、今度は家の父が。
母のように声を大にして叫びながら私に、今直ぐ自身の教室へと向かうようにと諫め、急かしてきた。
だから私は父と母に対して、にへらと笑いながら。
「はぁ~い。わかったよ。二人とも。私も今直ぐ、自身の教室へと向かうから心配しないで。大丈夫だからぁ~」と。
私も父や母につられるように桜の木の下──。
そう、ソメイヨシノの木の花弁が春風に吹かれ、誘われ。
そして舞う下で、花弁のシャワーを浴びながら、私は声を大にして叫ぶ。
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