第24話 桜の花が舞えば入学式(3)

 でッ、その後は私──!


 家のお父さんやお母さんに対して、大袈裟過ぎるぐらい手を振り。


 サヨウナラ、バイバイを告げると。


 家の両親も私につられるように手を振り返しながら、夫婦仲良く体育館へと向かい、歩き出し、私の視界から二人の背は消えて無くなったから。


 私は口煩い二人が消えたので、ホッ! としながら胸を撫でおろせば。


 私は自身の脳裏でね。


(もう、お父さんとお母さんは、私中学生になるのに、いつまでも小さな子供でも見るような目で見詰め、事あるごとに、口煩くするから本当に困る)と嘆けば。


(私、二人に急かしながら言われなくても。そろそろ教室へと向かうつもりだったのに)と。


 今日から中学生になる私は、少しばかり大人になっているから。


 自身の頬を膨らませつつ、脳裏で両親へと悪態をつけば。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る