第25話 桜の花が舞えば入学式(4)

 何故か私の頭上で咲いている桜の花が、強い季節風……。


 そう、春一番と変わらぬ程の強い春風──!


 私が自身の捲れる学校指定の制服のスカートを慌てて押えないといけない程の突風と共に。


 天空から桜の花弁がヒュ~! と舞い──!


 ヒラヒラと沢山舞い落ちてきた。


 だから私、神童美月は……。


 そう、今日から中学生になるからと、少しばかりの背伸びをして、家の両親へと生意気な態度……悪態をついた。


 まあ、悪い娘の私なのだが。


 それでも私の頭上に咲く、ソメイヨシノの木は優しいから。


 そう、私の新しい門出──。


 中学校、新一年生を祝ってくれているかのように。


 ソメイヨシノ彼女は花弁をヒラヒラと生暖かい春風と共に、舞い落としてくれるから。


 私の容姿は桜の精の如く。


 自身の身体が桜の花弁の舞う中に覆われ、幻想的な世界観を創作してくれる中で。


 私は自然と上空を「綺麗……」と呟きつつ。


 空! 花弁! を眺めるように顔を上げ、また懲りもしないで見詰め、見惚れてしまう、失態を犯してしまうから。

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