第26話 桜の花が舞えば入学式(5)
「ああ、本当に綺麗で素敵だね。君の事を優しく覆う。ソメイヨシノの花弁は……」と。
何処からともなく、私の耳へと、大変に優しい声音の台詞が聞こえてきた。
だから私の口から「えっ!」と驚嘆が漏れ。
その後は、「何故、貴方がここに?」と。
私の口から大変に不機嫌極まりない声が呟かれるから。
「あれ、君どうしたの?」と、彼……。
そう、私が以前、早咲き桜の下で遭い、言い争いになった彼が、前回遭った時とは違う様子……。
そう、その数日前に会った時……。
桃の花の下で会った時のように優しい声音、振る舞いで首を傾げてきた。
でも彼が、今更のように、私の御機嫌伺、なのだろうか?
大変に優しく、御日様のように微笑んでこようが。
私は彼の事が嫌い!
それも大嫌いな訳だから。
私はプイだ!
そして無視!
自身の顔を赤鬼! 般若面のように恐ろしくしながら。
私はソメイヨシノの花の下から慌てて移動を始めだせば。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます