第27話 桜の花が舞えば入学式(6)

「ちょっと、待ってよ。あの時の君!」と。


「何で僕に対して、そんな怪訝な表情をするのかな?」、


 そして「僕が君に何かしたかい?」と。


 彼は大変に困った顔で可笑しな事を私へと告げ、尋ねてくる。


 それも私の腕を掴み、力強く、自身の方へと強引に引き寄せるから。


「あなた~、いい加減にしてください!」


 私は彼に怒声を吐き。


「あなたは私に、早咲き桜の下で暴言を吐き! 悪態をついてきたではないですか?」と、荒々しく尋ねてやったのだ。


 絶対に忘れたと彼に言わせない為に。


 でも彼は、「えっ! 何、それ?」と首を傾げるから。


 この人私に喧嘩を売っているのと。


 私は憤怒しながら思う。


 でも、この後も彼は私に。


「本当に知らない」、


「僕は知らない」、


「早咲き桜の下など行った事等ないよ」、


「君は誰かと、僕を間違えているのではないかな?」と。


 桃の精霊様のようだった彼は、あの時のように柔らかく言い訳?


 と、言うか?


 自分は知らない!


 私が誰かと勘違いをしているようだから。


「桜の花の妖精のようの麗しい君」、


『頼むから、僕の事を嫌わないで欲しい」と。


 彼が私に頭を下げてくるから。


 私は困惑、動揺を始める不思議な入学式が始まる。



 ◇◇◇


(完)

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桃の花の舞う中で会った男の子は……(続きは何処かでご縁があれば、ミステリー小説として会いましょう) かず斉入道 @kyukon

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