第4話 桃の花が咲く季節は出会い(4)

 だから私は桃の花から、桃の精のように麗しい少年へとチラリ! と視線をかえる。


 そして彼の、容姿端麗な姿をチラチラと観察する! すればね!


 彼は多分?


 小学校卒業したばかりの私よりも一つか、二つ年上の中学生の少年だと思われる?


 そんな彼の容姿……。


 そう、本当に天界──。


 桃源郷から降臨をしたのではないか? と思われるほど麗しい美少年の容姿を私は、ふと気が付けば。


 自身の頬をこの花弁……。


 そう、春先の未だ冷たい風に吹かれては、ヒラヒラと舞う。


 桃の花弁のように、薄い桃色に染めながら見詰めていると。


「……ん? 君、どうしたの? ボォ~としながら僕の顔を見ているようだけれど。僕の顔に何かついているのかな?」


 桃の精霊のような彼──。


 私の彼を見詰める視線が余程熱いものだったのか?


 彼はふと私の視線に気が付き、こちらを向き、にへらと笑いながら私へと尋ねてきた。

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