第17話 彼は首を傾げる(3)
すると彼は、少しばかり悩んだ顔──天を見上げながら、考える人へと変化。
「う~ん」と唸り声を漏らせば。
私の方へと視線を変え。
「俺はお前のような奴は知らん! 会うのも始めてだ!」
彼は数日前に桃の花の木の下で私と会い、和気藹々と会話をした筈なのに。
私の事を知らないと言い始める。
それも苦笑を浮かべ、私の事を嘲笑うように告げてきた。
と、言う事は?
もしかして彼は、私の事を揶揄しているのかも知れない?
数日前に桃の精霊のような麗しい彼と楽しく会話をした時も。
彼は私の事を結構揶揄してきた。
だから彼は、もう見ず知らずではない、私の事を最初から揶揄してきているのかも?
私が自身の脳裏で、こんな安易な物考えをしていると。
「だから俺に馴れ馴れしく話しかけてくるな」と。
「……ん? あっ!」と、彼が驚嘆を漏らせば。
「お前、もしかして俺に一目惚れをしたから。俺と仲良くなりたいと思い。嘘偽りをでっちあげして、話しかけてきたのか?」と。
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