第22話 桜の花が舞えば入学式(1)

「ああ」と私は、点を仰ぎつつ嘆く。


 だって桜の花が咲き、舞えば、もう入学式……。


 私は中学生になってしまうから、春休みがもう終わるので。


 私は残念無念なのだと桜の木の下……。


 そう、今日から私が通う中学校の校門近くに立ち、咲く、ソメイヨシノの木の下で私は……。


 ソメイヨシノ彼女が、私達新一年生の入学式を桜の花弁をヒラヒラと落とし、舞いさせる下で。


 私が花弁が落ち、舞う姿を見ながら嘆けば。


「美月ー! 貴女ー! 何を訳解らないことを言って立っているの? 

 お母さんとお父さんは先に入学式のために体育館へと入っているから。貴女はちゃんと教室に向かうのよ!」と。


 家のせっかちなお母さんが、私の妄想、瞑想の妨げをする罵声をつきつつ、悪態をついてきたから。


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