概要
行き着く先は、戦禍の先か 海の底か
年に二回村にやってくる見世物小屋。村娘の月子は、そこで美しい姉弟と出会う。二人は「海からやってきた」男を父に持つと言うのだが――
昭和初期の激動の時代を舞台に、少女の不思議な恋が動き出す。
昭和初期の激動の時代を舞台に、少女の不思議な恋が動き出す。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!歴史とファンタジーが交錯する仄暗くも優しい愛と命の物語
落ち着いた筆致から質量と秘めた闘志を感じる、非常に安定感のある作品です。
幼少期、主人公の祖父の葬儀から始まる冒頭、陰鬱とした因習を感じさせる閉鎖的な「ムラ」の立ち位置と「死」の概念が印象的です。
若干のホラー要素を含みながらも、激動の時代「昭和」を歴史的に追って成長する主人公たちの生活や葛藤は紛れもない地に足のついた近現代史でした。
その中で、主人公「月子」のヒーローとして登場する少年は、どこからどう見てもファンタジックな異形の美少年。
ただ、そのファンタジー加減が浮世離れしない絶妙な匙加減で物語の核を成す大事なアクセントになっています。
そして、ファンタジー少年はブレることなく最後…続きを読む