概要
煙草一本くれよ。そしたら、面白い話してやるから
夜のコンビニ、薄暗い喫煙所でいつも同じ時間に顔を合わせる先輩・国島。友人ではないけれども顔見知りよりは少し近いその人から、煙草一本で妙な話を聞かせてもらうようになった夜の記録です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!煙草一本分の奇譚はいかが
大学生の主人公、「俺」こと久慈には金曜の夜九時過ぎにコンビニの喫煙所で必ず顔を合わせる先輩がいる。
先輩の名は国島。彼はある春の夜、久慈にこう持ちかける。
── 煙草一本くれよ。そしたら、面白い話してやるから
彼の提案を最初は胡散臭く感じていた久慈だが、やがて「煙草一本分」の彼の話が少し楽しみになっていく。まるで喫煙家による千夜一夜物語だが、この物語には残虐な王も、彼と床を共にして物語を語る姉妹もいない。
この物語を形作るのは、アロハを着用し、怪しげなバイトに精を出しては奇譚を集め、後輩から煙草を毟りとる(この表現が好きです)胡乱な先輩と、面白そうな話には人並みに興味を覚える下世話さを持…続きを読む