概要
援助交際デリバリーヘルスで生きようとした、二人のクライムサスペンス
会社を辞め、あてのない日々を過ごす男、カワサキ。
援助交際を行う女子高生、吉井早苗。
偶然出会った二人は、援助交際デリバリーヘルスを始める。
次第に怪しい気配が漂い、血が流れ、謎に翻弄される。
その先に待つのは、破滅か、あるいは救いか——
――空にはたくさんの星が瞬いているが、チュニジアの夜に輝く星こそ、砂漠で導いてくれることを賢者しか理解していない。
ジョン・ヘンドリックス チュニジアの夜より
援助交際を行う女子高生、吉井早苗。
偶然出会った二人は、援助交際デリバリーヘルスを始める。
次第に怪しい気配が漂い、血が流れ、謎に翻弄される。
その先に待つのは、破滅か、あるいは救いか——
――空にはたくさんの星が瞬いているが、チュニジアの夜に輝く星こそ、砂漠で導いてくれることを賢者しか理解していない。
ジョン・ヘンドリックス チュニジアの夜より
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!救いと赦しの狭間に揺蕩う
ひょんなことから出会った男女。
二人は独自のビジネスを開拓し、社会の暗部へと突き進んでいく。貧困や暴力、そして飽くなき渇望。渦巻く欲望に吞み込まれた末に出した、彼らの答えとは。
情け容赦のないノワールな雰囲気と、力強い筆致が売りの本作。群像劇の形式をとることにより、多面的な物語の構成を可能としています。闇で生きる人間たちの抱く微かな希望や悲哀、凋落といったものが丹精に描かれており、リアルな息遣いを感じさせてくれる作品でした。また、その他の特徴として作中には実在の様々なブランドや音楽が登場します。個人的にはこの部分が一番好きでした。端的に様相を説明したうえで、雰囲気にアクセントを加えられてい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ぜひ一度読んでみてください。
凄まじい物語でした。
当初は、抑制的で影のある文章ながら、男女が出会いを通じて何かを得ていくような、そうした雰囲気があり、援助交際デリバリーヘルスという内容ではあるものの、次第に拡大されていく事業に高揚感を味わうこともありました。
しかし、全てを通読し、もう一度最初から読み通すと、序盤から随所に伏線が貼られ、全く違った物語が姿を表すことになります。
作中の
『この仕事を通じて関わり合いをもった、すべての少女たちの幸せを願った』
という言葉が頭から離れません。
決してWebで読み流すのに向いている作品ではないですが、ぜひ一読、いえ、何読もすることをお勧めします。