第3話
4限が終わり、連太郎はサークル室に戻った。
「うわあああ、ミキ先輩がっ」
和馬の悲鳴が聞こえた。
「どうかしたんですかっ⁉」
連太郎は走って、声の方に向かう。
サークル室内には和馬と、倒れているミキ先輩がいた。
赤い、血が流れていた。胸にナイフが刺さっている。
「あ、あ、……」
「連太郎!」
「あ、えと……」
「救急車呼ばねえと!」
「えっと……」
「もういい! 俺が呼ぶ!」
救急車の音を聞きつけて、野次馬が集まってきた。
その騒ぎは講堂にいる紫子にも届いた。
「警察です」
紫子は警察手帳を救急隊員に見せる。
「第一発見者は。あなた方ですか?」
紫子は連太郎達の元へ向かい、問いかける。
「とりあえず、同じサークルということで、皆さんの持ち物検査をしてみましょうか」
「あ……」
連太郎は自分のロッカーから最悪の物を見つける。
「お前、その手に持ったナイフは⁉」
「わ、分かりません……」
「あなた、お昼にお会いしましたね。お名前は?」
「森連太郎です」
「何故、凶器と思われるナイフが、あなたの鞄の中に入っていたのか、分からないのですね?」
「はい……」
「それが本当だとすれば、誰かがあなたに罪をなすりつけるために、鞄の中にナイフを忍ばせたということになりますね」
「連太郎が犯人ってことも」
「おいおい、和馬、そりゃねえだろ。連太郎に人殺しが出来る訳ねえだろ」
「あなたは?」
「俺は、この天文サークルの顧問、宮沢悟史だ」
「で、そちらの方が」
「高尾和馬」
「他に天文サークルの方は?」
「あと4人いるけど、今日は見てねえな」
「分かりました。一応、呼び出していただけますか」
「ああ」
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