gift

夢水 四季

身勝手な男

第1話

大学二年生の森連太郎は大学構内を歩いていた。

 学内コンビニで昼ご飯を買い、いつもの場所に向かう。

 そこは軽い森のようになっていて、ベンチがあった。あまり人も訪れない穴場スポットだ。


 いつものベンチで昼寝をしている少女がいた。


「あの~」

 連太郎は、ここで寝ていると風邪をひいてしまうだろうと心配して声をかけた。

「……はい、起こしていただきありがとうございます」

「いえ」

「僕は夏目 紫子といいます。今日、講演をするんです。よろしければ、どうぞ」

 チラシには「哲学者 夏目紫子 講演会」と書いてあった。

「ありがとうございます! 聴きにいきますね」

「はい、お待ちしております」

 そう言うと、紫子は講師控室のある棟に向かって行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る