ストーカー事件

1話

「皆さん、giftに新メンバーが加入しましたよ!」

 ここはgiftの作戦本部。東京都神保町にある雑居ビルの2階。

 宮沢と連太郎が既存メンバーに紹介される。


「まずは私から、gift №1夏目 紫子です。哲学者兼警察官です」

「№2の有明 憂です。心理学担当です」

「№3の仙道 和泉よ。医療担当」

「№4の烏丸 凛といいます。法律担当です」

「№5の真葛 秋人、烏丸さんと一緒にいたらgiftにスカウトされました。社長やってます」

「よろしく」

「よろしくお願いします」

「心理学、医療、法律は分かるとして、社長ってのは何なんだ? ていうか、俺の天文学者も事件とかと関係ないし、連太郎に至っては、ただの学生じゃねえか。まあ入れって言われたから一応、入ったけどさ」

「別にその辺は気にしないで下さい。仲間は多い方がいいじゃないですか」

「そんなもんか」

「そんなものです」



「それでは、早速、本日の事件に入りましょう」

 そう言うと、二人の刑事がホワイトボードを持って、やって来た。

「gift担当刑事の斎藤さんと向井さんです」

「あ、はい、よろしくお願いします」

 連太郎が律儀に挨拶をする。

「よろしく」


「今回はストーカー事件です」

 紫子がホワイトボードに沿って説明をしていく。

 被害者は中澤 美波(24)

 加害者は津田 山彦(46)

 仕事帰り、偶然見つけた中澤に津田が勝手に恋情を抱き、ストーカー行為をしたとのこと。

「ストーカーのせいで可愛い女の子が怖い思いをするのは許せないわね」

「ええ。警察は本当に殺人事件近くまで行かないと動かないので、今回は私達で解決をします」

 それを聞いてる警察の二人は、少し気まずい顔をした。

「目的は津田を現行犯で逮捕することです」

「現行犯逮捕でないといけないのか?」

「ええ。この手の事件は現行犯逮捕が鉄則です」

「うん。それで罰せられたとしても、大体1年以下の懲役か100万以下の罰金」

「被害者の受けた苦しみの割に罰が軽いんです」

「チョン切られればいいのに」

 和泉の言葉に男性陣はヒュンとする。

「まあまあ、それでは行きましょうか」


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