第2話 おれのコード

しばらく都市をナターシャに案内してもらった。


「アオイさま、お腹すきませんか?」

「うん、そういえばお腹すいたかも」

「じゃあ、そこで休憩しながら食べましょう」

「うん」


水の上に公園らしき緑が茂っているところがあった。

そこに降りた。

ナターシャは画面をだした。


画面には食べ物と書いてあった。


「ねえ、ナターシャまさか食事もこの画面でポチるの?」

「はい、そうです」

「この世界はなんでもポチるんだな」

「はい、そのとおりです」


そういうと、ナターシャは画面を見せながら説明をしてくれた。


「画面はアオイさまが思えば出てきます」

「なるほど」

「そして、衣・食・住・その他の覧があります」

「うんうん」

「今回は食事だから、食をタッチします」

「おぅ」

「そうすると、食材なのか食事なのか選ぶ覧があります」

「うんうん」

「今回は食事だから、食べたいものを選んでタッチします」

「わぁ!」


ナターシャの目の前に今、ポチッた食事がでてきた。


「すごいな」

「そうですか?」


おれも、やってみた。

すんなりできた。

これはすごい。

おれはハヤシライスをポチッた。


モグモグ。

ん~~うまい。


おれはふと、支払いが気になった。


「それで、このポチッた支払いはどうなってるんだ?」

「え? お金のことですか?」

「ああ」

「お金が入ってないとタッチできません」

「そうなのか」

「はい」


おれは服を買えたってことはお金があるのか?


「どこかで、お金の残高がみられたりするのか?」

「はい、画面だしてみてください」


おれは言われた通り、画面をだした。


「この画面の右上に自分のコードがあります」

「これはおれのコードなのか?」

「はいそうです。このコードは産まれたときからついています」

「おれのコードか2308696」

「そしてこのコードと自分の手首についているコードを照らし合わせてみてください」

「え? 手首にコードが?」


あっ!

あった!

こんなところにコードがあったなんて。

2308696画面と同じコードだ。

おれは手首を画面のコードにつけた。

すると、画面に金額らしき数字がでてきた。

えっと、9999999999全部9ってエラーか?


「エラーか?」

「いえ、アオイさまはこれ以上にお金をもっていることになります」

「そうなのか?」

「はい、困らないように転移者にはある程度のお金は入っているはずです」

「そうなのか、それはありがたい」

「でも、時々確認をした方がよろしいかと思います」

「わかった」


だいたいのことがわかってきた。

しかし、肝心なことがまだ聞けていなかった。


「ナターシャ」

「はい、なんでしょうか」

「おれはなんで、この都市に召喚されたんだ?」

「はい、それは大事なことなのでマンションにいってからご説明いたします」

「わかった」

「では、バイクに乗ってマンションにいきましょう」

「うん」


おれはナターシャのバイクの後ろに乗った。


「アオイさま、アオイさまもバイクを購入して乗る練習をされた方がなにかと便利なのでよろしいかと」

「うん、わかった」


そういうと、またナターシャの腰にしっかりと抱きついていった。


「アオイさま、マンションにつきました」

「うん」

「では、こちらに顔を近づけてください」

「うん」


マンションの扉が開いた。

マンションに入るには顔認証でいいらしい。

おれは心配だったが、開いてよかった。

そして、部屋にもすんなり入れた。


「アオイさま、今日からこちらにお住みください」

「うん、かなり広いね」

「そうですか?」

「ここでナターシャとふたりで住むの?」

「え? あっ」


なに?

今の。

恥ずかしがった?

急に女の子に見えた気がした。


「アオイさま、わたしは食事とか作れませんのでメイドを購入されてはいかがでしょうか?」

「メイド?」

「はい、カスタマイズして自分好みのメイドを購入することができます」

「え? そうなの?」

「はい、その方が料理、洗濯、夜のお仕事などもそのメイドが全部してくれます」

「そうなんだ~」


え?

いま、あっさり言ったけれど夜のお仕事ってなんだ?


「これもポチれるってことか?」

「はい、そうです。その他の画面から購入可能です」


おれは画面をだして、いわれた通りその他の覧を押した。

その他は多いな。

ロボット、アンドロイドか?

おぅ!

アンドロイドか。

男と女と選べるんだ。

女っと。

わぁ~髪の毛の長さも色もえらべるのか。

長さはロングで色は……白っぽい水色がいいな。

この、カラーサークルで選ぶのかな?

ああ、この辺の色だな。

そして、目の色か。

ブルーっぽいこの辺かな。


わぁ!

スリーサイズもおれ好みに選べるの?

これはいいね。

おれは、ボンキュッボン!が好みだ。

でも、サイズってわからないな。

だいたいでいいのか?

たしか、有名なアニメのあの巨乳のサイズが……。

バスト99、ウエスト55、ヒップ88くらいだったような気がする。

これでいっか。


あとは、性格も選べるのか。

性格はやさしくて、おれの言うことを聞いてくれる子がいいな。

あったあった。

まじか。


じゃあ、これで終了かな?

じゃあ、ポチっと。


すると、なにも現れなかった。

あれ?

間違えたか?

エラーか?

もう一度画面をみた。


ピンポーン!


だれかが来たようだ。

だれだろう。


「アオイさま、わたしがでます」

「ありがとう」

「アオイさま、ご注文の品が届いたようです」

「え? ああ、宅配でくるんだ」


おれはドキドキしていた。

ナターシャは、大きな箱を受け取った。

おれは箱におれのコードがあることに気がついた。

これはおれじゃないと開かないようになっているんだな。

セキュリティだな。

おれは手首をコードに近づけた。

すると、箱のふたが開いた。


ウィーン!


ふつくしい~

わぁ!

全裸だ~


中には美しい女の子が入っていた。

まさしく、おれがポチった女の子だ。

まじで、巨乳だ。


女の子のお腹のあたりに画面があり、そこになにか文字が書いてあった。

そこには『名前を入力すると、起動します』と書いてあった。

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