第16話 秘密の扉見つけた

クレアとナイルが起きてきた。


「「おはようございます」」

「ああ、おはよう」


クレアが不思議そうに話しをしてきた。


「窓の外をみていたのですか?」

「ああ、今まで気づかなかったけどガラスがかわるんだな」

「はい、曇りガラスから透明のガラスにかわります」

「知らなかったよ」

「透明がよかったですか?」

「そうだな、たまには綺麗な風景を見たいからな」

「こちらの風景が綺麗なのですね」

「ああ、クレアはそう思わないのか」

「そうですね、水色の濃さが違うだけにみえますが……」

「まあ、たしかに……でも、見えた方がおれは好きかな」

「そうですか、ではこれからは透明ガラスにしておきましょう」

「そうだな」


クレアとナイルは朝食の用意をしていた。

おれはクローゼットの前にいき服を着替えた。


「アオイ、朝食の用意がでいました」

「ああ」


おれがリビングに行くとナターシャがきていた。


「アオイさま、おはようございます」

「ああ、おはようナターシャきていたのか?」


おれは席についた。


「では、食べようか」

「はい、いただきます」

「いただきます」


おれたちはみんなで朝食をとった。

そして、少し休憩した。


「よし、そろそろ花を摘みにいくか」

「はい」

「はい、よろしくお願いします」

「あと、扉も探したいと思っているんだ」

「はい、この間のところまで深く潜ってみましょう」

「ああ、ナイルよろしく頼む」

「はい、わかりました」


おれたちはマンションをでた。

そして、水上カーでナイルの花畑の陸まできた。


「では、いきましょうか」

「ああ」

「はい」


水の中に入った。

おれとナターシャはナイルの泳ぎについていった。

ナイルの泳ぎをみているとまるで人魚のようだ。

それが今日は一段とそう感じた。

昨日、お風呂でナイルの裸を見たりさわったりしたからなのか?

なぜかナイルが裸で泳いでいるように見えた。

おれは何を考えているのだろうか。

集中しろよ、おれ。


ナイルの花畑についた。

そして、各々花をやさしく摘み取った。

ナイルの花はとても色鮮やかできれいだ。

気のせいか花が咲いたあとのもちがいいように感じる。

なぜなら、昨日完全に開いていた花がいまだに綺麗に咲いているからだ。


「そろそろ、一度陸に上がりましょう」


おれとナターシャはうんうんと顔を上下にふった。

そして、陸のほうに泳いで水面にあがった。

ぷはっ。

ぷはっ。


「おふたりともだいぶ長く潜れるようになりましたね」

「ああ、そうみたいだな」

「そうですね、まだ大丈夫でした」

「ナイル、今日も100個作ればいいよな」

「はい、100個が限界です」

「そうだな」


そういうとおれたちはまた潜って花を摘んだ。

そして、摘み終わると陸にあがった。


「ナイル、このあと少し深く潜って扉を探そう」

「そうですね」

「この間、おれが倒れたところまで案内してくれるか?」

「はい、わかりました」


そういうとナイルは泳ぎ始めた。

おれとナターシャもついていった。

ナイルの花畑を通り過ぎ、建物も通り過ぎて深く泳いでいった。

おれは気づかないうちにだいぶ深く潜っていたんだな~


すると、四角いものがたくさん見えてきた。

泳いで近づいた。


あっ!

やっぱり、扉だ!


「アオイさん、扉です!」


おれはナイルに親指を立ててOKサインをだした。

でも、扉が多すぎる。

とりあえず、近くの扉を開けてみた。


ノブを回して扉をあけ、泳ぎながらくぐった。

すると、ただ反対側に泳いだだけだった。

でも、この中に必ず本物の扉があると感じていた。

ただの勘だけど……なんとなく……。


「アオイさん、すべての扉をあけてみますか?」


おれはOKサインをだした。

ナイルとナターシャも扉を開け始めた。

おれも次の扉を開けた。

なかなか本物の扉にたどり着けなかった。

ん~

ぜったいあるはずだ。


ふとっ、ある扉が目に入った。

扉の下に斜めになっているいかにも開けにくそうな扉が目にはいった。

おれは急いで泳いで近づき扉のノブに手をかけた。

そして、いままでの扉とは違う重みを感じた。

おれはノブをまわして扉を開けた。

扉の向こうは水ではない。


見つけた!

おれはふたりを手招きして呼んだ。

ふたりは驚いているようだ。

でも、嬉しそうにも見えた。

おれたちは扉の中に入った。


すると、息ができるようになった。

なんとも不思議だ。

扉の反対側には水は流れてこない。

まるで境界線があるかのようにはっきりと分かれていた。


「ナイル、ナターシャ大丈夫か?」

「「はい」」

「見つけたな」

「「はい」」

「でも、ここはいったい……」

「なんか、怖いです」

「そうだな」


おれは水上の都市に飛ばされて慣れているがナイルとナターシャは違う世界にくるのは初めてなのだから怖いのも無理はない。


あたりを見渡してみた。

人がたくさん歩いていた。


大きな塔が目に入った。

そこの頂上からオレンジの炎が見えた。

そして、なんだか熱い。


「おい、そこで何をしている?」


え?

振り返ると、女の子がいた!?

変わった服を着ている。


耳もとがっている?

耳がピクピク!動いた。


猫?

じゃないな。

しっぽを見たがしっぽが違う。

うろこのようなしっぽ。

しっぽがびよ~んと動く。


それに背中には羽らしきもの。

羽がばさっ!と開く。


おれは見たことがあるぞ。

この羽、いや翼を。


ドラゴン!?


「そう、ドラゴンだ!」


よく見るとみんなしっぽと翼がある。


「ここは、ドラゴン族が住む世界なんだ!」


「「えええええええええええ!!」」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る