概要
東京下町での心温まるお祭り小説
西堀五月は、浅草花川戸に住む、親分肌で気風が良い、二十九歳の看護師。
三社祭の町会神輿渡御の日、五月は女神輿の仕切り役を任される。花川戸町会事務所から、浅草寺宝蔵門を抜けて浅草神社に至るまで、神輿の進み具合の調整に、自ら神輿担ぎにと、奔走する。
猛暑の八月、妹の葉月が女の子を出産するが、魚鱗癬という皮膚疾患を持つ子だった。葉月の夫で医師の鵜飼匠と五月は、新生児集中治療室を持つ小児専門病院へ、救急車で赤ん坊を搬送する。赤ん坊の茜は二週間の命と宣告されながら健気に生き延び、家族の待ち受ける花川戸の自宅へ無事帰ってきた。
年が明けるが、茜はいつまでも片言も言葉を口にせず、笑いもしなかった。主治医から、茜が皮膚疾患に知的発育遅延を合併していると告げられ、五月らは悲嘆にくれる。
再び巡ってきた三社祭で
三社祭の町会神輿渡御の日、五月は女神輿の仕切り役を任される。花川戸町会事務所から、浅草寺宝蔵門を抜けて浅草神社に至るまで、神輿の進み具合の調整に、自ら神輿担ぎにと、奔走する。
猛暑の八月、妹の葉月が女の子を出産するが、魚鱗癬という皮膚疾患を持つ子だった。葉月の夫で医師の鵜飼匠と五月は、新生児集中治療室を持つ小児専門病院へ、救急車で赤ん坊を搬送する。赤ん坊の茜は二週間の命と宣告されながら健気に生き延び、家族の待ち受ける花川戸の自宅へ無事帰ってきた。
年が明けるが、茜はいつまでも片言も言葉を口にせず、笑いもしなかった。主治医から、茜が皮膚疾患に知的発育遅延を合併していると告げられ、五月らは悲嘆にくれる。
再び巡ってきた三社祭で