概要
ミダス王が触れるすべてが黄金に変わるようにその美少女に触れる男は死ぬ
「おお、生きてるぞ~」
顔を寄せた刑事が叫んだ。
その横で可不可が長い鼻を突き出していた。
ふたりの警察官に抱きかかえられて、棺桶からよろよろと立ち上がった。
掘り返された墓穴の横にもうひとつの棺桶が並んで安置されていた。
ここは山の斜面の墓地だった。
坂の下でパトカーの赤いランプがくるくる回っていた。
木立の隙間から川越市街の夜景がわずかに見えた。
・・・事件はそれだけでは終わらなかった。
警察は、鍬形の教会の祭壇の前に並んで置かれた二つの棺桶を見つけていた。
若い刑事がふたりの遺体と対面させてくれた。
それぞれの棺桶に、ウエディングドレス姿の桜子と白装束の義父の鍬形正義の遺体が収められていた。
【死人との結婚(最終章)から】
「生きたまま埋葬される!」
残された力を振り絞り、顔の上の板
顔を寄せた刑事が叫んだ。
その横で可不可が長い鼻を突き出していた。
ふたりの警察官に抱きかかえられて、棺桶からよろよろと立ち上がった。
掘り返された墓穴の横にもうひとつの棺桶が並んで安置されていた。
ここは山の斜面の墓地だった。
坂の下でパトカーの赤いランプがくるくる回っていた。
木立の隙間から川越市街の夜景がわずかに見えた。
・・・事件はそれだけでは終わらなかった。
警察は、鍬形の教会の祭壇の前に並んで置かれた二つの棺桶を見つけていた。
若い刑事がふたりの遺体と対面させてくれた。
それぞれの棺桶に、ウエディングドレス姿の桜子と白装束の義父の鍬形正義の遺体が収められていた。
【死人との結婚(最終章)から】
「生きたまま埋葬される!」
残された力を振り絞り、顔の上の板