概要
こことは少し違う世界の話。
その「地球」では昔から、雲と並んで空に浮かぶ大地が目撃されていた。
空を飛ぶ手段を手にした人々は、やがてその大地に降り立ち天空都市を築く。
日本も一つの浮かぶ大地に、天空都市『彩雲』を築いた。
人々にとってそこは、憧れのリゾート地。
空に天空鬼と呼ばれる、機械を食い散らす異形が現れるまでは。
天空鬼の脅威から逃れる為、地上との往来は廃止され、天空都市は文字通り空の孤島と化す。
それから更に十年。西暦2050年。
天空都市『彩雲』で、ある運び屋の噂があった。
彼らは『彩雲』から地上へ、人を送り届けてくれると言うのである。
天空都市からその身一つで飛び降り、天空鬼と戦いながら地上を目指す。
その名も、運び屋『藍銅
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!スピード感溢れる、真の友情。求めるは自由か
この作品は、封鎖された空に浮かぶ大地に住む人々が、地上への帰還を願うSFファンタジーです。
主人公のタイクウは、小さなことで後悔する性格の運び屋で、相棒のヒダカと共に、天空都市から地上へのダイヴを敢行します。
しかし、彼らの前には恐ろしい異形が待ち受けています。
作品の魅力はなんと言っても、タイクウとヒダカの関係性です。
二人のやりとり、ヒダカはぶっきらぼうながらもタイクウの絶妙な軽快さが心を惹きつけるのです。
また、アクションもスピーディーでハラハラ。スワイプする手を止める事が出来ずに一気読みしてしまいました。
表現力も高く、空の風景や異形の描写は、目に浮かぶようでした。
そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!後悔するかって?さあ、飛び込めばわかるさ
地上と分断された天空都市
分断された理由は、機械が大好物な凶暴で凶悪な異形たちがいるから。
天空都市からの脱出が絶望的な世界で、
どうやら地上行きの「運び屋」がいるらしい。
そんな、運び屋のコンビ、タイクウとヒダカが依頼人と出会うところから始まるお話。
そんな二人が地上に向かって、天空都市から決死のダイブ、しかもダイブしながらその異形たちと戦うというダイナミックなアクションを楽しめます。
世界観もファンタジーとしてのワクワク感もありつつ、食糧難であったり、分断されたことによる問題等も繊細かつ現実的に書き込まれています。
このお話は世界観もアクションももちろんすごいですが、それだけではあり…続きを読む - ★★★ Excellent!!!タンデムジャンプは片道切符。どうか後悔のない選択を。
空に大地が浮かぶ地球のような世界を舞台に、機械を食べる化け物が住んでいる空をダイブ!最初に設定を読んだ時に目が眩みました。かっこよすぎる……!
今回のバディは運び屋。天空都市彩雲から地上へ運ぶものは、人。天空鬼の出現で地上と彩雲の行き来が困難になってしまった今、地上へ戻りたいと願う依頼人を送り届けられるのは彼らだけ。
だけど、タンデムジャンプは片道切符。彩雲よりも地上が素晴らしい場所とは限らない。戻ることはもちろんできないし、道中には機械も人間も食らう天空鬼が犇めく。文字通り決死の覚悟で臨まなければならない。だからこそ、後悔のない選択をしてほしい。飛ぶもよし、飛ばぬもよし。それを決めるの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!スカイダイビングしながら高速バトル!? 彼らの「選択」を見届けろっ!
日本の上空に浮かぶ天空都市『彩雲』。かつては地上と天空を人々が行き来していたが、天空鬼という異形が現れたことで、人や物の往来がストップしてしまう。しかしその十年後、危険な空を飛び降りて、人を地上へと送る運び屋の噂がささやかれていた――。
運び屋を経営するのは、二人の青年――タイクウとヒダカ。彼らが依頼人を地上へ送り届ける方法は、なんと身ひとつでのスカイダイビング。空で待ち受ける天空鬼を、高速で落下しながらバッサバッサと倒していくというバトルスタイルはスピード感がありカッコよさ抜群です。
優しいタイクウと当たりのキツいヒダカ、性格の異なる二人の関係にも注目です。小さなことでクヨクヨ後悔する…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「後悔」が繋ぐ絆。後悔するかしないかは自分次第!
天空都市から人を運ぶ運び屋「藍銅鉱」。
その唯一のメンバーであり、バディを組むのがヒダカとタイクウ。
まずはこの二人の関係がとても尊い。
過去に同じ時同じ経験から「後悔」という気持ちで繋がった二人。
それでも前を向くと決め、今でも同じ責を負う二人にはぐっときます。
物語の中は近未来的で、しかしどことなく懐かしさを感じる作者様独特な世界観作りがとても好きです!
まだこの物語には神髄が隠されているようで、ヒダカとタイクウがどのように未来を進んでいくのか。
続編を期待しております!
そして私はヒダカ推し!
自信過剰で口が悪いけど、それは陰に隠れた努力があるのだと、読んでいてわかります。
今…続きを読む - ★★★ Excellent!!!何度後悔しても立ち上がれるのは、同じ痛みを分かち合う友がいるから。
主人公タイクウと相棒のヒダカ。
二人が抱える「後悔」があるからこそ、今を生きるための原動力になっているような気がします。
本文でも触れられていますが、後悔とは二つあると思います。
やったことに対しての後悔。どうしてあんなことをしてしまったのだろう。
もう一つは、やらなかったことに対しての後悔。なぜ、あの時ああしなかったんだろう。
人類が空と地上に、否応なしに分かたれてしまった世界で。
敢えて命の危険を冒し、人々の分かたれてしまった絆を繋ぎとめる仕事をしている二人は、とても尊くて美しい。
彼らの後悔はきっと、異形「天空鬼」がいなくなるまで続くのでしょう。
けれど後悔することを恐れず、前を向…続きを読む - ★★★ Excellent!!!尊いバディによる、満足感たっぷりの物語!
文字数制限がある中で、この世界観、この人間関係! 綺麗に纏まった、満足感たっぷりの物語です。
舞台は近未来感漂う、私たちの地球とは少し違う世界。天空都市と地上を繋ぐ運び屋の物語です。
といっても、普通の運び屋ではありません。この世界では航空機が使えないので、なんと地上に向けてダイブします!
なぜそんなことを? どうやって帰るの? と思われた方、ぜひ読み進めてみてください。
さて、本作は推しメンコンテスト参加作だけあり、キャラクターもとっても魅力的。
穏やかなタイクウとちょっと口の悪いヒダカの、凸凹だけれど、どこか微笑ましいやり取りにほっこりします。
一方、徐々に明かされる二人の過去に、胸…続きを読む - ★★★ Excellent!!!願いを護りて道を拓け。尊さ煌めく運び屋バディのSFバトルファンタジー!
推しメンコンテスト参加作ということで、メイン二人の関係性が軸になっているSFファンタジーです。
口が悪く好戦的なヒダカと、のんびりした優しい気質のタイクウ。二人が運ぶのは、天空都市に取り残され地上へ帰れなくなったという依頼人なのですが、その方法が実にアクロバティックなのです。
なぜ帰れないかというと、世界は航空機が一切使えない状況に陥っているから。
天空都市と地上の間には機械を食する異形が棲んでおり、天空鬼と呼ばれるその怪物には戦闘機すら敵わない。地上へ行く手段は現状、「飛び降りる」しかない。
しかし、奴らが狙うのは機械だけではありません。地上へ向かうのは、群れなす異形を文字通り…続きを読む