この作品は、封鎖された空に浮かぶ大地に住む人々が、地上への帰還を願うSFファンタジーです。
主人公のタイクウは、小さなことで後悔する性格の運び屋で、相棒のヒダカと共に、天空都市から地上へのダイヴを敢行します。
しかし、彼らの前には恐ろしい異形が待ち受けています。
作品の魅力はなんと言っても、タイクウとヒダカの関係性です。
二人のやりとり、ヒダカはぶっきらぼうながらもタイクウの絶妙な軽快さが心を惹きつけるのです。
また、アクションもスピーディーでハラハラ。スワイプする手を止める事が出来ずに一気読みしてしまいました。
表現力も高く、空の風景や異形の描写は、目に浮かぶようでした。
そして、最大の見せ場は『タイトル回収』に尽きます。
その感動は是非、作品をご自身の目で確かめてください。
地上と分断された天空都市
分断された理由は、機械が大好物な凶暴で凶悪な異形たちがいるから。
天空都市からの脱出が絶望的な世界で、
どうやら地上行きの「運び屋」がいるらしい。
そんな、運び屋のコンビ、タイクウとヒダカが依頼人と出会うところから始まるお話。
そんな二人が地上に向かって、天空都市から決死のダイブ、しかもダイブしながらその異形たちと戦うというダイナミックなアクションを楽しめます。
世界観もファンタジーとしてのワクワク感もありつつ、食糧難であったり、分断されたことによる問題等も繊細かつ現実的に書き込まれています。
このお話は世界観もアクションももちろんすごいですが、それだけではありません。
タイクウ、ヒダカも、依頼人も、登場人物それぞれの、葛藤や選択が美しい描写と共に書かれており、ヒューマンドラマとしてもとても面白いです。
お互いの掛け合いも、丁寧に書かれているため、ついついうるっときてしまいます。
とにかく、涙あり、笑いあり、ワクワクも詰まった作品です。
後悔はさせません。
さあ、皆で、この作品に飛び込みしましょう。
空に大地が浮かぶ地球のような世界を舞台に、機械を食べる化け物が住んでいる空をダイブ!最初に設定を読んだ時に目が眩みました。かっこよすぎる……!
今回のバディは運び屋。天空都市彩雲から地上へ運ぶものは、人。天空鬼の出現で地上と彩雲の行き来が困難になってしまった今、地上へ戻りたいと願う依頼人を送り届けられるのは彼らだけ。
だけど、タンデムジャンプは片道切符。彩雲よりも地上が素晴らしい場所とは限らない。戻ることはもちろんできないし、道中には機械も人間も食らう天空鬼が犇めく。文字通り決死の覚悟で臨まなければならない。だからこそ、後悔のない選択をしてほしい。飛ぶもよし、飛ばぬもよし。それを決めるのは依頼人だ。
タイトルにも「ノーリグレット」とあるように、作品を通して「後悔」というワードを一つのテーマにされてる。相棒から「後戻り野郎」と言われるほど小さなことで後悔ばかりしているタイクウ。彼が言う「後悔」が何を差すのか、物語のラストで明らかになります。
そしてタイクウのバディであるヒダカの空中戦闘がとにかくカッコいい。ダイブしている最中だからスピード感もあるし、虎の子の一発であるビームも最高。何よりこの空中戦を違和感なく書き上げられる作者様の力量に脱帽。すごいものを見せていただきました。
これは個人的な解釈ですが、物語を読み進める時の感情の揺れ方が少し特殊な印象を受けました。序盤は世界観に対するワクワク、中盤は依頼人とバディの人間性にドキドキ、そして目玉でもあるタンデムジャンプにハラハラ。このハラハラが本来クライマックスのはずなのです。ですが、物語は依頼人を地上に送り届けて終わりではありません。二人はまた彩雲へ帰らないといけないのです。ここからラストにかけての切なさが秀逸でした。あまり感じたことのない感情のジェットコースターに素直に感動しました。読めばわかる。読まねばわからぬこの感覚。
推しメンコンテスト受付最終日に素敵なバディと出会えたことに感謝を。素晴らしい作品をありがとうございました!スタイリッシュでエモい、おススメの推しメン作品です。ぜひご一読ください!
日本の上空に浮かぶ天空都市『彩雲』。かつては地上と天空を人々が行き来していたが、天空鬼という異形が現れたことで、人や物の往来がストップしてしまう。しかしその十年後、危険な空を飛び降りて、人を地上へと送る運び屋の噂がささやかれていた――。
運び屋を経営するのは、二人の青年――タイクウとヒダカ。彼らが依頼人を地上へ送り届ける方法は、なんと身ひとつでのスカイダイビング。空で待ち受ける天空鬼を、高速で落下しながらバッサバッサと倒していくというバトルスタイルはスピード感がありカッコよさ抜群です。
優しいタイクウと当たりのキツいヒダカ、性格の異なる二人の関係にも注目です。小さなことでクヨクヨ後悔するタイクウと、そんな彼を叱りつつフォローするヒダカ。なんだかんだで仲の良い二人の日常のやりとりは、読んでいてほっこりしました。
また、依頼人を地上へ運んで、物語はハッピーエンドになるかと思いきや、思わぬ方向へ……。衝撃的な展開に驚き、物語のキーワードとなっている「後悔」やタイトルの意味を知ることになります。
迫力のバトルあり、魅力的なキャラクターあり、重厚なストーリーあり。中編だとは思えない読み応えたっぷりな物語です。
ぜひ、最後まで読んでみてください!
天空で行われる派手な空中戦。丁寧な心理描写。軽妙かつ重厚なコンビ関係の描写に脱帽です!
以下、簡単なあらすじです。
空に浮かぶ都市『彩雲』。
人類が新天地として選んだその天空都市はリゾートとして発展していた。
だが、あるとき上空に機械を食らう異形、天空鬼(スカイデーモン)が出現したことで地上との繋がりが途絶えてしまう。
『彩雲』に住む人々が地上に行くためには、危険な天空鬼の住む空中を通って降下しなければならない。
その『彩雲』で、ヒダカとタイクウはその彩雲で運び屋〈藍銅鉱〉を営んでいた。
今回の依頼人は御笠夕陽。父が亡くなってしまい、夕陽は地上に行くことを望んでいるが……
主人公の青年二人は運び屋ですが、いったい『何を』『どこへ』運ぶのか。
まずそこからこの物語の特徴があります。舞台を巧みに活かした設定でグンッと物語に引き込まれます。
個人的に凄いと思うのは、舞台である空に浮かぶ『彩雲』の描写。
光合成を効率良く行うための街路樹。そして地上との繋がりが途絶えたため、お菓子や酒、鮮魚や肉、そして嗜好品が手に入りづらいという設定。
こうした細かい設定が特異な舞台に臨場感を与えてくれます。
そして! この物語の最たる特徴は、ヒダカとタイクウが天空鬼を相手に繰り広げる空中戦です。
自由に空を飛び回りながら戦うバトルは某ド○○○○ールなどで目にしますが、本作の空中戦は空から地上へと降下しながら行われるのです。
これはかなり斬新な設定だと舌を巻きました。
派手でありながら精緻な描写により、華麗な空中戦が目に浮かぶように楽しめます。
命のやり取りをしているなかでもヒダカとタイクウの洒脱な会話にも笑いを誘われ、素晴らしい出来に仕上がっています。
さすがの一作。お見事です!
天空都市から人を運ぶ運び屋「藍銅鉱」。
その唯一のメンバーであり、バディを組むのがヒダカとタイクウ。
まずはこの二人の関係がとても尊い。
過去に同じ時同じ経験から「後悔」という気持ちで繋がった二人。
それでも前を向くと決め、今でも同じ責を負う二人にはぐっときます。
物語の中は近未来的で、しかしどことなく懐かしさを感じる作者様独特な世界観作りがとても好きです!
まだこの物語には神髄が隠されているようで、ヒダカとタイクウがどのように未来を進んでいくのか。
続編を期待しております!
そして私はヒダカ推し!
自信過剰で口が悪いけど、それは陰に隠れた努力があるのだと、読んでいてわかります。
今後の活躍をぜひとも見たい!
『ノーリグレットチョイス』の中でワクワクとロマンと尊いバディをぜひ体感ください!
主人公タイクウと相棒のヒダカ。
二人が抱える「後悔」があるからこそ、今を生きるための原動力になっているような気がします。
本文でも触れられていますが、後悔とは二つあると思います。
やったことに対しての後悔。どうしてあんなことをしてしまったのだろう。
もう一つは、やらなかったことに対しての後悔。なぜ、あの時ああしなかったんだろう。
人類が空と地上に、否応なしに分かたれてしまった世界で。
敢えて命の危険を冒し、人々の分かたれてしまった絆を繋ぎとめる仕事をしている二人は、とても尊くて美しい。
彼らの後悔はきっと、異形「天空鬼」がいなくなるまで続くのでしょう。
けれど後悔することを恐れず、前を向いて今日も空を飛ぶ二人の姿に勇気づけられます。
文字数制限がある中で、この世界観、この人間関係! 綺麗に纏まった、満足感たっぷりの物語です。
舞台は近未来感漂う、私たちの地球とは少し違う世界。天空都市と地上を繋ぐ運び屋の物語です。
といっても、普通の運び屋ではありません。この世界では航空機が使えないので、なんと地上に向けてダイブします!
なぜそんなことを? どうやって帰るの? と思われた方、ぜひ読み進めてみてください。
さて、本作は推しメンコンテスト参加作だけあり、キャラクターもとっても魅力的。
穏やかなタイクウとちょっと口の悪いヒダカの、凸凹だけれど、どこか微笑ましいやり取りにほっこりします。
一方、徐々に明かされる二人の過去に、胸がきゅっと締め付けられるような切なさも味わえます。
タイトル通り「後悔」がキーワードとなりますが、二人が何を考え何を願って日々行動しているのか、一つ大きな軸が通っており、納得感のあるストーリー展開です。
また、臨場感満載の空中戦や特徴的な世界の描写に引き込まれ、気づけば一気に読み進めてしまうでしょう。
ぜひ多くの方にお読みいただきたいです!
推しメンコンテスト参加作ということで、メイン二人の関係性が軸になっているSFファンタジーです。
口が悪く好戦的なヒダカと、のんびりした優しい気質のタイクウ。二人が運ぶのは、天空都市に取り残され地上へ帰れなくなったという依頼人なのですが、その方法が実にアクロバティックなのです。
なぜ帰れないかというと、世界は航空機が一切使えない状況に陥っているから。
天空都市と地上の間には機械を食する異形が棲んでおり、天空鬼と呼ばれるその怪物には戦闘機すら敵わない。地上へ行く手段は現状、「飛び降りる」しかない。
しかし、奴らが狙うのは機械だけではありません。地上へ向かうのは、群れなす異形を文字通り切り拓く命懸けの行為なのです。
息を呑むような上空の美しさや、息が詰まるような天空鬼とのバトル、そして彼らが抱える後悔と願い。
30,000字ほどで完結しております。ぜひご一読ください。
空に浮かぶ大地がある世界。物語はその中の一つ、日本領空上の天空都市「彩雲」から始まりを告げる。
そこには、天空都市から地上へと「帰れなくなった」人たちを運ぶ二人組の運び屋がいるのだ。
タイクウとヒダカという彼らは、その身一つで依頼人を地上へと送り届ける。
なぜ、ヘリでも飛行機でもないのか。
そもそも地上に帰れなくなったのはどうしてか。
理由は簡単で、人が空に進出することを阻むように現れた機械を食べる異形――天空鬼のせいである。
戦闘機すら歯が立たないその化物に対抗するため、彼らはあえて生身で大空へとダイブする。
超高高度から挑む空の描写や天空鬼との戦闘は圧巻で、迫力満点! また、空から見た地上の美しさが素敵で、思わずスカイダイビングに行ってみたくなります(でも同時に、大地に足がついてる生活って素晴らしいなーとも思っちゃいます)。
作品タイトルの通りにもなっている、ことあるごとに後悔してしまう心優しい性格のタイクウ。獰猛だが根は面倒見の良いヒダカ。
「後悔」を軸にして二人が織りなすバディアクションを、ぜひ秋晴れの青い空と共に読んでみてはいかがでしょうか。