第20話 その後~マエル&ロゼSide~ 俯瞰視点

「マエル、ロゼ君。おめでとう!」

「ロゼちゃん、マエル。おめでとうっ」

「マエルお兄様、ロゼ様っ。おめでとうございますっ」

「「「「「ご結婚っ、おめでとうございますっ!」」」」」


 アメリ、ベル、トム、セレステ。4人があのようなことになってから、およそ半年後――。王立サンフーレス学院で卒業式が開かれた、その2日後のことでした。ザルテーラス領内にある教会ではマエルとロゼの結婚式が行われており、2人はマエルの両親、妹、両家の親族によって投げられたライスシャワーに包まれていました。


 ロゼはセレステが焦るほどに評判が良く、実際に澄んだ心の持ち主です。


 そのためマエルの父ジョン、母メリッサ、3歳下の妹フェリアに温かく迎えられており、そんな新たな家族たちによって祝福をされていました。


「父上、母上、フェリア、そして皆様。感謝いたします」

「ジョンお義父様、メリッサお義母様、フェリアちゃん。皆様。感謝いたします」


 この国では誓いのキスを終えた後にライスシャワーが行わるようになっていて、つまりこれが結婚式を締めるイベントでした。そのため2人は手を繋いで参加者を揃って見回し、仲良く一礼を行います。

 そうして改めて、この場の全員に謝意を告げ――。それが終わると2人は、


「ロゼ。失礼します」

「はい……っ。よろしくお願い致します」


 マエルがロゼを、優しく抱き上げお姫様抱っこ横抱きにします。そうしてタキシード姿とウェディングドレス姿のままザルテーラス家が用意した馬車に乗り込み、とある場所を目指します。


「父上、母上。16時までには必ず戻ります」


 式が終わってもイベントはまだまだ続き、このあとは結婚を祝したパーティーが開かれることとなっています。にもかかわらず、恐ろしくタイトなスケジュールとなってしまうにもかかわらず、参加者達に見送られて出発をしたマエルとロゼ。

 そんな2人が向かうのは――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る