第16話 真実 アメリ視点(2)
「調査をしてみたら、君達はセレステ・ニフェエルと――本性は性悪な怖い怖い侯爵家令嬢と、手を組んでいると分かった。そこでセレステの性質を活かして、面白い状況を演出してみたんだ」
…………。思った通り、だった……。
あれは――わたしに煽ったり脅迫をさせたのはっ! こうするためだったんだ……!!
「折角だから、これまでの行動を全て教えてあげようか。……ロゼを止めて動き出した僕は、まずはイヤリングを贈った。アンジェリーナ様名義でね」
「!! イヤリングって、あの薔薇のイヤリング!? あれはマエル様からのもの!?」
「僕が贈っていたら、流石に奪えないからね。旧友の名を拝借して、店で一番高価なものを贈っていたのさ」
わたしが興味を持つようにして、わたしはまんまと興味を持っちゃって……。翌日学院につけていって、っっ!!
「気付いたみたいだね、そうだよ。アンジェリーナ様と会って、イヤリングを知っていたのも嘘。大勢の前で君を激しく慌てさせたかったから、ああ言っていたのさ」
わたし達は、お姉様にイジメられているという噂や証拠を用意していたから……。それが無駄になるように……。わたしに、お姉様大好きと繰り返させた……。
「そうすると水面下で進めていた計画が破綻し、セレステは怒る。怒ったセレステは何とかしろと言い出し、けれどこの状況下でセレステの希望を満たしつつ――ロゼの評判を下げつつ目標を達成する手段なんて、見つかるはずがない」
そのタイミングで、出てきて……。わたし達は縋るしかないから……。あのように言って、動かした……。
「ただでさえ不機嫌になっている時に反故に、しかも格下の人間があんなにも強気に出てきたんだ。そりゃあ爆発するよねぇ。狙われるように、なるよねぇ」
「っっ!! よくもぉっ!! よくも騙したわねぇぇ!!」
「わたし達は、信じてたのにっ! よくも……っ! よくもぉぉぉぉ――」
「ベル、アメリ。そのまま僕に掴みかかれば、正当防衛が成立する。激痛で転がり回ってもいいのであれば、続けるといいよ」
飛び出そうとしていたら、後方で控えていた従者の目つきが鋭くなった。
なので…………。わたし達は唇を噛んで、怒りを抑え込んで、ソファーに座って……。そうしたら、マエルは嘲笑いながら口角を吊り上げて――
「ベル、アメリ、よく我慢できたね。じゃあそのご褒美として、君達に2つの選択肢を与えようじゃないか」
右の人差し指と中指を、立てた。
せんたく、し……?
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