④
「…で、その性欲処理を、僕にさせたわけだ?」
「だぁら、仕方ねぇだろ~!どっちかって言うと俺のが被害者だしさ~?」
あれから兄貴達の情事の音を、30分位聴き入ってしまい。
我に返った俺は、
たまらず春流の元へやって来たのだが…。
事の顛末を、洗いざらい吐かされれば。
案の定、不機嫌になっちまった…春流。
「ヒドいよね~いくら寝呆けてたからって、僕とお兄ちゃん間違えちゃうなんてさ?」
キスしまくって赤く熟れた唇を尖らせて。
そっぽを向く春流を、背中から抱き寄せる。
勿論エッチの後だから纏うもんもなく、
肌の熱がじんわり伝わってきた。
「春流、悪かったって。な…?」
「もう、しょうがないなぁ…」
そう言って振り返った春流が眼で誘うから。
もう一度その身体を、ベッドへと押し倒した。
余談だが、兄貴と夏津さんの喧嘩の原因てのが…
兄貴が他校の女子高生から、告られた事らしく。
その女が大胆にも不意打ちで、兄貴にキスしちまいやがって。その現場を、運悪く夏津さんが目撃したそうで…。
カッとなった夏津さんは、兄貴の話しに聞く耳持たず。3日間、殆ど口も聞かないで避けていたんだと…春流から聞かされた。
「まぁ結局、お兄ちゃんの早とちりだってわかったし。ふたりともラブラブだからね~。」
「ふ~ん…。」
確かに一番とばっちりを喰らったのは、俺なわけで。
あの後も、きっちり兄貴から制裁まで受けたんだけど…な。
(結構ヨかったんだよなぁ~…夏津さんとの────)
年上の色気とか、積極的なところとか…。
ぼんやりとあの時の感触を思い起こしていたら。
「せ・い・じ・く・ん?」
「うおっ…!!」
俺の目前で、冷ややかに睨む春流の姿。
ヤベ…もろ顔に出てたみたいだ。
「何を想像してたのかなぁ…?そんなヤらしい顔して!」
「ま、待て…違うんだってば…」
「何が違うってのさ?もう晴二君なんて知らないから!」
「仲良いな、アイツらも。」
「ふふ、ホントだね~。」
今度は誰の番かしら?
×××
仲直り、シよ?
happy end?
BL短編置き場。 祷治 @jmjmjm1046
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