②
「なぁ、兄貴…答えろよ。誰の名前呼びながら、自分のを慰めてたのかさ…」
「あ…!ちがぁ…」
腕を掴み、耳元で熱く囁く。
途端に兄貴は顔を真っ赤に染めて。
びくんと肩を揺らし、壁際へと逃れようとするから…
意地でも離してやらねぇよ。
俺だってここまで散々…待たされてきたんだからな?
「ちょ、離せよッ…」
「ムリ。兄貴がちゃんと答えるなら…考えるけど?」
まだ抗おうとする兄貴は、泣きながらも懸命に兄貴ぶって睨み付けてくる。
ひょろひょろなクセに、力で俺に敵うわけないのにな…。
そういう反抗的なのも悪かないが…。
こっちとしてはもう、我慢の限界なんだけど。
「兄貴さあ…誤魔化してもムダだって…」
だから素直になれよ…
そう目を見て告げれば。兄貴は真っ赤なそれで、俺を見上げてきて。
ゆらゆらと、葛藤してるのがよく判る。
「毎晩聞こえてくんだよな…。兄貴が何度も俺の名前呼びながらさ、」
ヤラシイコトしちゃってんのなんか、最初っからお見通しなんだよ。
その声オカズに、俺も何回イッたことか。
けど全然足りやしねぇ。
仕方なく適当な女で処理したって満たされる事はないし。
それは兄貴だって同じハズだろ?
「ホラ…吐けよ、兄貴…」
「ッ…!」
スレスレまで顔を近付け、命じる。
兄貴はなんだかんだ俺には甘いし、強く出れない弱みがあるから…。こうしてお強請りしてやれば、拒む事なんざ出来やしないんだ。
「誰だっけ?兄貴のオカズに、なってんの…」
「あ、う…」
もうお互い限界なんだ。
仕方ないだろ?
現実的に取り繕ってみても、不自然でしかない。
意地張って兄弟ぶってみても、それは仮初めでしかねぇんだから。
「お、俺は…お前をッ…」
「ん…俺を想像して、何シたの…?」
「自分のを、擦って…」
「知ってるよ…。俺に突っ込まれんの想像して、後ろも弄って…何回もイッてたんだよな?兄貴は…」
トスンと力無い兄貴を押し倒すと。
困惑の中に、期待するような色を…瞳に映し出してくれる。
分かり易くて単純な兄貴。
そういうトコが、愛おしくて堪らねぇよ…
「俺もさ、兄貴が俺の下でヨがってんの想像してさ…」
壁一枚向こうで右手汚してた。
たまに女抱いて、ソイツ兄貴にすり替えてさ。
コレが本物だったらって、考えただけでスッゲェ興奮するんだ。
「そ、それって…」
兄貴の震える手が、俺の服を掴んでくる。
ここまでくれば、いくら鈍い兄貴でも理解出来たはず。
勿体ぶるのはお終いだ。
俺は兄貴が欲しくて仕方ねぇんだから。
「兄貴は…俺にどうされたい?」
叶う事はないと決め付けて、右手で満たしてきた身体。
本当は俺に、触って欲しかったんだろ?
「お、俺はっ…お前に─────」
漸く本音を晒け出した兄貴の唇を、その言葉ごと食らい尽くす。
初めてだと言っていたキスに、一瞬戸惑う兄貴だったが…。
そこは男。
すぐ本能に従い、俺の背に腕を絡めてきた。
もう、逃がさねぇからな。
血を分けた家族だろうが関係ない。
それが実の兄で、男だとしても。
兄貴はそれを気にして、今まで隠そうとしてたみたいだったが。
そんな事、俺が認めやしねぇよ。
「望み、叶えてやるよ。」
「あっ……!」
兄貴が泣いて許しを請うくらい、ドロドロに。
絆して愛して、俺しか見えないくらい骨抜きにしてやるから…
全部、受け止めろよ。
「たっぷり可愛がってやるから…」
「…ゃ……ッ…」
なぁ、兄貴?
happy end…?
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