(たく、仕方ねぇな…)




「んンッ…」


二人布団に潜り込んだまま、手探りで顔まで辿り着き。顔に掛かる吐息を感じ、近付いて奪う。


すぐに春流がしがみついてきたから。

舌を捻込み、互いのソレを絡め溶かすようなキスをお見舞いする。


そうすれば互いの中心が、見る間に膨らみを増すのが分かって…



なんか、変なカンジ。







「ふぁ…んンッ……!」


クチュリと夢中になってキスに溺れる。

唾液が口端に垂れるのも構わず、妙に積極的な春流につい押され気味になりつつも。


負けじとその甘美な唇を、堪能しまくった。







(なんか、いつもと違うな…)


もう何回重ねたか判らない、ソレ。


初夜を迎えた日から、遠慮なくアイツを組み敷いてきたけれど。

アイツはいつまで経ってもあの夜そのまんまで…。

キスも遠慮がちで、辿々しい感じがしてたんだ。



性欲で掻き立てられ、

うっすら戻りつつある意識で気付いたのは…






(あれ…足…)


俺の身長は成長して176。

対して春流は未だ160にも満たなくて。


今は同じ位置に顔があって。

キスの真っ最中なわけだから、春流の足がこんな長いわけないんだけどな…?







(ん?夢か?)


やべー…寝呆けてんのかな、俺。

でもキスしてなんだか、ふわふわしてるし気持ちいーし…


てかやめらんねぇじゃん、コレ。









「んっ、ァ…ふぅ…」


ホント今の春流は、らしくない。

半ベソかいてんのか、啜り泣くように必死でしがみついて離さねえし。声も色気ムンムンしてっし…


ついでに股間はカッチカチ。

こりゃ堪んねぇっしょ?






「ンンッ──────…!!」


口と口で繋がったまま、春流の上に覆い被さる。

恋人にここまで煽られて、発情しねぇ男はいないだろう。



俺は自ら理性を放棄して。

このケダモノの手を、春流の滑らかな肌へと這わせた。


その時、息つくほんの少しの間に互いの唇が離れて────…






「陽一…」


ん?ヨーイチ……………誰?俺?


聞き捨てならない名で呼ばれ、

俺の思考が一時停止した瞬間。






「ぐぇっ…!!」


俺の身体が、布団ごと吹っ飛ばされた。





「っ…てぇ……」


思い切りタンスに肩をぶつけ、

布団に絡まりながら悶絶する俺の遥か頭上から。






「てめぇ…人のモンに何してくれてんだ…あ?」



最恐の破壊神が、ここに降臨した。

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