「おまッ…いきなりソレて、どがんなっとっとやッ…」


ハァと熱い息を吐き、修治が顔を歪める。

それは勿論、苦痛によるものではなく…





「んふ…らって、気持ち良かやろ?」



ヤラシクも彼の下半身に顔を埋めている、絢斗が与える快楽によるものだった。





「キスの次がフェラとか、聞いた事なかぞっ…」


初めて体感する口内の心地好さに。

修治は一気に加速する昂りを、なんとか抑えつける。


絢斗に求められ、自身もまた恋人への性欲に駆られ、人知れず始まった行為は。包容から深い口付けと連鎖し…


何故だか今、こうして絢斗にをしゃぶられる流れとなってしまった。




それは彼がそれなりの経験者であり。

初心者な修治にとっては、手探りでしかなかったが故の必然的な流れなのだが…男として人一倍プライドが高い修治にしてみれば、腑に落ちない状況でしかない。


といっても、絢斗にされる行為が嫌なわけでもないのだが…。






「ン…ふぁ…はぁ…」


無我夢中で自身の性器に舌を這わしてくる絢斗を、吐息混じりに見下ろす。


くしゃりとその柔らかな前髪を、手櫛で掻き上げてやれば…絢斗は紅潮する頬を緩め、潤んだ瞳で修治にはにかんだ。


瞬間、心奪われた修治の中心がドクリと質量を増す。






「なあ修治、気持ちよか…?」


「…ああ」


くわえたまま問う絢斗に、余裕ぶって答える修治。


すぐにでもイキそうになるのを堪えていると。

絢斗の体がモゾモゾと揺れているのに気が付いた。

表情もなんだか切なげなものになっていて…





「修治ィ…オレも我慢、出来きんくなってきた…」


ちゅるりと溢れる先走りを吸い上げながら、絢斗がねだるよう告げてきて。次にはガチャガチャと、自身のベルトに手をかけ始める。




「ちゃんと…修治のもすっけんが、オレもシてよか…?」


大好きな人と待ちに待った性行為に。

タガが外れてしまった絢斗は、下着から勃起したモノを取り出しゆるりと扱き始める。



そんな恋人の乱れように興奮を覚えた修治は…

自分のナニをしゃぶる彼の頭を、ゆっくりと引き剥がした。


何事かと、絢斗が不安げに見上げてくる。






「なら…お前のは、俺がしてやっけんが…」


立てと腕を引かれ、でもと修治と彼の下腹部とを見比べる絢斗。


やっぱり気持ち良くなかったのか、それとも真面目な彼にとってフェラという行為が軽率だったのか…絢斗が頭の中でぐるぐる思考を巡らせていると。


修治は跪く絢斗の腕を引っ張り上げると、その胸に抱き寄せた。

瞬間…露出した猛り同士がグチュリとぶつかり、絢斗は甘く声を漏らす。






「ああッ…」


きゅむっと自身を手に掴まれ、悲鳴を上げた絢斗の耳元に。修治がはぁ…と吐息混じりに囁く。






「お前は俺が気持ち良くしてやっけんが…」


お前はこっちな、と…言われて取られた手を自分の勃起したモノへと導いてきた修治。


今まで見せることのなかった、修治の本能的な姿に。絢斗は堕ちそうになる反面、嬉しさで泣きそうになるのを必死で堪えた。





「あ、ンンッ…修治ィ、気持ちイよぉっ…」


「は…お前その顔、エロ過ぎやっぞ…」


「ばっ…てん、修二とエッチなこと、しよっとやもん…しょうがなかたい…」


「チッ…」



夕暮れの学校、静まり返った階段の陰で、やけに卑猥な音が響き渡る。


ピチャピチャと互いのナニを扱く音、口から漏れる吐息や喘ぎ声…鳴り出したチャイムが更に背徳感を煽って。


イケナイ行為をよりエスカレートさせていった。






「修治も、ヤバかよ…」


エロくてカッコイイ…

誉め言葉かは微妙だったが、絢斗が言うならば悪い気はしない修治。


むしろ掠れ声で直接耳元で囁かれて。

興奮に掻き立てられる雄が、バカみたいに脈打った。




勢いに飲まれ、修治が普段はまず自らしてこないようなキスをしてくる。


それはぶきっちょでいてデタラメだったけれど。

他の誰とするものより遥かに気持ち良くて…充たされる想いに絢斗もまた、酔いしれるのだった。






「」ふは…修治、そろそろイキたかとやないッ…?」


経験者の余裕とばかりに。

握り締めた修治の先端を、グリグリと指の腹で弄り始めた絢斗。瞬間走る快感の一波に、修治はグッと歯を食い縛り堪えてみせて。


切なげに表情を歪める彼に対し、絢斗は悪戯な笑みを浮かべる。






「お前かって…かなりヤバそうやっか…」


「んあっ!ソレはんそ、くばいっ…」



玄人ぶる幼なじみが気に食わない修治は。

仕返しとばかりに、絢斗のナニをグチリと一層強く握り締め、扱き上げる。


急に強められた圧迫に、絢斗は思わず身体を仰け反らせて…無意識にも悲鳴を上げてしまった。


今度は修治が勝ち誇った笑みを見せ付ける。






「も、ズルかばい…そげんヤラシか顔ばして…」


3ヶ月も頑なだったくせに…。

ちょっとしたきっかけひとつで、こんなにも本能的になるだなんて。


あんなに硬派でウブだと思ってた修治が、今は自分の性器を扱き一緒になってオナニーなんかしてる。



まさかここまで進展出来るとは、絢斗自身も想定外だったけれど…。







「修治ッ…もっと、シて…」


「チッ…上等やっか…」


この生々しいな行為は、紛れもない現実なんだって。それを喜んで受け入れる絢斗は、自ら溺れ修治へと身を委ねた。

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