④
「おまッ…いきなりソレて、どがんなっとっとやッ…」
ハァと熱い息を吐き、修治が顔を歪める。
それは勿論、苦痛によるものではなく…
「んふ…らって、気持ち良かやろ?」
ヤラシクも彼の下半身に顔を埋めている、絢斗が与える快楽によるものだった。
「キスの次がフェラとか、聞いた事なかぞっ…」
初めて体感する口内の心地好さに。
修治は一気に加速する昂りを、なんとか抑えつける。
絢斗に求められ、自身もまた恋人への性欲に駆られ、人知れず始まった行為は。包容から深い口付けと連鎖し…
何故だか今、こうして絢斗にナニをしゃぶられる流れとなってしまった。
それは彼がそれなりの経験者であり。
初心者な修治にとっては、手探りでしかなかったが故の必然的な流れなのだが…男として人一倍プライドが高い修治にしてみれば、腑に落ちない状況でしかない。
といっても、絢斗にされる行為が嫌なわけでもないのだが…。
「ン…ふぁ…はぁ…」
無我夢中で自身の性器に舌を這わしてくる絢斗を、吐息混じりに見下ろす。
くしゃりとその柔らかな前髪を、手櫛で掻き上げてやれば…絢斗は紅潮する頬を緩め、潤んだ瞳で修治にはにかんだ。
瞬間、心奪われた修治の中心がドクリと質量を増す。
「なあ修治、気持ちよか…?」
「…ああ」
くわえたまま問う絢斗に、余裕ぶって答える修治。
すぐにでもイキそうになるのを堪えていると。
絢斗の体がモゾモゾと揺れているのに気が付いた。
表情もなんだか切なげなものになっていて…
「修治ィ…オレも我慢、出来きんくなってきた…」
ちゅるりと溢れる先走りを吸い上げながら、絢斗がねだるよう告げてきて。次にはガチャガチャと、自身のベルトに手をかけ始める。
「ちゃんと…修治のもすっけんが、オレもシてよか…?」
大好きな人と待ちに待った性行為に。
タガが外れてしまった絢斗は、下着から勃起したモノを取り出しゆるりと扱き始める。
そんな恋人の乱れように興奮を覚えた修治は…
自分のナニをしゃぶる彼の頭を、ゆっくりと引き剥がした。
何事かと、絢斗が不安げに見上げてくる。
「なら…お前のは、俺がしてやっけんが…」
立てと腕を引かれ、でもと修治と彼の下腹部とを見比べる絢斗。
やっぱり気持ち良くなかったのか、それとも真面目な彼にとってフェラという行為が軽率だったのか…絢斗が頭の中でぐるぐる思考を巡らせていると。
修治は跪く絢斗の腕を引っ張り上げると、その胸に抱き寄せた。
瞬間…露出した猛り同士がグチュリとぶつかり、絢斗は甘く声を漏らす。
「ああッ…」
きゅむっと自身を手に掴まれ、悲鳴を上げた絢斗の耳元に。修治がはぁ…と吐息混じりに囁く。
「お前は俺が気持ち良くしてやっけんが…」
お前はこっちな、と…言われて取られた手を自分の勃起したモノへと導いてきた修治。
今まで見せることのなかった、修治の本能的な姿に。絢斗は堕ちそうになる反面、嬉しさで泣きそうになるのを必死で堪えた。
「あ、ンンッ…修治ィ、気持ちイよぉっ…」
「は…お前その顔、エロ過ぎやっぞ…」
「ばっ…てん、修二とエッチなこと、しよっとやもん…しょうがなかたい…」
「チッ…」
夕暮れの学校、静まり返った階段の陰で、やけに卑猥な音が響き渡る。
ピチャピチャと互いのナニを扱く音、口から漏れる吐息や喘ぎ声…鳴り出したチャイムが更に背徳感を煽って。
イケナイ行為をよりエスカレートさせていった。
「修治も、ヤバかよ…」
エロくてカッコイイ…
誉め言葉かは微妙だったが、絢斗が言うならば悪い気はしない修治。
むしろ掠れ声で直接耳元で囁かれて。
興奮に掻き立てられる雄が、バカみたいに脈打った。
勢いに飲まれ、修治が普段はまず自らしてこないようなキスをしてくる。
それはぶきっちょでいてデタラメだったけれど。
他の誰とするものより遥かに気持ち良くて…充たされる想いに絢斗もまた、酔いしれるのだった。
「」ふは…修治、そろそろイキたかとやないッ…?」
経験者の余裕とばかりに。
握り締めた修治の先端を、グリグリと指の腹で弄り始めた絢斗。瞬間走る快感の一波に、修治はグッと歯を食い縛り堪えてみせて。
切なげに表情を歪める彼に対し、絢斗は悪戯な笑みを浮かべる。
「お前かって…かなりヤバそうやっか…」
「んあっ!ソレはんそ、くばいっ…」
玄人ぶる幼なじみが気に食わない修治は。
仕返しとばかりに、絢斗のナニをグチリと一層強く握り締め、扱き上げる。
急に強められた圧迫に、絢斗は思わず身体を仰け反らせて…無意識にも悲鳴を上げてしまった。
今度は修治が勝ち誇った笑みを見せ付ける。
「も、ズルかばい…そげんヤラシか顔ばして…」
3ヶ月も頑なだったくせに…。
ちょっとしたきっかけひとつで、こんなにも本能的になるだなんて。
あんなに硬派でウブだと思ってた修治が、今は自分の性器を扱き一緒になってオナニーなんかしてる。
まさかここまで進展出来るとは、絢斗自身も想定外だったけれど…。
「修治ッ…もっと、シて…」
「チッ…上等やっか…」
この生々しいな行為は、紛れもない現実なんだって。それを喜んで受け入れる絢斗は、自ら溺れ修治へと身を委ねた。
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