第26話 山中三曹の受難そして――

「もう再来週なんだよね、アンタの結婚式」


 九月も最終土曜日の昼過ぎ――。

 福岡駐屯地婦人自衛官WAC隊舎2階東よりの一室で白いロングTシャツ姿で荷物を整理している婦人自衛官WACに対して、黄色いTシャツに白のホットパンツ姿でクッションを抱きながらベッドでゴロゴロしているもう一人の婦人自衛官WACが言った。

 

「そうよ――」


 といつもポニーテールにしている髪を団子にして、あれこれ取捨選択しながら荷物を整理するロングTシャツの婦人自衛官WAC

 なぜ荷物を整理しているのかというと、結婚式の前日から恵里菜は啓太と新居に越して営外者となるからであった。

 

「だよねー。それにしちゃーさ、アンタ、マリッジブルーとかなかったよね?」

「んー、だって相手は啓太だよ? なぜマリッジブルーになんなきゃいけないの?」

「デスヨネー――」


 あっけらかんとして答えるロングTシャツの婦人自衛官WAC。その名を鳴無恵里菜三等陸曹、旧姓を下川恵里菜という。その恵里菜と同室ルームメイトの山中美嘉三等陸曹という。

 この2人、前期教育隊からの同期であり、職種も同じく衛生科職種。所属部隊は恵里菜が駐屯地業務隊の健康管理室であり、山中三曹は第4後方支援連隊衛生隊である。

 


 遡ること二日前――。

 恵里菜の誕生日でもある9月23日に、啓太と恵里菜は婚姻届を出した。2人で共同作業をした最初の仕事であった。

 啓太も恵里菜も陸上自衛官の制服姿で婚姻届を出しに行き、その制服姿で役所前でお互いに自撮り写真を撮って「これから入籍します」とつぶやいた。

 中には誹謗中傷もありはしたけれども、2人を祝福するこれが圧倒的に多かった。いつもよりも多くいいねがついて、このいいね数に2人は久々に驚いたのであった。とはいえ、2人は反響は別に気にしていない。というか、自分達が何をしてきたのかのブログ的な意味合いでつぶやきをしていたからである。まあ宮崎旅行でバズッてしまってどう対処したらいいのかわからなくなったこともありはしたけれども、今はかつてのバズりが本当にあったのかといいたくなるほどの細々としたいいね数に落ち着いていた。

 そして2人はそのまま寄り添いながら駐屯地に帰ると、駐屯地の中では腕を組んで歩いたのであった。

 そこを例の司令副官の柴田陸将補に見つかり注意されたものの、それを後から歩いていた駒田陸将に止められた。

 柴田陸将補はあまりいい気分ではなかったものの、駒田陸将が言うならばと苦虫をつぶしたような表情をして二人を見送った。

 が、柴田陸将補がそれだけで終わるわけもなく、駐屯地業務隊隊長、304さんまるよん基地通信中隊長に啓太と恵里菜の件をチクリ、さらに両隊長が今度は駒田陸将に柴田陸将補からおしかりが来たことをチクったことで、柴田陸将補は滅多なことでは怒らない駒田陸将をマヂ切れさせたのであったが、それを知るのは司令部で駒田陸将のお茶出しもしている務める田中麻衣二等陸曹だけであり、この件は駒田陸将から他言無用であることと破った時のペナルティも言い渡されているため、田中二曹は他言してはいないので、この件を他人が知ることはないであろう。

 そんなわけで啓太と恵里菜は無事入籍し、これによって、恵里菜は下川恵里菜から鳴無恵里菜へと変わったのであった。




 戻って婦人自衛官WAC隊舎の恵里菜と山中三曹の部屋――

 

「ハァ、なんかアンタ見てると悩んでるのがアホらしくなるわ――」


 とぼやく山中三曹はクッションで顔を隠しており、山中三曹はこんなことをしたことがないので、恵里菜は山中三曹のベッドに行って端に腰かけると「美嘉、何かあったの?」と問いかけた。

 すると、山中三曹がむくっと起き上がるとそのまま恵里菜に抱き着いて突然、声を上げて泣き出した。

 

「ちょ、ちょっとどうしたの?」


 いきなりのことで驚いた恵里菜であったが、山中三曹が泣き止むまで彼女の背中をさすることにした恵里菜――。

 

「ゴメン――ちょっと、ね――」


 しばらくして、恵里菜から体を離した。

 

「ねえ、何があったの?」

「ん――なんでもない」

「何でもないことないでしょ! ちゃんと言って。美嘉が泣き出すなんて普通じゃないでしょ?」


 と恵里菜が山中三曹の目を見てそういうと、山中三曹は恵里菜から目を逸らせた。

 

「そんなことないよ。私だって時には――」

「美嘉は話をするときちゃんと人の目を見て話す人だよ。その美嘉が目を逸らせるのってそれだけのことがあったってことでしょ? 同期でしょ? ちゃんと聞かせて!」


 と少し強めの口調で恵里菜が言うと、山中三曹が恵里菜に視線を戻すと苦笑した。

 

「よく見てるよね、アンタって――」

「美嘉はいつも私を助けてくれたでしょ? 美嘉が困ってるのなら今度は私が美嘉を助ける番だよ」


 と、恵里菜は山中三曹に微笑んだ。

 そんな恵里菜に、山中三曹は大きく深いため息をつくと、

 

「私ね、妊娠したの――」

「え?――」

「驚くよね――」

「それで相手は?――」

「そんなの寺田二曹以外にいないよ」


 とそこで山中三曹が再びため息をつくと、その目から大粒の涙がこぼれた。

 

「私さ、寺田二曹に妊娠したことを伝えたんだよ。そしたら――あの人、そんなの知らないって――」


 と山中三曹は再び声を上げて泣き出した。

 

「そんな、そんなのひどいよ! 私が話しつけてくる!」


 とベッドから立ち上がろうとする恵里菜を山中三曹は止めた。

 

「ダメ! あの人、うわさ通りの人だったんだ。こんなこと言いに行ったらアンタに何をするかわからないよ!」

「そんなこと言ったって!」

「ダメ! 行っちゃダメ! 私は堕胎するおろすから。それで終わらせるから――」

「そんな――」

「いいの。私がバカだっただけだから――」

「ねえ、このこと啓太にだけは話してもいい? このことを私は秘密になんてできないから」


 と、恵里菜がうつむいて泣いている山中三曹を覗き込むようにして言うと、山中三曹は「うん」と頷いたので、恵里菜は山中三曹を抱きしめながら啓太に電話を掛けた。

 数コールして出た啓太。恵里菜はその啓太に山中三曹の件を話すと、啓太は声を荒げた。

 

 

 

 男子営内隊舎の啓太の部屋。

 

「なんだそれ! ふざけてるよ!」


 恵里菜から山中三曹の件の話を聞いた啓太は声を荒げて大きな声を上げた。

 

『ゴメンね。本当は秘密にしとかなきゃと思ったんだけど、啓太には話してしまいそうだったから美嘉に了承を貰って啓太にだけ話しておこうと――』

「わかったけど、それで山中三曹は?」

『お腹の子供堕胎するおろすって――』

「それだけじゃすまないだろ。わかったこの件俺に預けてくれないか?」

『え?』

「バカなことはしないから、いいね? 恵里菜は山中三曹についててあげて」

『う、うん。わかった――けど、寺田二曹噂通りの人だったって美嘉が心配してるから、絶対に直接行かないでね』

「そんなことはしないよ。俺だってバカじゃないし、痛いのは好きじゃないからね」


 と啓太は言うと、苦笑した。

 

『うん、わかった。でも約束して。絶対に無茶はしないって。美嘉も心配してるから』

「わかった。無茶なことはしない。約束するよ。じゃあ、また後で」

『うん。また後でね』


 そういって啓太は電話を切ると、駒田陸将の携帯電話に掛けた。

 なぜ駒田陸将の携帯番号を知っているのか、それは印鑑証明書と実印、それから引き落としをする銀行の通帳、通帳の印鑑をもって駐屯地司令室に行った時に、駒田陸将から何か困ったことがあったらどんなことでもいいから連絡をするようにと携帯番号を交換しておいたのだ。

 

「司令、お休みのところ申し訳ございません。304さんまるよんの鳴無三曹です」

『おお鳴無君か。どうした改まって。プライベートは砕けた感じでと言っておいたはずだが?』

「すみません。ですがこれは駐屯地司令としての駒田陸将へのご相談でお電話を差し上げた次第でして」


 と啓太が言うと、駒田陸将は『詳しく聞こう』と言ってきたのだが、

 

「お電話では周りの目もあって話しづらくてですね。できれば直接お会いしてお話しできればと――」

『了解した。君は外出はできるのかね?』

「はい、外出許可証も受領済みです」

『了解した。ではな、駐屯地前のコンビニがあるだろう。そこに10分後に迎えに行くから来てもらってもいいか?』

「了解しました。それでは10分後に駐屯地前のコンビニでお待ちしております」

『了解した。それではな』


 電話を切った啓太は、外出着に着替えると、待ち合わせのコンビニへ向かった。

 

 

 

 10分後――

 コンビニ入り口前で待っていた啓太は、愛車であるレンジローバーでコンビニに到着した駒田陸将に「乗りなさい」と言われて、駒田陸将の車に乗った。

 駒田陸将は、紺のスラックスに秋用の茶色いジャケットに、サングラスという出で立ちだった。

 まあこの季節の午後は太陽の西陽がきつくなってくるので、安全のためにサングラスをかけているのであるが、駒田陸将がサングラスをかけると、どこかの組の組長か幹部のように見えて近寄りがたい雰囲気を醸し出している。

 そんな車にイケメンが助手席に乗ったものだから、コンビニ前で話していた女性学生たちが目を丸くして驚いていた。


「ここでも困るだろうから、私の行きつけのコーヒーショップでも大丈夫だろうか?」

「はい、陸将にお任せいたします」

「わかった」


 と駒田陸将は、福岡市とは逆方向のちょっと丘を登ったところにあるコーヒーショップに向かった。

 そのコーヒーショップには、個室があり駒田陸将はちょくちょくその個室でゆったりとした時間を過ごすのが好きであった。なので店員も駒田陸将と啓太が店内に入ると、駒田陸将がいつも使用する個室へと案内した。

 

「さて、私は甘いものが好きでな。ここでパフェを食べるのだが、キミも一緒にどうかね?」

「ではお付き合いします」

「おお、いいね。好きだよ君のそういうところは」

「ですが、駒田陸将が甘党とは、ちょっとイメージが違って見えますね」

「そうか?」

「はい。何というか武田信玄というかそんな感じの雰囲気に見えてましたので」

「武田信玄か。そうか私はそんな風に見えていたのか。では今はどうかね?」

「今ですか? 今はパフェのメニューにくぎ付けになっている愉快なおじさんといったところでしょうか?」

「そうか、愉快なおじさんか。それは面白いな。いいよそういう君の感性は私は大好きだ」


 と駒田陸将は愉快そうに笑った。

 啓太も先日司令室に行った時から駒田陸将とは打ち解けることができたようで、こういう返しもできるようになっていた。

 

「とりあえず、電話で話した内容は甘いものを食べる前に聞くだけ聞いておこうか」

「ありがとうございます。それがよろしいと思います」

「では聞かせてもらえるか?」

「わかりました――」


 啓太は恵里菜から聞いた山中三曹と普通科連隊の寺田二曹の件を話した。

 

「そんなことが起きているのか!? それでキミはどうしたい?」


 と駒田陸将から聞かれた啓太は、目を吊り上げて、

 

「今すぐにでも殴り込みに行きたい気分です」


 と率直な気持ちを伝えた。

 それだけではなく、山中三曹や恵里菜と約束したことも伝え、どうすることが最善策かを聞くには駒田陸将が適任者であろうと考えたことまでを伝えた。

 

「そうか。よく堪えたな――で、だ。私もその山中三曹という婦人自衛官が被った被害と寺田二曹という隊員の自己中心的なやり方に幾分頭に来ていてな――。とりあえずこの先は甘いものが来てからで良いか?」

「もちろんです。私も頭に血が上っていますから、甘く冷たいものでとりあえず冷静になりたいところです」

「だな。すまないが、はいいかい?」


 と駒田陸将は葉巻を出したので、啓太は「どうぞ」と勧めた。

 駒田陸将は葉巻の先をカッターで切ると、そこに火を付けて葉巻を吸い始めた。

 何というか、結構厳つい顔でガッチリ体型の駒田陸将が葉巻を吸う姿は、よく似合っていた。駒田陸将にバシッとスーツを着せてハットでも被せれば、まんまイタリアンマフィアの完成だなと啓太は思った。

 

「お待たせいたしました」


 と女性店員が2人分のチョコパフェを持ってきたのだが、目を座らせて葉巻を吸う駒田陸将と、その駒田陸将をみて少し笑みを見せるが目は笑ってない啓太に一瞬たじろいだのだが、ササッとチョコパフェとスプーンを置くとそれはもう疾風のごとくその個室から去っていった。


「お、来たな。じゃあまずは甘いものを食べてから続きを話そう」

「はい」


 と2人はチョコパフェを食べだした。である。しかもその内上座に座るは寸前まで葉巻を吸っていた見た目やばそうな初老の男。片やパッと見イケメンなのだが目が怖い若い男。傍目にはかなりディープな雰囲気がこの場に漂っていた。

 まあ、原因は寺田二曹なのであるが――。

 

 チョコパフェを食べ終わり、頭に上った血がようやく下がってきて2人の目つきも普通に戻ってきた頃、恐々とした別の女性店員がコーヒーのお代わりを持ってきてくれた。

 

「あ、すみません。ありがとうございます」

「どうもいつもすまないね。ありがとう」


 と2人とも紳士的であり、「全然怖くなかった」とコーヒーを持っていった店員が言うので、パフェを持ってきた店員は自分と感じたその差があまりにも激しく、ちょっと人間不信になりかけたのであった。

 

 

 さて、甘いものも食べて落ち着きを取り戻した個室はというと――

 

「それで、冷静になったキミとしては、どうしたいのかね?」


 と再び葉巻を吸い始めた駒田陸将が啓太に尋ねてきた。

 

「そうですね。殴り込みに行きたい気持ちには変わりないのですが、それよりももっとずっと精神的に彼を追い詰めた方が良いかと。ちなみに寺田二曹にはこんな噂がありまして――」


 と啓太は寺田二曹の噂を駒田陸将に伝えた。

 その噂とは、

 

  ・昔、ヤンキーだった

  ・10人の武器を持った相手に1人で勝った

  ・1日で十数人を病院送りにした

  ・とにかくキレるとヤバイ

  ・普段は面倒見が良い

  

 この噂を聞いた駒田二曹がたどり着いた答えは――

 

「おい、そりゃDVをする男そのものじゃないのか?」

「言われてみればそうかもしれませんね――」

「鳴無君、ちょっと君の奥さんに電話で聞いてもらいたいのだが――」


 と駒田陸将が恵里菜に聞いてほしいことを挙げてきた。

 

  ・山中三曹の体にあざがあるか

  ・寺田二曹に妊娠したことを伝えた時、言葉以外に何かされたか

  ・その後、優しい言葉をかけてきたか

  

 そのことを恵里菜に聞くと、

 

「啓太が言ってきたこと全部当たってる。ねえ、本当に大丈夫なんだよね?」

「大丈夫だよ。今駒田陸将に相談しているところだから。駒田陸将から伝言だけど、表沙汰にするつもりはないけども今回の一件は警務隊案件になるかもしれないらしいから、山中三曹に警務隊から聴取があるかもしれないことは伝えておいて」

「うん――美嘉もわかったって」

「うん。じゃあまた後でね」


 と啓太は電話を切った。

 

「私の思った通りか――」

「そのようですね――」

「よし。この件は一旦私が預かってもいいか?」

「え? でもよろしいのですか?」

「もちろんだとも。というか、この件鳴無君が一人で動いても何の解決もしないだろうからな。それにこういう案件を預かるのが一番最適なのは私だよ、鳴無君。私の役職は何だい?」

「え? あ――そうですね! ではお任せします」

「理解力がある奴は好きだよ、私は」


 と、駒田陸将は、ニヤリと不敵に笑った。

 しかし、その笑みに啓太は背中にヒヤリとするものを感じた。

 

「ひとつ言ってもいいですか?」

「おお、なんでも言っていいぞ?」

「では――寺田二曹は起こしちゃいけない虎を起こしちゃった気が――」

「フフフ――私はそんな簡単にはキレんよ?」


 という駒田陸将の笑みは、真逆の笑みだと啓太は確信した。

 

 ――寺田二曹、無事ではすまんようだよ。まあ自業自得か――

 

 と心の中で寺田二曹に手を合わせる啓太であった。

 

 

 

 そして翌月曜日――。

 山中三曹は警務隊の女子隊員から詳しく聴取された。

 そして同日、寺田二曹も聴取されたのだが、そこで警務隊員に挑発されてブチ切れたところを寺田二曹は取り押さえられ、山中三曹への暴行罪が刑事的に立証され、寺田二曹は逮捕。同日、寺田二曹は刑事事件容疑者であることが確定した事から懲戒免職処分が確定した。

 そしてその翌日、山中三曹はお腹の子供を堕胎する手術を受ける予約を取った。

 

「私がバカなことしたから、お腹の子の命を私が――」

「美嘉――辛いね――美嘉、その子産みたい?」

「わからない。けど、きっと私この子産んだらいけないと思う。だからこの子には申し訳ないけど――」

「うん。お腹の子もきっとわかってくれるよ。そして、きっとまたべつの人との間の子として生まれてきてくれると思う」

「恵里菜――ありがとう」


 手術の前夜、山中三曹は恵里菜の腕の中で夜通し泣き続けた。

 

 山中三曹が堕胎手術をする日、恵里菜は加藤二尉に話したところ、健康管理室隊員として山中三曹の付き添いを命じられたのだった。

 

 山中三曹は他の受診する隊員とは別の救急車アンビで自衛隊福岡駐屯地に恵里菜と一緒に運ばれた。

 そしてそのまま産婦人科で堕胎手術を受けた後、一週間入院することになった。

 入院初日は個室でずっと恵里菜が付き添ったのだった。

 その翌日は恵里菜が営内で過ごす最後の日であった。

 

「恵里菜、ありがとう。そしてゴメンね――」


 と山中三曹は恵里菜の袖をつかんで泣いた。

 

「大丈夫。ねえ、退院したらうちに泊まりにおいでよ。きっと啓太も喜ぶから」

「でも、新婚さんの家になんて――」

「そんなの気にするんじゃないの。啓太も心配してるんだから、絶対泊りにおいで」

「わかった――退院したら行く。行って2人の邪魔をしてやるから」

「その意気。まあ私達を邪魔しようたって邪魔させないけどね」

「この幸せ者!」

「きっと、きっと美嘉も幸せになれるからね!」


 と、恵里菜は山中三曹を胸に抱いて、そして二人で泣いたのだった。

 

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