第五章 東の勇者と西の魔女

第五章・その1 東の勇者と西の英雄


 西の者たちにイオンが『魔女引き渡し』として指定した日の朝になった。

 イオンとノーチェの二人は、西の奴らが指定してきた場所、中央地域セントリウムにある古代国家の遺跡、カーラ神殿跡――魔神殿とも呼ばれている場所へ向かうため、準備をしていた。


「イオン。これを持って行きましょうか?」

 ノーチェが干からびた何かを手に持ち、尋ねてくる。

「あ、うん。何――――」

 イオンが振り向いた途端、渋い顔になる。

 彼女が手にぶら下げているもの――それは、木乃伊と化した毒参茄マンドラゴラだ。

「これの削った粉を傷口に擦り込むと、痛みが軽減して、止血の効果が――」

 懸命にノーチェが毒参茄マンドラゴラの効用を説明するが、イオンは上の空で聞いている。

 阿鼻叫喚の表情のそれは、見れば十人が十人、不気味と言って憚らない代物だ。

「――――あ、うん。痛み止めで止血ね。良いんじゃない、かな?」

 随分遅れて、取って付けたようにイオンが返答する。

 彼の反応の悪さに、あまり乗り気でないのを悟ったのか、沈んだ様子でノーチェは魔法の革袋の中に、毒参茄マンドラゴラを詰め込んでいく――――持って行くことは、持って行くようだ。

 毒参茄マンドラゴラをノーチェが詰めている様子を、イオンは暫く眺めていた。

 が、不意にイオンは「ノーチェ」と、名を呼んだ。

 最後の毒参茄マンドラゴラを手に取ってノーチェが「はい?」と顔を上げた。

「暫く黙ってたんだけど……その」

 イオンが言い辛そうに途中で目を逸らすが、意を決したようにノーチェに向き直った。

「この前、西の英雄が、俺の魔水晶に繋いできたんだ――」

 乾いた毒参茄マンドラゴラを握りしめながら、ノーチェが目を大きく開いて息を呑んだ。


 魔水晶に映るのは、金髪の温厚そうな青年だった。

〔――君が、東の勇者、イオンジェン・レルミット?〕

「……そうだが?」

〔はじめまして。僕はヘイロス。ヘイロス・ラトゥール。人は〝西の英雄〟と呼んでいる〕

 魔水晶に映る青年――西の英雄ヘイロスが、物腰も柔らかに、礼儀正しく名乗る。

〔突然の連絡で、本当に悪いのだけれど、ちょっと良いかな?〕

「構わない。お前に聞きたいことが山ほどある」

〔良かった。じゃあ、僕のことはヒロって呼んでもらって構わないよ。親しい人はそう呼ぶ〕

「そうか、分かった……それでヘイロス。俺に何の用だ?」

 ヘイロスが魔水晶の向こう側で苦笑いする――イオンは相手をじっくり見ていた。

 魔水晶を通じて感じる西の英雄は、確かに本物だ。

「大体、どうやって俺の魔水晶に繋いできた? 魔術導線を教えた憶えはないんだけどな」

〔何てことはないよ。先日、君のとこにお邪魔した聖騎士テンプラーの一人が、僕の生粋の、部下だったからね、彼に頼んで密かに導線を確保してもらったんだ〕

「まるで、聖騎士は他の奴の思惑通りにしか動かないように聞こえるんだが?」

〔その通りだよ。聖騎士の大半は大司教エグゼル・メンタールの子飼いだからね。完全に僕の意思を汲んで動く人は限られている。しかも、内密に動いてもらわないと、大変だ〕

「かつての仲間だったとは思えないような言い草だな……」

〔彼の場合、仕方なく仲間にしていたからね。何せ、真っ当に戦える人材がいなくて、彼みたいな人間でも仲間にしないと、まともに戦いにならないんだ〕

「だから、魔力喰いでも仲間にしていたと?」

〔そうだよ〕

 あっさりと西の英雄は認めた。

東方地域オリエンスでは数百年振りに魔王を倒せる勇者が現れたけど――まぁ君のことだね。逆に、西方地域シーファンではかつてないほど魔王討伐の人材が不足していてね。僕と賢者ナクティス以外で、まともに戦力になる人材はエグゼル・メンタールくらいしか、いなかったんだ〕

 西の英雄の、困ったように肩を竦めた。

〔それでも引き分けが限界だったよ――ナクティスが魔王を封じてどうにかなったけど〕

「魔王を倒していないというのは、認めるのか?」

〔認めるも何も、賢者が一時的な封印をしただけだよ。再戦したいけど、大司教が魔王を倒したと喧伝しちゃったからね、〝魔王がまだ生きている〟なんて知られたら、西方地域は大混乱になるだろうね。お陰で仲間も集められないし、困ったものだよ〕

「お前はそのままでもいいのか? 封印が解ければそのうち分かるぞ?」

〔ナクティスが施した封印が解ける前に、魔王が倒せたらいいんだけどね。今、起こっている厄介事が終わったら、僕の命でも、かけようかな?〕

 ヘイロスが苦笑する。その様子は、どこか人を食った感じだった。

西方地域そっちが寄こしてきた祭助のブルグルが処刑されたようだが、なぜだ?」

〔そんなの決まってるよ。メンタールの分の罪を背負わせてから喰うためだよ〕

「それで、お前は放っておくのか? 西の英雄ヘイロス」

〔放置はしないよ。メンタールは邪悪だ。ただ彼は、以前から高い地位にいてね。咎人だからと安易に消せないんだ。しかも用心深くて、なかなか隙を見せてくれない〕

 魔水晶に映る、西の勇者の目がすうっと細くなる。

〔そろそろ始末しなきゃいけないと思ってる――本当は、ナクティスがメンタールと対峙した時に、彼を消してくれれば良かったけどね。残念ながら彼女、封印されちゃったから〕

「自分の手でやろうとは思わなかったのか?」

〔西の英雄が仲間を? しかも地位の高い奴を手に掛ける? 後がすごく大変そうだね〕

 イオンが険しい顔をしていると、英雄は然らぬ顔で〔ところで〕と言う。

〔ナクティスは随分前から君のとこに居るんだろう?〕

「それが、どうかしたのか?」

 天眼を持つから、ある程度の居場所は分かっていただろう。イオンも敢えて否定しない。

〔いや? 君が彼女を気に入ったなら、好きなようにすれば良いよ――ただ、イオンジェン。大司教メンタールは、彼女の魔力を得ることを諦めてない〕

「思わせぶりな言い方だな……で? 英雄が自ら勇者おれに連絡してきたのは?」

 魔水晶の向こうで西の英雄がうっすら笑う。聞くまでもない、そう言わんばかりに。

〔――君に、大司教を消して欲しいんだ〕


◇ ◇ ◇


「……あれは、とんでもない人物だ」

 ウニコの鞍上で、イオンが苦々しく語る。ノーチェは小さく溜息を吐いた。

 今、イオンとノーチェの二人は、ウニコの背に乗って、中央地域セントリウムに向かっている。

 ウニコは馬車を曳く時よりも、遥かに速く走っていた。彼の走りは駈けるというより跳ぶに近い。しかし、鞍上では揺さぶられているような感覚は一切ない。

 まるで風にでも乗っているような軽やかさで中央地域セントリウムまで真っ直ぐ突き進む。

 西の英雄とイオンとの会話は、ノーチェにも大体察しが付いた。

「俺がこれまで受けた冒険の依頼の中で、西の英雄あいつが頼んだやつが、一番えげつない」

 言い捨てるイオンに、ノーチェは返す言葉もない。

 彼は、ああいう人だ。イオンとは間違いなく気が合わない。

「これを言ったらなんだけど……よく、あんな奴の仲間に入る気になれたなぁ」

「あの人、使える者なら、誰でも使うような人でしたから」

 ノーチェが小さく呟いた。

 そう、英雄は使える者なら誰でも使った。それこそ、魔族の血を引いた者でも。

 当時の彼女にはそれで十分だった。今の状況を考えたら、良い選択ではなかった。

 だが、彼女の力を必要とする者が、当時、西の英雄くらいしかいなかった。

 ノーチェは彼の背でしがみつく腕に力を込め、「もしも」と呟く。

「私があなたの仲間になりたいって言ったら、仲間にしてくれました?」

 背中を通してイオンが唸っている震動が、ノーチェに伝わってきた。

「――多分、俺なら仲間にしなかったろうな」

 彼の答えに、僅かに動揺する。「なぜ?」尋ねた。イオンは唸るように呟く。

「……美人過ぎる」

 うっかりノーチェは「えっ?」間の抜けた声を上げた。

「危ない場所になんか連れて行けない」

 イオンははっきりと言い切る――ノーチェが首を捻った。

「あの、全く意味が分からない……のですが?」

「だから、黒エルフスヴァルトアールヴがいくら強くても、危ない場所に、美人は連れて行けないよ」

「だから、意味が……」

「西の英雄はとんでもない人物で、これはないなぁ、と思ったんだよなぁ〜」

 イオンは話をはぐらかした上に、強引に元の話題へ戻した。

 ――何なのかしら? 

 呆気に捕らわれたノーチェだったが、納得のいかない彼の態度で、即座に不機嫌になる。

 むっとしながらも、ノーチェが話の続きを聞く。


「俺に、大司教を消せと?」

 イオンが険しい表情で魔水晶に映る英雄に尋ねる。

 彼は〔そう〕と気安い様子で同じた。

〔無理にとは言わないよ? 『出来れば大司教を消して欲しい』ってくらい〕

 妥協しているのか、西の英雄はそう言い添えた。イオンの顔がますます険しくなる。

「かつての仲間のやらかした事の後始末は、お前自身がやるべきじゃないのか?」

〔だからだよ。無理に頼んでいるわけじゃない。確かに自分で始末した方が確実だから、出来ればそうしたいんだけどね。でも僕がやれば、間違いなく西方地域に混乱をもたらす〕

 大司教は西方地域の要職についている、というのはイオンも承知している。

 しかしそれで、一体どんな混乱をもたらすのか? 英雄はすぐにその答えを出した。

〔彼には〝英雄の後見者にして貢献者〟という肩書きがある。僕からしたら体の良い見張り役だったけどね。それに加え、〝慈善家〟困っている人を、よく目立つように助けていたから。そうして築き上げてきた、その先にあるのは西方地域シーファンの次期〝全地大司教オイクメノス〟〕

 戯けたように英雄は語る――

 全地大司教オイクメノスといえば、王すらかしずく、最上位の神職だ。

全地大司教オイクメノスになったら僕にはもうお手上げだ。その前に彼には消えて欲しい。けど、僕は西方地域に無用の混乱をもたらしたくない。出来れば波風が立つのは最小限にしたい〕

「平穏が一番で、そのためなら下衆な依頼をすることも躊躇わないと?」

〔そうだよ。当然だ〕

 何の迷いもなく西の英雄が答えた。

〔わざわざ人々の間に不安と混乱をもたらすことはないだろう? 無理に正義を振りかざそうとして、波風立てた上に、混乱させるなんて、あまり賢くないことだ〕

「その陰で、一体何人が犠牲になるんだろうな」

〔少しくらいの犠牲は仕方ない。それに、君だってそうだろう? 隠遁して、表舞台から消えることで、東方地域の平穏を保たせているんじゃないの?〕

「その指摘は、間違ってもないが、合ってもない。それに、俺とお前は同じじゃない」

 西の英雄の確信めいた問いに、イオンが答える。英雄が眼を細めた。

〔まぁとにかく――大司教メンタールは、西方地域じゃない場所で、第三者の手によって消えてくれたら助かる。そして彼の失踪を、僕の立場でどうにか上手く繕う。表向きは聖人として通っている彼だからね。そのままの状態でそっと消えてくれたら、西方地域は平和だ〕

「……そこは変わらないんだな」

 ヘイロスは、何をいっても揺らぐ様子がない。

〔でも、全ては東の勇者ご機嫌次第の話だ。君はかなり真面目な人物だからね。消さずにそのままってこともあるし。確実性は期待出来ないからね〕

 イオンがあからさまに気分を害した顔つきになった。

「お前のその言い様には腹が立つが、俺は、彼女が救えればいい。相手が余計な手を下してきたら返り討ちする可能性があるくらいだ。お前の望みが叶うかどうかは、知らない」

〔いいよ。それで――ああそっか、ナクティスか〕

 ようやく思い出したような素振りでヘイロスが言う。

〔そうそう。ナクティスには、色々押し付けて、機嫌が悪くなってるだろうからさ。僕からの伝言なんだけど、彼女には〝ごめんね〟って、伝えておいて〕

「……お前のその態度からして、全く誠意を感じないな」

〔そう? 僕はいつも、こんな感じだよ? ――それにね、イオンジェン〕

 イオンからの指摘に、気にした様子もなく西の英雄が続ける。

〔君はナクティスと一緒に居て苦じゃないみたいだけどさ――黒エルフスヴァルトアールヴって、結構怖いんだ。持ってる魔力が膨大過ぎてさ。君にだって見えてるだろう? あれは魔王に迫るくらいだ。だからこそ、魔王を封印出来たんだろうけどね。それ自体は、僕も助かったけどさ〕

「その言い方だと、まるで……」

〔僕にとってナクティスは、潜在的危険分子。魔女だったよ〕

「お前、賢者ノーチェと大司教が潰し合いすれば良いと、そう思っていたんじゃないのか?」

 魔水晶に映る西の英雄が、うっすらと笑った――肯定か。

〔危険分子というだけで、一度は仲間に加えたからね。彼女には消すだけの大義名分いいわけがない。なら、居なくなって欲しい者同士で、人知れず消えてくれた方がいいよ〕

「……最悪だな、お前は」

 イオンが吐き捨てると、ヘイロスは冷めた目をした。

〔ねぇ、君。もしかして、彼女の外観の美しさに惑わされてない? それだと甘いよ〕

 そして西の英雄は、呆れた表情でイオンに忠告する。

〔イオンジェン。彼女の恐ろしさを目の当たりにしてから後悔しても、僕は知らないよ?〕


 イオンは西の英雄とのやり取りをノーチェに語っていたが、途中で黙り込んだ。

 とても本人に伝えられないようなことを、英雄は平然と言っていた――胸くそ悪い。

 西の英雄とは絶対に気が合わない。そう、イオンは確信した。

「さて。そろそろ中央地域セントリウムに入るころだ。街道を通らずに一気に抜ける。魔獣ビースト魔物モンスターは遭ったら全部避けて行く――揺れるから、しっかり掴まって!」

 中央地域セントリウムでは街道以外だと、大型魔獣ビースト魔物モンスターとの遭遇率が非常に高い。大龍ドラゴン鶏蛇コカトリスなど、危険な奴とかち合うことがある。だが、八脚馬スレイプニル以外は、全て一角獣ウニコが振り切れる。

 彼の背にノーチェが強くしがみついてくるのを感じる。

 イオンは手綱を振るって、ウニコの加速を促した。


◇ ◇ ◇


 超大陸ミッドグラウンド中央地域セントリウム。その中間に位置する自由交易都市メディウム。

 この街は、世界のあらゆる場所の、中継地点だ。

「うっひゃあ! 先に着いてたのかよ……」

 ジェスターが愛馬から降り立って、開口一番、そう溢した。

 メディウムの街へ、先に到着していたイオンとノーチェは、街の門前で待っていた。

「直接顔を合わせるのは初めてだな、お姉さん。司祭のジェスターだ。よろしくな」

 ノーチェの「よろしく……」という小さな声に、ジェスターが困った顔で笑った。

「あらぁ、みんな揃ったぁ?」

 メイアンが声を上げ、内股歩きで街の中からやって来る。イオンが首を傾げた。

「なんだ? 先に街へ来ていたのか?」

「私、あなたたちみたいに脚の速いを持ってないからねぇ。今日出たら夕方になっちゃう。だから、昨日の朝にお家を出て、夕方に到着♪ それでぇ、お泊まりしちゃった♪」

「おいおい。普通の行商なら、ここまで半月だぜ?」

 メイアンのお気軽そうな理由説明に、冷静になってジェスターが指摘した。

「ところでぇ〜。イオン。別の人と待ち合わせしてたぁ?」

 戯けたメイアンの問い掛けに、イオンは首を横に振る。

「いや。でも、わざわざ待っててくれた人は居るらしい……姿を現さないが」

 イオンが視線だけを周りに巡らせた。視線の先で、物陰に潜む何かが、蠢いた。

「あれは多分、聖騎士テンプラーではないわ。恐らく、西方地域シーファンの神殿付き斥候スカウトか、暗部アサシン

 ノーチェが小声で呟いた。どうやら彼女も気付いていたらしい。

「西方の神殿付きの斥候スカウトは聞いたことあるが、暗部アサシンとかもあんのかよ?」

「西方の聖職派の、政治的勢力の維持のため、政敵を秘密裏に消す部隊ですよ」

 ノーチェの答えに「おっかねぇなぁ」とジェスターが呟き、イオンの方を見た。

「少し、話を訊いてみるか……。数は二人、いや三人か? ジェスター、彼女の護衛を頼む。俺は左の二人を抑える。メイアンは右の奴を」

 溜息混じりにイオンがゆっくり歩み出る――と、そこから一気に駆け出す。

 門の影にいた行商風の男が、彼の行動に気付き、慌ててその場から脱しようとする。

 だが、瞬く間にイオンが詰め寄り、男の顎の斜め下から掌底を入れる。

 頭を揺さぶられた行商風の男はその場で膝を折り、ずるずると崩れ落ちた。

 イオンは間髪入れずに三間ほど離れた場所へ、姿勢を低くして飛び込む。

 物陰で唖然として見ていた若い修道士を、イオンが滑り込んで足を払い、転がす。

 仰向けに倒れたところへ、イオンは魔術解除の術を込めた一撃を鳩尾に叩き込んだ。

 詠唱途中だった何らかの魔術は打ち消され、修道士の男は苦悶して呻いた。

 少し離れた丘の影では、メイアンが弓使いらしき男を、裸締めで落としていた

「あっけないわねぇ……。これで終わり?」

 メイアンが意識を失った弓使いをその場に転がして、肩をすくめた。

 大方の間者をイオンとメイアンは無力化した。

 ――が、イオンは何かに気付いたのか、琥珀色の眼で街の方角を睨んだ。

 即座にノーチェの元に駆け戻って、抱えるように引っ掴んだ。

 イオンの突然の行動に、ノーチェはもちろん、側にいたジェスターも驚く。

「今、励起状態になったから気付いた――メディウムの街全体に方陣が張られている」

 ジェスターが「はぁ?」と素っ頓狂な声を上げた。

「そういえば、西方地域の神殿がメディウムに司教座を作るって噂を、前に聞きました」

 ノーチェの呟きを聞いて、イオンが眦を険しくした。

「どうしたのぉ? 急に?」

 メイアンが様子の変わった三人が気になったのか、戻ってきた。

 イオンが全員揃ったのを確認し、自分が昏倒させた間者の方を向いた。

「メディウムの街全体が罠になっている――そこの間者を尋問してから、首魁の元に行く」

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